「訪問看護はマナーが必要って聞いたけどほんと?」
「精神科訪問看護で気をつけるマナーを知りたい・・」
と悩んでいませんか?
訪問看護は、利用される方の自宅に訪問するためマナーが必要です。マナーには、挨拶や言葉遣い、服装や化粧、ヘアスタイルなどがあります。
礼儀正しいマナーを身につけていると、利用される方やご家族から信頼を得られたり、良い人間関係が構築できたりします。
この記事では、精神科訪問看護で気をつけるマナーや身だしなみ、訪問するときの注意点を解説します。
訪問看護で気をつけるべきマナーは下記の5つです。
◎挨拶
◎言葉遣い
◎荷物を置く場所
◎私物を借りる際は一声かける
◎座る位置
それぞれ解説します。
挨拶は、利用される方が看護師と最初に交わす言葉であり、看護師の与える印象に影響します。
挨拶は、ハキハキとした口調で明るい表情で、名札を見てもらいながら行いましょう。訪問看護はマスクをした状態で挨拶する機会が多いため、口調や表情などの非言語的なコミュニケーションが重要です。
明るい表情で挨拶してもらえると、気分も晴れて良い印象が与えられます。もし看護師が暗い表情をしていると、利用される方は不安になってしまいます。
利用される方に対して、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。訪問が初めてのときは敬語を使うように意識していても、訪問を重ねて慣れてくると砕けた口調になってしまいます。
利用される方が不快感を覚えないように、言葉遣いには注意しましょう。
ステーションに問い合わせの電話がかかってくることもあります。電話口の対応は、声のトーンや話のスピードに注意が必要です。
メラビアンの法則によると聴覚情報は、38%の影響があるといわれています。電話では視覚による情報がないため、話し方が相手に与える影響はより大きくなるのです。
丁寧な言葉遣いで、問い合わせた方が安心して相談できる雰囲気作りをしましょう。
自分のカーディガンやバッグなどを利用される方の自宅に置くときは、床や畳に置きましょう。イスや机などの家具に置いてしまうと、衛生的に良いとは言えず、マナーも良くないからです。
訪問時、自宅にお邪魔するときは靴を置く位置にも気をつけます。玄関にも「上座」「下座」があるからです。パターン別に置く位置を紹介します。
◎シューズインクローゼットがある・・・玄関に近い方に置く
◎玄関に飾り棚がある・・・飾り棚と逆の位置に靴を置く
◎靴箱収納のみ・・・靴箱側に置く
◎靴箱がない・・・玄関に近い方に置く
また、靴を脱ぐときは、お尻を向けると失礼にあたるため、前向きにつま先をそろえて脱ぎます。その後、背中を向けないように体を斜め45°にして、かがんで靴を揃えましょう。
訪問先の洗面所や利用される方の私物を借りる際は、「使用してもよろしいでしょうか?」など一声かけましょう。使ってほしくない私物もあるため、事前に確認しておくとトラブル予防が可能です。
使用した後は、元の位置に戻します。精神的な障害を抱える方は、決められた位置に物がないと不安を感じることもあるからです。
訪問先では座る位置にも注意が必要です。
座る位置は、「上座」「下座」があり、看護師は基本的に下座に座ります。下座は、玄関などの出入り口から近い場所のことです。
ご家族から座る位置を勧められた場合は、下座に座る必要はありません。好意に応えて座りましょう。
訪問看護の身だしなみもマナーの1つです。
ここでは服装や化粧・ヘアスタイルについて解説します。
訪問看護ステーションは、決められたユニフォームで訪問したり、私服で訪問したりとステーションによって異なります。
決められたユニフォームがある場合は、自分に合ったサイズのユニフォームを着用しましょう。
私服で訪問する場合は、上は襟付きのポロシャツやカーディガン、トレーナーを着用し、下は動きやすいコットン生地のパンツがおすすめです。清潔感のある印象を与えられないハーフパンツや動きにくいデニムなどは控えましょう。
冬の訪問では上着を着用して訪問します。訪問前に上着は脱いで畳んでおきましょう。
雨の訪問では、レインコートなどの雨具を着用します。訪問先を濡らさないようにビニール袋に入れておきましょう。
靴下は、穴が空いていないか確認しておきます。訪問中に汚れてしまう場合があるため、替えの靴下を1足持っておくと良いです。
