精神科に特化した訪問看護ステーション コルディアーレ

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訪問看護をいらないと感じる理由は?いらないと言われたときの対処法も解説

「訪問看護に行こうとしたらいらないと言われてしまった…」
「訪問看護をいらないと感じる理由を知りたい…」
「訪問看護を受け入れてもらうにはどうしたらいい?」
と悩んでいませんか?

 

訪問看護をいらないと感じる理由は、訪問看護師への不信感や訪問看護を不要と思っているなどがあります。訪問看護を受け入れてもらうには、対象者に興味や関心を持ち、傾聴の姿勢で接することが重要です。

 

この記事では、訪問看護をいらないと感じる理由、いらないと言われたときの対処法、訪問看護を受け入れてもらうポイントについて解説します。

訪問看護をいらないと感じる理由

訪問看護を利用される方が、訪問看護をいらないと感じる主な理由は下記のとおりです。

 

◎訪問看護師への不信感
◎病気を持ち込むのではないかと不安
◎訪問看護を不要と思っている

 

それぞれ解説します。

 

■訪問看護師への不信感

 

精神科訪問看護を利用される方は、訪問看護師をよく観察しています。

 

利用される方とのコミュニケーションや相談に対して、あいまいな回答は訪問看護師への不信感が高くなってしまうのです。

 

ほかにも、精神科看護師の知識が不足していたり、話がかみ合わなかったりしたときも不信感が強くなります。不信感が高くなると、訪問看護がいらないと感じてしまうのです。

 

また、精神的な障がいを抱える方の行動には意味があります。例えば、訪問したときに、外は明るいのに電気を消して暗い部屋で過ごしている場合、無意識に電気をつけようとするのではないでしょうか。

 

しかし暗い部屋で過ごしている状況にも、利用される方は「自分が誰かから狙われている」と感じているなどの理由があるかもしれません。なにか看護師が行うときには、利用される方に対して確認して同意を得るように心がけましょう。

 

精神科訪問看護ステーションを変更した経験がある方は、14.3%と10人に1人と報告されています。理由として「訪問看護の質が悪かった」「精神科の知識が乏しい看護師がいた」などがあります。

 

利用される方に信頼してもらうためには、精神科の疾患に関する知識や利用される方の性格などを把握することが大切です。
参考:厚生労働省「令和2年度 精神科訪問看護に係る実態及び精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける役割に関する調査研究

 

■病気を持ち込むのではないかと考えている

 

精神的な障がいを抱える方は、他者に対する不安が強い場合があります。

 

ここ数年は新型コロナウイルスが流行していたため「訪問看護師などの外部の人間が持ち込むかも知れない」「自分がコロナウイルスにかかっているため、うつしてしまうかもしれない」と悩んで、訪問看護を拒否する場合があるのです。

 

■訪問看護を不要と思っている

 

精神的な障がいを抱える方には、自分が病気ではない(病識がない)と思っている方もいます。ほかにも、退院の条件として訪問看護の導入が必要だから利用しているといった意見もあります。

 

病識がない方の多くは、統合失調症を発症している方です。病識がない方は、服薬の必要性や訪問看護師が導入される理由に納得できていないため、訪問看護をいらないと感じてしまいます。

 

訪問看護を不要と思われないためには、病院の退院前に訪問できる機会を作り、なぜ訪問看護を利用するのか、訪問看護が導入されることについてどう感じているのかなどを確認して、信頼関係を作っておくことが重要です。

訪問看護をいらないと言われたときの対処法

訪問看護をいらないと言われたときの対処法は下記の2つです。

 

◎不快に感じない接し方をする
◎電話で連絡する

 

1つずつ解説します。

 

■丁寧な接し方をする

 

いらないと言われたときは、なにもしなくても問題ありません。無理に介入しようとすると、信頼関係が形成できなくなってしまいます。ステーションに連絡して拒否された記録を残しておきましょう。

 

もし次回の訪問で介入できた際には利用される方に対して、「薬を飲めていますか?」「夜は眠れていますか?」など直接的に聞くのは控えましょう。質問をされると利用される方は、看護師が仕事のために来たと感じてしまうからです。

 

まずは、「困っていることはありますか?」「なにか役に立てることはありますか?」といった利用される方に協力しようとする接し方をしましょう。

 

訪問看護師は、仕事としてなにか利用される方のためにしなくてはいけないと考えがちですが、利用される方が自分らしく生活することが大切です。

 

■電話で連絡する

 

利用される方が訪問看護を拒否したときは、訪問せず電話で連絡することもあります。電話でコミュニケーションを図り、利用される方の精神状態を観察できるからです。

 

