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精神科訪問看護と訪問看護はなにが違う?サービス内容・制度・費用の違いについて解説

訪問看護には、精神科訪問看護と訪問看護があることをご存知でしょうか?

精神科訪問看護と訪問看護は、どちらも利用者様とそのご家族をサポートする事業ですが、どちらを選ぶかは受けたいサービスや疾患により異なります。

この記事では訪問サービスの利用を検討している方向けに、精神科訪問看護と訪問看護の違いを解説しています。

精神科訪問看護の利用を検討している方は、参考にしてみてください。

精神科訪問看護と訪問看護の違い

対象となる人

サービス内容

利用に必要なもの

訪問する人

訪問看護

身体的な障がいや疾患をお持ちの方

身体的な支援
看護処置

訪問看護指示書

看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など

精神科訪問看護

精神疾患をお持ちの方

精神的な支援
看護

精神科訪問看護指示書

看護師・作業療法士・精神保健福祉士・保健師等など

精神科訪問看護と訪問看護は、それぞれサービスを提供している事業所や対象となる人は異なりますが、共通点もあります。

2つの訪問看護の共通点や違いを理解して、ご自分の状況に合う訪問看護を選択しましょう。

 

■2つの訪問看護の共通点

精神科訪問看護や訪問看護は、在宅で療養生活を送るために看護や支援が必要な人が受けられるサービスで、訪問看護が必要かどうかは医師が判断します。

年齢などの制限はなく、子どもから大人まで全ての方が対象です。

住み慣れた自宅や施設で療養生活を送るためにサポートするのが、精神科訪問看護と訪問看護の共通する目的です。

 

■対象となる人の違い

精神科訪問看護と訪問看護は、全てのライフステージの方を対象に在宅生活のサポートをするという点は共通していますが、ケアする内容が違うため対象となる人は違いがあります。

精神科訪問看護は精神的な看護「心のケア」、訪問看護は身体的な看護「体のケア」がメインとなり、さまざまな医療・福祉資格保持者が訪問しサポートします。

そのため対象となる人が、精神科訪問看護は精神的な障がいや疾患を抱えている人なのに対し、訪問看護は身体的な障がいや疾患を抱えている人です。

たとえば、精神科訪問看護の代表的な対象疾患は統合失調症やうつ病などがありますが、発達障がいや知的障がい、認知症の方なども必要に応じてサービスを提供します。

訪問看護は、身体的な疾患をお持ちの方やターミナルケアが必要な方、認知症により身体的疾患の自己管理が難しい方などが対象です。

 

■制度上の違い

精神科訪問看護と訪問看護は、サービス費用の算定方法や訪問看護を指示する医師の書類など、制度上にも違いがあります。

サービスを提供する事業所の看護師が利用者様を訪問した際に発生する費用を基本医療費といい、訪問内容により細かく分類されています。

事業者は提供したサービス内容によって、診療報酬として所定の機関に請求する仕組みです。

基本医療費の算定基準は厚生労働省により定められており、精神科訪問看護は「精神科訪問看護基本療養費」、訪問看護は「訪問看護基本療養費」となっています。精神科訪問看護と訪問看護は、算定する基準にも違いがあります。

また、訪問看護は医師の指示が必要ですが、精神科訪問看護は精神科を担当する医師に限り発行できる「精神科訪問看護指示書」が必要です。

さらに、精神科訪問看護を提供する看護師は、所定の研修を修了していなければなりません。

このように制度上の違いがあるため、精神科訪問看護と訪問看護は提供するサービスや訪問する職種に違いがあるのです。

精神科訪問看護と訪問看護で受けられるサービスの違い

どちらの訪問看護も、具体的なサービス内容は利用者様の要望や状況に合わせて決めますが、精神科訪問看護は心のケア、訪問看護は身体のケアという点でおもなサービス内容に違いがあります。

精神科訪問看護と訪問看護、それぞれの詳しいサービス内容をみてみましょう。

 

■精神科訪問看護のサービス内容

 

◎バイタル測定や精神症状のモニタリング
◎服薬管理やセルフケアの援助
◎利用者様の精神的ケア
◎社会復帰支援
◎ご家族のサポート
◎各種医療者の連携サポート

 