化粧は、自然な印象を与えられるナチュラルメイクにしましょう。ナチュラルメイクは利用される方やご家族に好印象を与えられます。反対に厚化粧は、相手に良い印象を与えられません。
ヘアスタイルは、長い髪を一つにまとめて、自然な髪色が良いです。派手な髪色は良い印象を与えられません。カラーリングしたい場合は、ステーション毎に決められた規定に則り行いましょう。
男性は、ヒゲが剃れているか確認しましょう。無精ヒゲは、他者に不快な印象を与えてしまいます。ヒゲが剃られていると相手に好印象を与えることが可能です。
訪問看護でマナーが必要な理由は、利用される方やご家族と信頼関係を形成するためです。マナーが守られていると利用される方は安心できて、あなたに訪問してもらいたいと思うでしょう。
マナーが不適切な場合は利用される方やご家族に受け入れてもらえず、次回の訪問ができない可能性があります。継続的な訪問ができないと、利用される方の病状が悪化したときに気付けず、QOLの低下につながるかもしれません。
訪問するときの注意点は下記の3つです。
◎時間を守る
◎提供された物は受け取らない
◎プライバシーに配慮する
◎匂いに注意する
1つずつ見ていきましょう。
訪問時間は守りましょう。利用される方やご家族にも予定があり、訪問時間を過ぎてしまうと予定が崩れてしまいます。
精神的な障害を抱えている方は、自分で時間を決めて行動する場合があり訪問時間が遅れてしまうと、1日の予定を崩してしまうこともあるのです。
もし遅れてしまう場合は、訪問先に時間が遅れてしまうこと、どれくらいで到着するかを伝えて、ステーションにも電話しておきましょう。
訪問看護では、利用される方やご家族からお茶やお菓子を頂くことがあります。
頂いた場合、1回目は「お気持ちはありがたいのですが、ステーションの規則で受け取ることができません」と伝えます。
それでも受け取ってほしいと言われた場合は、感謝の気持ちを伝えて受け取りましょう。何回も拒否してしまうと、利用される方やご家族が不快に感じてしまうためです。
お茶やお菓子を提供したいと希望するご家族は、訪問看護師になにか相談したいことがあるかもしれません。「最近、大変に感じることはありませんか?」など声をかけて相談しやすい環境作りをしましょう。
精神的な障害を抱えている方のご家族から多い相談内容は、こちらの記事で解説しています。
精神疾患を抱える方のご家族からのよくある相談7つをご紹介!
ステーションや利用される方の自宅近くで、会話や電話は控えましょう。
地域の方が聞いている可能性があったり、断片的に聞いた内容が伝わってしまったりして、プライバシーが守られない可能性があるからです。
また、精神的な障害を抱える方は、看護師が自宅近くで会話をしていると、自分のことを話しているのではないかと感じてしまいます。
思わぬトラブルに発展しないように、会話はステーション内で、電話は社内で行いプライバシーに配慮しましょう。
近年は、香りに強い柔軟剤やファブリックミストが人気ですよね。一部では少し香水をつけている看護師もいるとか。
汗のにおいが嫌だからとそういったアイテムを活用している方もいますが、周りに影響するような香りものを使用するのはやめましょう。
看護師の匂いが気になり、拒否反応を示される利用者様やご家族も少なくありません。
おしゃれはプライベートで楽しみ、訪問看護では利用者様やご家族のお気持ちを最優先に考えましょう。
今回は、訪問看護で気をつけるべきマナーや身だしなみについて解説しました。
訪問看護は自宅に訪問するため、利用される方の他にもご家族があなたのことを見ています。マナーや身だしなみが整っていると相手に好印象を与えられて、あなたに訪問してもらえて良かったと感じるでしょう。
マナーを身につけるのは、最初は難しいですが日々訪問していると自然と身についていきます。
コルディアーレは、社内研修で利用される方への接遇マナーがあるため、マナーに不安がある方も安心してください。
当ステーションは精神科訪問看護に特化しています。仕事内容はこちらの記事で解説しているため、参考にしてください。
精神科訪問看護の具体的な仕事内容は?訪問の流れ、一般病棟との違いを解説
精神科訪問看護に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。