精神科に特化した訪問看護ステーション コルディアーレ

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精神疾患を抱える方の自立支援とは?訪問看護で受けられる支援内容を解説

精神科訪問看護の自立支援は、精神疾患の症状や利用者様が希望する生活スタイルに合わせて、幅広く支援するため、実際の支援内容がわかりづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、この記事では全国18拠点で精神科訪問看護を提供しているコルディアーレの実際の事例を紹介しながら、精神科訪問看護で受けられる自立支援の内容をわかりやすく解説します。

なお、医療費の負担を軽減できる自立支援医療制度については、次の記事で解説しています。

精神科訪問看護を利用する際に知っておきたい制度とは?

精神科訪問看護における精神疾患をお持ちの方の自立支援とは?

精神科訪問看護師の自立支援は、一方的な支援ではなく、目標に近づけるように精神疾患をお持ちの利用者様と訪問担当者が一緒に取り組むものです。

まずは、自立の目標や自立支援を受ける流れ、自立支援のメリットを知っておきましょう。

 

自立支援はその人らしい生活を送ることが目標

精神科訪問看護における自立とは「その人らしい生活を自らが実現し継続する」ことです。

精神科訪問看護の自立支援は、押し付けではなく精神疾患をお持ちの方が自ら考え、行動し、自分らしい生活が送れるよう支援します。

 

◎疾患の症状が安定せず継続した在宅生活が送られない
◎仕事に就きたくても何から始めたらいいかわからない

 

理想の生活や困っていることは、人によって違うため、自立するために必要なステップもひとそれぞれです。

そのため、精神科訪問看護で行う自立支援の具体的な内容も利用者様によって異なります。

さらに、精神疾患にはさまざまな症状があるため、利用者様が症状と付き合いながら、自分らしい生活を継続することが自立支援の目標です。

 

精神疾患を持つ方の自立支援の流れ

精神疾患をお持ちの方、それぞれの自立を実現するため、精神科訪問看護では以下の流れで自立支援を行います。

 

⒈利用者様の心身の状態を整える
⒉利用者様の希望を伺う
⒊利用者様に合わせた自立支援をする

 

症状や精神状態が安定していないと、自立は目指せません。

自立に向け頑張ったとしても、体調を崩してしまっては本末転倒だからです。

そのため、まずは心身状態を整え、安定した生活を送れる基盤を作ることが大切です。

精神科訪問看護師は、心身の状態を健やかに保つため、精神疾患だけでなく身体的な健康を保つアドバイスも行っています。

心身の状態が整ったら、ご本人やご家族の希望をお伺いし、自立を目標とした具体的な取り組みをご本人と一緒に考えます。

精神科訪問看護では、勝手に支援内容を決めることや、理想の生活の押し付けはしません。

ご本人がしたいこと、出来ることを一緒に考えながら、利用者様に合わせた自立支援をしていきます。

 

精神科訪問看護で自立支援を受けるメリット

精神科訪問看護で自立支援を受けるメリットは、以下のとおりです。

 

◎自宅で自立支援が受けられる
◎専門職者の支援が受けられる
◎自分に合わせた自立支援が受けられる

 

精神科訪問看護は、住み慣れた自宅に訪問するため、自宅での理想の生活を見据えた自立支援が出来ます。

また、訪問するのは、看護師や作業療法士なので、専門の知識を生かした支援が受けられます。

基本的に決まった担当者が訪問するため、専属のアドバイザーとして信頼関係を深めながら、自立支援が受けられるのもメリットです。

自立支援の具体的な内容

精神科訪問看護の自立支援内容は、大きく分けて4つあります。

それぞれ、具体的な支援内容を紹介します。

精神科訪問看護のサービス全般については、次の記事をご参考ください。

精神科訪問看護でできることは?サポート内容や具体的な事例をご紹介!

