精神科に特化した訪問看護ステーション コルディアーレ

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精神科の訪問看護はきつい?やりがいやストレスの対処法とは?

精神科の治療は長らく入院治療が主流でしたが、ここ十数年の動向として、自宅で療養している精神疾患を抱える方を地域で支える方向へと舵が切られています。

そのような方(本稿では利用者様で統一します)を、自宅へ訪問しサポートしているのが精神科訪問看護です。看護師が重要な役割を担う反面、負担が大きい現状もあります。

今回は精神科訪問看護のきつさに焦点を当て、きついと感じる理由や精神科訪問看護のやりがい、きついと感じたときに使える対処法についてご紹介します。

精神科訪問看護に興味のある方は是非参考にしてください。

精神科訪問看護がきついと感じる理由5選

精神科訪問看護では、精神的に不安定な利用者様に対し、内服管理指導や内服確認、セルフケア援助といった支援を行っています。

そうした日々の支援の中で、訪問看護師が「きついな」と感じる理由を5ご紹介します。

⬛︎コミュニケーションが難しい

精神科は「コミュニケーション=精神科看護」と言われるほど会話や対話が重要です。距離の縮め方や声かけの仕方1つでも慎重に行います。利用者様によっては拒否されることもあります。どこまで介入するのか踏み込み具合が難しく、利用者様とのコミュニケーションが看護師の精神的な負担になってしまうといった声もあります。

⬛︎利用者様のペースに飲まれる

利用者様のペースに合わせすぎてしまい、看護師としてやるべきことができないという意見もあります。拒否をしたり交換条件を出したりする利用者様に振り回されてしまうことも少なくありません。話を傾聴することをベースとして、そこからより良い方向へ行動の変化を促す技術が求められます。

⬛︎利用者様の標的になってしまうことがある

精神的に不安定で、特に被害妄想がある利用者様は暴言を吐き、暴力的になることもあります。少しでも気になることがあると、特定の看護師に対して攻撃的な態度をとってしまうことも。看護師自身のアイデンティティーを否定されているわけではなく、疾患によるものであることを認識しておく必要があります。

⬛︎利用者様の気持ちを考えていると感情移入してしまう

精神疾患を患った経緯や生育歴を把握しておくことは、看護師にとってとても重要です。そうした情報収集の中で、辛い思いをしてきた利用者様に対し感情移入してしまう看護師もいます。特に看護師は看護する立場であるがゆえに「なんとかこの状況を脱却できないか」「私はこの利用者様のためになにができるのか」と考えすぎてしまう傾向があります。

⬛︎不衛生な住宅もある

精神疾患を抱える利用者様の中には、セルフケアが苦手な方もいらっしゃいます。そのため、自宅の掃除や整理整頓が行えず、部屋が乱れた状態となっていることもあります。衛生的にも良い環境ではないこともあり、自宅に入るのが負担に感じる看護師も少なくありません。

精神科訪問看護のやりがいとは?

精神科訪問看護は、その大変さやきつさにフォーカスされがちですが、精神科ならではのやりがいもあります。

ここでは、精神科訪問看護のやりがいや喜びについて解説します。

⬛︎「その人らしさ」や「人間らしさ」を常に考え、看護師として成長できる

精神疾患を抱える方と接していると、「その人らしさ」や「人間らしさ」を考えることが多くなります。生育歴なども考えつつ、利用者様を尊重して最小限の介入で看護を行うことは、一見難しく感じますが、成功体験や利用者様からの言葉で看護師として一段階も二段階も成長していくことができます。

⬛︎内服管理がうまくいって社会復帰した利用者様を見た

精神科領域の治療において、最も重要なのが内服です。精神疾患を抱える方は、内服を拒否したり、一度内服した薬を吐き出してしまったりと内服管理が難しい現状があります。

しかし、訪問看護師が粘り強く本人と話し合い、自己管理が行えるようになると、徐々に快方に向かいだします。社会復帰を果たす方も多く、そうした方を間近で見ることができると、「頑張って関わってきて良かった」と感じられます。

⬛︎看護師の関わりで利用者様に良い変化が見える

利用者様の中には、他者に対して心を開くのが苦手であったり、看護師が危害を加えるのではないかと感じて敵意をむき出しにしたりと、そもそも関わりが難しい方も少なくありません。

訪問看護は、病院と異なり時間内は利用者様だけに集中できるため、ゆっくりと声かけを行うことで徐々に心を開いてくれる利用者様も多いです。訪問看護師が関わったことで、セルフケアを行うようになったといった変化が目に見えてわかる場合も。「医師よりも利用者様に詳しくなった」「諦めずに話しかけていたら私には話してくれる」といったことが増えると、利用者様の安定に繋がる上、自分の看護にも自信が持てます。利用者様と一緒に考え、時間をかけて問題を解決していく、という姿勢が大切になります。

「きつい」と感じた時におすすめの対処法をご紹介!

精神科訪問看護はやりがいのある仕事ですが、きついと感じることも少なくありません。特に精神的な不調は自分自身にも周囲の人にもわかりにくいことが多いため、つい放置してしまうこともあります。

ここでは、「今きついかも…」とストレスを感じた際に実践してほしい対処法を4ご紹介します。

⬛︎信頼できる先輩に相談してみる

訪問看護は1人で訪問するため、「この人を一番知っているのは私だから」とどこか気負ってしまうこともあります。しかし、1人よりチームで考えた方が良いアイデアや方法が浮かびやすいです。一人で考え込まず、先輩に話してみるなどステーションの看護師全員で対応を考えていきましょう。

⬛︎友達と会う機会を作る

1人で考え込んでいると、だんだんと悪い思考に陥ってしまった経験はありませんか?そんな時は、友達や家族など人と会う機会を積極的に作りましょう。仕事の話ではなく、たわいない話でも、誰かと話して笑うことで、仕事のストレスが発散されます。

⬛︎自分時間を充実させる(好きなことをする)

自分の時間を充実させることも、心の安定に効果があると言われています。お気に入りの音楽を聞いたり、好きな飲み物や食べ物を食べたりすることで、自分をいたわってあげましょう。

⬛︎体を動かす

体を動かすことでストレスが軽減されることは、多くの研究で証明されています。激しい運動ではなくても、ちょっと駅まで歩いたり、ウィンドウショッピングをしたりと簡単なことでもいいので実践してみましょう。

精神科の訪問看護はやりがい満載!

精神的に不安定な方の看護では、言動や態度に細心の注意を払う必要があります。しかし、自分の看護が利用者様の回復に繋がった時の喜びはひとしおです。

コルディアーレは、精神科についての教育体制が整っており、OJTや事例検討も行いながら、チーム単位で看護を提供しています。

精神科の訪問看護に興味のある方、現在の環境を変えたい方はお気軽にお問い合わせください。

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