定期的な受診行動が取れているのか、精神的な症状が悪化していないかが分かると、主治医に連絡したり、他職種に介入してもらったりと必要な介入ができます。

 

電話で連絡を繰り返すうちに信頼関係が形成できて、利用される方が訪問を受け入れる準備が整ったときに訪問します。

訪問看護を受け入れてもらう4つのポイント

利用される方に訪問看護を受け入れてもらうポイントは4つです。

 

◎興味・関心を示す
◎傾聴する
◎家族や周囲との関係性を知る
◎他職種と連携する

 

1つずつ見ていきましょう。

 

■興味・関心を示す

 

利用される方とコミュニケーションを取るためには、興味・関心を示すと良いです。利用される方の口数が少ないと、コミュニケーションに困ったと感じる方もいるのではないでしょうか。

 

利用される方の自宅に訪問した際に、物品を観察して本やCD、今遊んでいるアプリなどを会話に取り入れるとコミュニケーションを図ることが可能です。

 

人は自分に興味を持ってもらえると嬉しく感じます。最初は、自宅に上がって訪問が終わりであっても、訪問を重ねていくうちにバイタルサインの測定をさせてもらえたり、会話ができたりと利用される方の趣味に共感すると、少しずつ介入できるようになるでしょう。

 

■傾聴する

 

利用される本人の思いを傾聴すると、自分を受け入れてもらえると感じて信頼関係の形成につながります。信頼関係が形成できると、利用される方の悩みや目標を話してもらえるかもしれません。

 

しかし、精神科訪問看護はすぐに効果を感じられないことがあります。利用される方から悩みや目標を相談してもらえるまでに、半年以上かかることもあるのです。

 

まずは、傾聴の姿勢を持ち信頼関係を形成して、あなたになら相談しても良いと感じてもらいましょう。傾聴の主な方法は、利用される方の話を遮らない、意見を求められても看護師が答えは出さず共感するなどです。

 

■家族や周囲との関係性を知る

 

精神的な障がいを抱える方の訪問には、ご家族や地域との関係性を知ることが重要です。精神科訪問看護を利用している方のうち48.0%は家族と同居していると報告されています。

 

訪問看護の対象者は利用される方とそのご家族であり、日々の生活で疲労感はないか、虐待などのトラブルに巻き込まれていないかの確認も大切です。

 

また、ご家族が利用される方の病気についてどれくらい理解があるのか、日々の関わりで困っていることはないかなどの情報も重要な情報になります。
参考:厚生労働省「令和2年度 精神科訪問看護に係る実態及び精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける役割に関する調査研究

 

■他職種と連携する

 

利用される方がその人らしく生活するためやトラブルを未然に予防するには、他職種との連携が欠かせません。

 

他職種と連携する主な機関は下記があります。

 

◎病院
◎障害福祉サービス事業所
◎市区町村
◎地域包括支援センター
◎診療所
◎保健所

 

利用される方の目標が仕事に従事したり、地域との関わりを増やしたかったりする際には、就労継続支援事業やハローワーク、地域のボランティアの方々とも連携する必要があります。

 

看護師が利用される方の特徴を事前に共有して、他職種に理解を得たうえでカンファレンスの機会を設けます。

 

また、同居している方は、ご家族とトラブルが発生することも少なくありません。そのときに看護師が必ず対応できるわけではないため、トラブルが発生する前に対応する必要があります。

 

トラブルを予防するためには、保健所や病院、夜間対応の訪問看護ステーションなどと連携します。

 

家族からよくある相談はこちらの記事で詳しく解説しています。
精神疾患を抱える方のご家族からのよくある相談7つをご紹介!

精神科訪問看護は利用される方との信頼関係が大切

今回は、訪問看護をいらないと感じる理由やいらないと言われたときの対処法について解説しました。

 

訪問看護を利用される方が、いらないと感じる理由は3つです。

 

◎訪問看護師への不信感
◎病気を持ち込むのではないかと考えている
◎訪問看護を不要と思っている

 

訪問看護が不要と思っていたり、不信感を抱いている方に訪問する際は、事前に訪問看護の必要性や導入される理由などを説明して信頼関係の形成が重要です。

 

訪問前に説明ができなかった場合は訪問時に丁寧に対応して、利用される方の役に立ちたいという姿勢を見せると信頼関係の形成ができます。

 

精神科訪問看護は、時間をかけて信頼関係を作り、信頼ができると目標や悩みを相談してもらえるやりがいがあります。

 

コルディアーレは精神科に特化した訪問看護ステーションです。精神科訪問看護に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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