 

セルフケアの自立

精神疾患を抱える方は、掃除や洗濯、身だしなみを整えることが苦手な方もいらっしゃいます。

生活を送るうえで必要なセルフケアの自立を目指し、利用者様が出来ないことや苦手なことを克服する方法を一緒に考え、実践していくのがセルフケアの自立支援です。

また、内服の自己管理やストレスとの付き合い方など、精神的なセルフケアを目指した自立支援も行います。

 

外出支援

通院や買い物など、自立した生活を目指すうえで外出する機会は必要です。

そのため、精神疾患の症状や昼夜逆転、他人とのコミュニケーション困難などで引きこもりがちな方には、外出支援も行っています。

気分転換や他者と関わる第一歩としての外出など、利用者様の目標や必要性に合わせて支援し、体調と相談しながら、少しずつステップアップ出来るようにサポートしています。

 

社会復帰支援

社会生活に復帰し継続した生活をするには、役所関連の手続きや住宅の確保、携帯電話の契約など各種手続きが必要になることもあるでしょう。

精神疾患を抱える方は、手続きや契約が苦手な場合があるため、公的制度の利用や書類提出をサポートします。

また、地域社会で生活するうえで、近隣住民との関わりや地域活動への参加に不安がある方の相談やサポートも行います。

 

就労支援

仕事に就きたいとお考えの利用者様へ、仕事の希望やどのような仕事が出来るかを一緒に考えます。

具体的な会社や事業所の提案や、多事業所との連携も自立支援の一環です。

また、就労支援や仕事に就いている方が、安定した精神状態で就労支援や仕事を続けられるように、継続的なサポートをします。

精神疾患を抱える方への自立支援の事例

 

精神科訪問看護で自立支援を受けている方の事例を紹介します。

 

①就労支援事業所に通っている統合失調症のSさん

Sさんは、仕事に就きたいというご本人の希望があり就労移行支援事業所に通いだしましたが、2カ月ほど通ったのち、事業所を休みがちになることが増えてしまいました。

ご家族がSさんと話をしても「行きたくない」と言うばかりで、行きたくない理由がわかりませんでした。

【具体的な自立支援の内容】

1年以上Sさんを担当していた訪問看護師は、Sさんが不安やストレスを抱えると幻聴が聞こえることを知っていたため、幻聴のことをSさんに聞いてみると、仕事に行こうとすると「お前は仕事で失敗する」という声が聞こえるとのことでした。

仕事に就きたい気持ちが強く、無理をしすぎてしまうSさんの状況を、精神科訪問看護師がご家族と就労支援事業所に相談。

その結果、まずは継続して通うことを目標に、通所回数を週4日から2日に変更してもらいました。

その後、Sさんは休みがちになることなく事業所に通えています。



②うつ病で引きこもりがちのMさん

うつ病で引きこもりがちなMさんは一人暮らしで、近くに住んでいるご家族が毎日の食事をMさん宅に届けていました。

Mさんのご家族は、自分達が高齢になり食事のお世話が出来なくなることを心配していらっしゃいました。

【具体的な自立支援の内容】

Mさんが自分で食事の準備が出来る生活を目標に、精神科訪問看護の自立支援を開始。

まずは、小さな目標として外出する機会を増やせるように、体調が良い日に担当看護師と散歩に行くことから始めたところ、次第にMさんは買い物にも行けるようになりました。

現在は、スーパーでお惣菜などを購入していますが、小さな変化を乗り越え、外の世界への恐怖感が薄れてきたMさんは、料理に挑戦してみたいと意欲的な気持ちを持てるようになりました。

精神科訪問看護では自分に合った自立支援が受けられる

自分の生活を自分で作っていく、自立のかたちは人それぞれです。

精神科訪問看護の自立支援は、利用者様に合った自立を担当の専門スタッフがご本人と一緒に考え、利用者様に合った方法で支援します。

コルディアーレでは、看護師や作業療法士の資格を持った訪問スタッフが「人」として、利用者様の悩みや希望をお聞きし、自立した生活を送る方法を一緒に考える自立支援をご提供しています。

精神科訪問看護にご興味のある方、ご家族の方は、どうぞお気軽にお問合せください。

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