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訪問看護における多職種連携とは?連携する職種や目標も解説

 

「訪問看護で多職種連携が重要と聞いたけどなにが大切なの?」
「精神科訪問看護で連携する職種はどんな職種があるのか知りたい…」
「多職種連携の目標が知りたい…」

と悩んだことはありませんか?

 

訪問看護における多職種連携は、利用される方が地域で生活していくために重要なことです。

 

精神科訪問看護で連携する職種には、医師や病院看護師、精神保健福祉士、作業療法士、保健所職員などさまざまです。

 

この記事では、訪問看護における多職種連携、連携する職種を解説します。また、精神科訪問看護における多職種連携の目標やメリットもお伝えします。

訪問看護における多職種連携とは

訪問看護における多職種連携とは、利用される方が地域に根差した生活を続けるために、訪問看護師の関わりだけでなく、複数の職種で関わることです

 

利用される方を支えるために、日本では「地域包括ケアシステム」の構築が推進されており、医師や看護師、訪問看護ステーション、薬剤師、理学療法士など多くの職種が関わっています。

 

多角的な視点で情報共有を行い利用される方を支援すると、生活の質の向上に期待可能です。

訪問看護で連携する他職種

訪問看護で連携する主な職種は下記のとおりです。

 

◎医師
◎病院・保健所看護師
◎精神保健福祉士
◎作業療法士
◎保健所職員

 

それぞれの職種の役割を解説します。

 

■医師

 

精神科訪問看護は、医師の記載する精神科訪問看護指示書によって実施できます。精神科訪問看護で、利用されている方の状態を看護師が観察・記録を行うと、医師は記録を読んで状態を把握できるのです。

 

もし利用される方の精神状態が悪化した場合には、医師に報告して指示に従いケアを実施します。

 

■病院看護師

 

病院看護師との連携は、病院看護師からの情報収集や、退院前に利用される方と面談の調整をしてもらったり、訪問看護利用中にトラブルがあったりしたときに連携します。

 

病院を退院前に面談できると、訪問看護を行う前に利用される方の状態や性格などの把握が可能になり、信頼関係の形成もできます。

 

利用される方は、退院後の生活に不安があるため、利用できる社会資源の説明や退院後の生活をイメージできるように退院前から働きかけることが大切です。しかし、退院前に面談ができる事例は少数です。

 

もし、退院前に面談ができなかった場合は、初回の訪問看護で拒否されてしまったり、利用される方とのコミュニケーションが難しくなったりします。

 

■精神保健福祉士

 

精神保健福祉士は、精神科訪問看護の導入前に利用される方と面談を行ったり、病院の医師などと連携を行ったりして、利用される方が安心できるように調整する役割があります。

 

訪問看護を導入後に、訪問看護師が利用される方から悩みや要望を相談された場合は、必要に応じて同行訪問を行うこともあるのです。

 

■作業療法士

 

作業療法士との連携では、利用される方の手段的日常生活動作(IADL)の訓練状況を主に共有します。

 

IADLの主な内容は下記のとおりです。

 

◎電話
◎買い物
◎服薬管理
◎掃除・洗濯
◎公共交通機関の利用

 

利用される方に必要な支援を見つけるために、日常的な生活の動作がどの程度可能であるかを看護師と作業療法士が情報を共有することが重要です。

 

■保健所職員

 

保健所との主な連携内容は下記のとおりです。

 

◎精神科訪問看護を利用されている方の精神状態が悪化したときの対応
◎訪問が難しい方への助言やアドバイスをもらう
◎利用される方のご家族への支援・協力

 

精神的な障害を抱える方は、症状が悪化すると訪問が難しくなるケースがあります。訪問できなかったときに訪問看護師は、医師や保健所などに連絡して、緊急の対応を行ってもらう必要があるのです。

 

訪問看護の記録を定期的に共有しておくと保健所の方と密な連携が可能となります。

 

利用される方に訪問看護が拒否されてから連絡するのではなく、精神状態に悪化の兆候が見られたら連絡しておくと、より早く介入が可能になるでしょう。

多職種連携の目標

 

多職種連携の目標は、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の推進です。

 

精神障害にも対応した地域包括ケアシステムとは、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることできるよう、医療・障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育をまとめて確保されていることです。

 

精神的な障害を抱える方は増加傾向にあり、平成29年には420万人と報告されています。

 

増加傾向にある精神的な障害を抱える方が、地域で安心して生活していくためには、先ほど解説した職種の他にもピアサポーターなどの悩みを共有できる方や、地域の方の関わりが重要です。

参考:
厚生労働省
第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」報告書-誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現を目指して-

多職種連携のメリット

多職種連携のメリットは主に下記のとおりです。

 

◎利用される方に質の高い看護を提供できる
◎多角的な視点で補い合える

 

■利用される方に質の高い看護を提供できる

 

精神科訪問看護を利用される方には、訪問看護師や作業療法士が主に関わります。なかでも訪問看護師は、服薬管理や精神的な症状の観察を行います。

 

精神的な障害を抱える方は、精神的な症状がなくなっても再発のリスクがある寛解状態です。利用される方が地域で生活するために、少しでも症状が再発していると感じたら早期に介入できるように情報共有を行いましょう。

 

情報共有を行うことで症状が悪化する前に介入できるため、利用される方に質の高い看護を提供できることにつながります。

 

精神科訪問看護の主な仕事は下記の記事で解説しているため参考にしてください。

精神科訪問看護の具体的な仕事内容は?訪問の流れ、一般病棟勤務との違いを解説

 

■多角的な視点で補い合える

 

多職種連携を行うと、利用される方をさまざまな視点から観察可能です。複数の職種で関わることで、今まで見えていなかった視点で利用される方を捉えられて、課題の明確化が可能です。

 

多角的な視点で捉えるためには、定期的なカンファレンスを行い利用される方の希望の把握やお互いに考えていることを話し合い目標を決めると良いでしょう。

 

厚生労働省によると、実際に他職種と連携している割合は、精神科訪問看護ステーションは82.7%、病院にある訪問看護では80.3%と報告されています。

参考:厚生労働省「令和2年度 精神科訪問看護に係る実態及び精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける役割に関する調査研究

多職種の役割を理解して質の高い看護を提供しよう

今回は、訪問看護における多職種連携について解説しました。訪問看護は看護師だけでなく複数の職種が関わる仕事です。多職種連携を行うと、利用される方が地域で安心して生活できます。

 

精神科訪問看護で連携する主な職種は下記のとおりです。

 

◎医師
◎病院看護師
◎精神保健福祉士
◎作業療法士
◎保健所職員

 

訪問看護師は、他職種と積極的にコミュニケーションを図り、利用される方が安心して生活できるよう支援していくことが重要です。

 

連携する職種の役割を理解して、多職種連携を行い、質の高い看護の提供を目指しましょう。

 

コルディアーレは精神科に特化した訪問看護ステーションです。精神科訪問看護に興味のある方は、気軽にお問い合わせください。

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