統合失調症を患っているけれど、穏やかに在宅生活を送りたい
精神科訪問看護は、利用したことがなく不安
このような気持ちをお持ちではありませんか?
精神科訪問看護を利用し、在宅生活を送っている統合失調症の方は増加しています。
この記事では、統合失調症の方が精神科訪問看護を利用するメリットや導入事例をご紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください。
精神科訪問看護は、主治医が精神科訪問看護を必要と判断した方が利用できるサービスです。
もちろん、統合失調症を患っている方も対象になります。
在宅での療養生活を送るうえで精神科訪問看護を利用するメリットは多く、統合失調症により訪問看護を利用する方は増えています。
厚生労働省のデータによると、精神科訪問看護を利用する方の主な病気は、群を抜いて統合失調症の方が多い結果となっています。
また統合失調症患者数はほぼ横ばいですが、 1966年は外来患者数が18%なのに対し、2014年は外来患者数が30%と統合失調症を抱えながら生活している方は増えてきています。
ご自宅で生活を送る方が増加している背景として、住み慣れた家で治療を受けながら地域で生活したいというご本人の希望や精神科病院の平均在院日数の短縮、それに伴う訪問看護利用者数の増加などの要因があります。
【精神科訪問看護の基本的な支援内容】
◎バイタルサイン測定
◎服薬管理やセルフケアの援助
◎精神面の観察とサポート
◎社会復帰支援
◎ご家族のサポート
◎各種医療者の連携サポート
統合失調症の方の症状は、幻覚や幻聴、意欲低下や妄想など人によりさまざまで、在宅環境や困っていることも人それぞれです。
精神科訪問看護では、精神面だけでなく身体的な体調の変化を観察しながら、お一人おひとりに合わせた具体的な支援を利用者様やご家族と一緒に検討していきます。
◎治療を続けながら在宅生活が送れる
◎定期的に看護師が病状を観察してくれる
◎1対1の関係で看護が受けられる
精神科訪問看護を利用すれば、ご自分では気づかない体調の変化に気づいてもらえる、精神的に不安定な時でも無理に外出せず支援が受けられるなど、専門の知識を持った看護師へいつでも相談可能な状況となります。
精神科訪問看護は、基本的に同じ看護師が利用者様を担当するため、コミュニケーションを取りながら利用者様に合わせた看護や支援ができるのが入院や通院にはないメリットです。
また訪問看護の利用を一度はじめたら、やめられないわけではありません。
まずはお試しで精神科訪問看護のメリットを感じていただくのも、ひとつの方法です。
精神科訪問看護は、精神科や心療内科を受診し医師が必要と判断した方であれば、どなたでも利用できるサービスです。
年齢に制限なく、就労中の方も利用可能です。
(1)医師へ相談
精神科訪問看護の利用には、医師が交付する精神科訪問看護指示書が必要です。
主治医がいらっしゃる方は、精神科訪問看護の利用を主治医にご相談ください。
医療機関を受診していない方は、まず病院受診が必要になります。
どこの病院を受診したらよいかわからない方、受診に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
コルディアーレの専門スタッフがサポートいたします。
(2)希望する精神科訪問看護ステーションへ相談
希望の事業所へご相談ください。
どの事業所を選んだらよいかわからない方は、地域の保健師やケースワーカーに相談してみましょう。
コルディアーレは、関東・大阪を中心に精神科に特化した18の訪問看護ステーションを運営しております。
精神科訪問看護の利用をご希望の方は、どうぞお近くの事業所へお問い合わせください。
(3)面談
面談では、訪問内容の希望や現在の症状、生活の困りごとなどをヒアリングし、利用者様それぞれに合った看護計画を利用者様やご家族と一緒に決めていきます。
訪問の流れや、利用できる制度もご案内いたします。
(4)利用開始
基本的に1人の担当看護師が訪問します。
コミュニケーションと訪問を重ね、信頼関係を築いていきます。
精神科訪問看護は医療保険または介護保険を利用しますが、統合失調症で訪問看護を利用する方のほとんどは医療保険が適応となり、原則3割負担で利用可能です。
自立支援医療制度などを使用すれば、負担を軽減しながら利用できます。
利用できる制度については、次の記事をご参照ください。
精神科訪問看護の利用は原則週3回まで、1回30分からで、30分〜90分利用の方が多くいらっしゃいます。
退院後3か月以内の方、精神科特別訪問看護指示書が発行された方は、週4回以上の利用も可能です。
精神科訪問看護を利用し、継続した在宅生活を送っている統合失調症の方の事例をご紹介します。
①入退院を繰り返していたAさん
・30代 女性
・家族と同居
・主症状は幻聴・妄想
症状に波があり、定期的に入退院を繰り返している方でした。
Aさんご本人は病気の認識が薄く、訪問看護の導入に意欲的ではなかったものの、ご家族の強い希望でコルディアーレが訪問を担当させていただきました。
【介入後】
Aさんとコミュニケーションを取るなかで、幻覚や妄想のきっかけの一つとなっているのが、物が散乱した自室環境だとわかり、ご本人と家族の協力を得て部屋を片付け、在宅環境を整えました。
また看護師が定期的に訪問することで、精神状態が悪化する前兆を素早く察知し、精神的なサポートと主治医への報告、内服調整などの対処ができました。
介入後もご本人からの申し出により数回入院しましたが、訪問看護が介入しているため症状が悪くなりすぎる前にケアすることができています。
その結果、入院回数も減り入院期間も短くなっています。
②病気の知識がないSさん
・40代 男性
・一人暮らし
・主症状は幻覚・幻聴
病気の自覚はあるものの、幻聴や幻覚が症状のひとつである認識がなく、症状がでると不安が非常に強くなり、引きこもりがちになる方でした。
ご本人は働きたいとの意欲があったため、安定した在宅生活と就労をめざすために主治医の勧めで訪問看護の利用が開始になりました。
【介入後】
訪問当初はやや緊張ぎみでしたが、訪問を重ねるうちに看護師との信頼関係を築くことができ、生活の中の悩みや不安を話してくださるようになりました。
幻覚・幻聴の症状が出た際は、ご本人からすぐに看護師へ相談してくださっていたため、その都度「幻覚や幻聴は病気による脳の障がい」と伝え、ご本人とコミュニケーションを重ねながら病気の正しい知識が身につくよう支援しました。
その結果、症状が出ても「これは、病気のせいなんですよね?」と、ご本人の認識も変わり以前より症状に対する不安が増すことなく生活できています。
安定した生活を過ごせていることがご本人の自信にもつながり、就労の目標にむけ少しずつ活動できています。
現在では、働く前準備としてスキルを身につけるために、就労移行支援事業所に通いはじめました。
統合失調症の症状はさまざまで、在宅での生活における悩みや目標も人によって違います。
コルディアーレでは、担当看護師をメインに複数名のチームで利用者様に合わせた支援を提供できるよう努めております。
在宅生活に不安がある方、相談先を探している方はぜひ一度ご相談ください。