精神科訪問看護は精神科の看護を提供するため、基本的に点滴などの身体的医療処置は行わず、清潔を保つなどのセルフケアができるように支援することがメインとなります。

さらに、精神的なサポートをするため、看護師以外に訪問するのは精神障がいに対する相談支援の資格をもつ精神保健福祉士(訪問看護ステーションではなく、病院や診療所からの場合)などで、身体的なリハビリを実施する理学療法士がサービスを提供することはできず、一方で作業療法士による精神科訪問看護が可能となっています。

精神科訪問看護で受けられるサービスについては、次の記事でも詳しくご紹介しています。

精神科訪問看護でできることは?サポート内容や具体的な事例をご紹介!

 

■訪問看護のサービス内容

 

◎健康状態や病状の管理と看護
◎点滴、注射などの医療処置
◎トイレ・お風呂などの日常生活援助
◎痛みの軽減や服薬管理
◎在宅リハビリテーション
◎各種医療者の連携サポート

 

訪問看護では、利用者様やご家族の相談などには応じますが、基本的に身体的ケアが中心で訪問する看護師は精神科の知識があるとは限りません。

身体機能の回復維持を目的として、理学療法士が訪問する場合もあります。

利用方法や費用について

精神科訪問看護と訪問看護は、基本的な利用方法は同じです。

しかし、必要な医師の指示書や利用を申し込む事業所は異なりますので、注意が必要です。

 

■利用するには

精神科訪問看護も訪問看護も、サービスを受けるには医師の指示書が必要です。

ただし、精神科訪問看護の利用を希望する場合は精神科担当の医師による指示書が必要で、訪問サービスを提供できるのは精神科訪問看護を実施する訪問看護ステーションや病院、診療所になります。

利用を検討している方は、受診先の医療機関やお近くの訪問看護ステーションにご相談ください。

病院受診をしていない方や相談先に迷う場合は、お住まいの地域にある福祉相談窓口などでも問い合わせ可能です。

 

■訪問にかかる費用は保険の種類によって違う

訪問にかかる費用は、どちらの訪問看護も基本的に1割〜3割負担です。

自己負担の割合は、訪問看護の種類ではなく適用となる保険の種類や年齢、所得により違いがあります。

保険の種類

適用条件

自己負担の割合

医療保険

未就学児

月額の2割

義務教育就学後~70歳

月額の3割

70歳以上

月額の1~3割

介護保険

要介護認定者

(介護度により上限金額あり)

月額の1割

※上限を超えた場合は自己負担

※令和3年度現在の制度を参考に記載しており、改正等で変更される場合があります。

利用者様の自己負担は上記となりますが、自治体によっては子どもの医療費助成制度などもあります。

高齢者の自己負担は、現役並みの所得がある場合は現役世代と同じ3割負担です。

障がいをお持ちの方や、精神疾患がある方は補助金や支援制度が使えることがありますので、一度、役所に問い合わせてみるとよいでしょう。

精神科訪問看護を利用する際に使える制度は、次の記事で詳しく解説しています。

精神科訪問看護を利用する際に知っておきたい制度とは?

精神科訪問看護と訪問看護は併用できない?

精神科訪問看護と訪問看護は、医療保険か介護保険のどちらかが適用になります。

医療保険と介護保険は基本的に併用できず、要介護認定を受けている方は介護保険が優先されます。

また、基本的に同一日に2つの訪問看護を利用することはできないため、同じ日に精神科訪問看護と訪問看護の併用はできません。

疾患の内容や特別な医師の指示によっては併用できる場合もありますが、併用可能な条件はさまざまで複雑なため、詳しくは医療機関や福祉窓口にお問い合わせください。

精神科訪問看護はコルディアーレにお任せください

精神科訪問看護と訪問看護は、必要とするケアが精神的なものか、身体的なものかで選ぶとよいでしょう。

コルディアーレでは、精神的なケアが必要な方にサービスを提供しています。

精神科専門の看護師がご本人やご家族とコミュニケーションを取りながら、利用者様に合わせた看護を提供しています。

精神科訪問看護と訪問看護、どちらを利用したらよいかわからない方のご相談もお受けいたしますので、お気軽にお問合せください。

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