精神科に特化した訪問看護ステーション コルディアーレ

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精神科訪問看護を利用する目的は?実際の活用事例や支援を解説!

精神科訪問看護は、消毒やガーゼ交換といった医療的処置ではなく、精神的なサポートが必要な方に対し、コミュニケーションを取りながら支援を行うものです。

具体的な看護、支援内容は利用者様とご家族の状況により変化します。

個別対応のケアが大半であることから、精神科訪問看護の利用目的や実際の支援内容がわかりにくいかもしれません。

そこで今回は、実際の事例を交えながら精神科訪問看護を利用する目的をご紹介します。

目的を知ったうえで事例をご覧いただくと、より精神科訪問看護のイメージがつくと思いますのでぜひ参考にしてみてください。

精神科訪問看護とは?

精神科看護は、ご自宅での生活でサポートが必要な精神疾患を抱える方に対し、看護師の専門的な知識を活用し、その人らしく生活できるよう支援することです。

精神科訪問看護は、看護師や作業療法士が病院ではなく自宅で生活している方を訪問し、心身のケアや生活支援をします。

精神科訪問看護の対象には、利用者様だけでなくご家族も含まれます。

精神科訪問看護の利用目的とは?

精神科訪問看護を利用する目的は3つあります。

〇ご家族の負担軽減
〇再発予防
〇利用者様の精神的サポート

それぞれ、詳しく説明していきます。

ご家族の負担軽減

精神疾患をお持ちの方は、内服管理の自己管理が難しい、掃除や片付けが苦手など、自分で生活環境を整えるのが苦手な場合があります。

そこで、ご家族のサポートが必要になりますが、精神疾患への理解度や関係性から、ご本人との関わりがうまくできないご家族もいらっしゃいます。

またご家族のなかには、一生懸命になりすぎて疲れてしまう方もおり、こうした際に精神科訪問看護が活用できますよ。

 

精神科訪問看護は、ご本人だけでなく、ご家族ともコミュニケーションを取りながら、ご家族の負担が軽減できるようにサポートするという目的があります。

 

利用者様がご家族と同居されていない場合も、必要であればご家族と連携を取り、ご家族のサポートもしながら、利用者様を支える環境を整えます。

再発予防

精神疾患をお持ちの方は、生活の変化や日ごろの出来事が引き金となり、症状が重くなったり、体調を崩したりすることがあります。

利用者様の中には、セルフケアや内服の自己管理がうまくできず、不安定になる方もいらっしゃいます。

看護師が定期的に訪問し、利用者様の体調管理や生活支援をすることで再発を予防しつつ、なにか変化があれば早期に対処することで、再入院の防止に努めます。

利用者様の精神的サポート

利用者様の精神的サポートは、再発予防にもつながる精神科訪問看護の目的です。

精神疾患をお持ちの方は、同じ病名であっても不安が強い方、攻撃的な傾向がある方、お酒に依存してしまう方など、症状は人それぞれです。

精神科訪問看護は、定期的な訪問を通して利用者様との関係を築きながら、その方に合った精神的サポートをします。

さらに利用者様本人が病気への理解や対処法がわかるなど、精神症状をセルフコントロールできるよう、看護師が専門知識を用いて支援していきます。

実際の活用事例と利用後の変化

精神科訪問看護は、幅広い年代の方に利用されています。

利用者様の症状や疾患もさまざまです。

ここでは、具体的な活用事例と利用後の変化をご紹介します。

 

※個人情報保護の観点から事例の一部を加工しています。

 

①統合失調症の30代男性 内服拒否があった方

独居で内服の自己管理はできていましたが、薬の副作用に不安感が強く内服を拒否があり、一部の薬が飲めていない状態でした。

内服ができていないことから、不安感や攻撃的な症状が強くなり、さらに内服を拒否するという悪循環でした。

精神科訪問看護 介入後

「副作用が怖いため薬を飲みたくない」というご本人の気持ちを尊重し、主治医へ相談。

内服薬の一部を漢方に変更しました。

変更後、内服拒否は無くなり、症状は徐々に落ち着いています。

 

②摂食障害の10代女性 本人の精神的サポートと家族の支援

全く食事を摂らず、入退院を繰り返していた10代の女性です。

ご両親はご本人との関わり方に戸惑っていました。

精神科訪問看護 介入後

介入直後はまず身体的なケアを重視し、体重増加を目標に栄養剤の摂取を促しました。

同時に、ご本人とご家族の話を聞き、精神的なサポートや具体的な生活のアドバイスをしました。

看護師が定期的に訪問することで、ご両親も食事のサポートができるようになり、入院せずに自宅で生活ができています。

 

③認知症の70代女性 本人の体調管理と家族の支援

軽度~中度の認知症があり、内服の飲み忘れがある方でした。

体調が崩れると精神的に不安が強くなり、家族へ頻繁に電話をかけることがありました。

同居の旦那様は仕事をしており、日中不在のため見守りができず、頻繁に連絡がくることや介護に疲れていらっしゃいました。

精神科訪問看護 介入後

血圧や痛みのコントロールなど、体調を整えるための内服薬を確実に飲めるように、看護師が定期的に訪問し内服管理を行いました。

薬の飲み忘れがなくなり、体調を崩すことが減ったうえ、他者との関わりが増えたため、ご本人の表情も明るくなりました。

デイサービスやヘルパーなど、利用可能な制度を紹介し、ご家族の負担も軽減。

旦那様も仕事に集中できるようになり、家族関係も円滑になりました。

精神科訪問看護師が実施している支援とは?

具体的に、精神科訪問看護師が実施している支援をご紹介します。

日常生活支援

〇利用者様の精神的ケア
〇バイタル測定や症状のモニタリング
〇内服管理や体調管理
〇セルフケア支援や生活リズムの調整

日々の生活で悩みや不安がないか、体調変化や生活リズムが乱れていないか観察しながら、必要な時は日常生活の援助をします。

日常生活の支援は、利用者様とコミュニケーションを取りながら行い、利用者様が心身共に健やかにその人らしく生活できるよう支援します。

社会活動支援

〇買い物や散歩などの外出支援
〇居場所や仲間など他社との交流を持つ支援
〇就労支援

精神疾患をお持ちの方は、コミュニケーションが苦手で他者との関わりを避けてしまい、引きこもりがちになることも。

利用者様が孤立しないよう、外出支援や、同じ境遇の仲間と交流できる「患者会」を紹介することもあります。

また働きたいと意欲のある方には、求職活動の支援や仕事に就くための前準備として就労移行支援の紹介も行っています。

家族支援

〇悩みや希望などを聞き家族の精神的なサポートする
〇ご家族と利用者様のサポート体制について相談する
〇緊急時のご家族の対応の仕方を確認する

精神科訪問看護では、ご家族へのアドバイスや心身のケアも行います。

利用者様の状態が急に不安定になった場合など、緊急時のご家族の対応や緊急連絡先の確認をするケースもあります。

連携支援

〇利用者様を支援するさまざまな機関と連携をとる
〇利用者様の情報を共有し、医療者側の方向性を統一する

日々、利用者様を観察している看護師は中心となり、主治医だけでなくケアマネージャーや保健師、セラピストなど利用者様を支援する関係機関と連携をとる必要があります。

利用者様の自立支援のため、行政と連携し公的制度の利用調整なども行います。

在宅療養でお困りの方はコルディアーレにご相談ください

精神疾患の症状は十人十色で、利用者様の生活環境もさまざまです。

精神科訪問看護では、利用者様が地域の一員として安心して暮らしていけるよう、その方に合わせた心身のケア・生活支援が必要です。

精神疾患を患い病院を受診する方は、年々増加傾向にあり2017年には400万人を超えていますが、精神科入院患者数は15年間減少しています。精神科在宅医療の需要は増えており、今後さらに個別性に合わせた看護が求められるでしょう。

私たちコルディアーレでは、日々、スタッフひとり一人が「その人らしい生活とは?」と考えながら利用者様、ご家族と向き合っています。訪問看護師をチームでサポートする体制を整え、専門知識を活かした医療サービスを提供しています。

ご自身のこと、ご家族のことでご相談があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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