「看護師は何がこんなに忙しいの?」
「忙しくない職場について知りたい・・・」
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
看護師の業務はマルチタスクになりやすく、予定している業務に加えて緊急入院や急変で忙しくなりやすいです。
急性期病院や救急救命センターでは、特に忙しさを感じやすくなります。
この記事では、看護師が忙しいと言われる理由や、忙しい職場から辞めたくなったときの対処法を解説します。
ワークライフバランスを重視するときの職場についても解説するので、今後転職する際に参考にしてください。
看護師が忙しい・激務と言われる理由には、下記の7つがあります。
◎マルチタスクになりやすい
◎夜勤が忙しい
◎前残業・後残業がある
◎人手不足の職場がある
◎ミスをすると生命に関わる
◎肉体労働がある
◎細かな記録が多い
1つずつ見ていきましょう。
看護師の仕事は、マルチタスクになりやすいです。主な仕事は、決められた時間で行われる採血や検査、薬の投与、入浴介助やおむつ交換などの清潔ケアがあります。
入院している方のバイタルサインが変化したり症状が悪化したりすると、予定されている業務以外にも、採血や点滴投与などの仕事が舞い込んできます。
他にも、患者様からのナースコールがあったりすると、作業の途中で対応するため、どこまで仕事が進んでいるかわからなくなってしまうのです。
ナースコールは1度ではなく、複数の方から続けて呼ばれることもあります。そうすると、余計に自分の仕事が進まず、他の業務が終わらなくなってしまい、忙しいと感じるでしょう。
夜勤は、日勤と比較して少ない人数で、患者様を看る必要があるため忙しくなります。日勤では7対1の病院で人数が充実していても、夜勤は20対1と看護体制が異なる病院がほとんどです。
夜間にトイレが頻回な方や認知症のある方の帰宅願望など、少ない人数で対応していると忙しくなります。
夜勤で働く看護師は、本来寝ている時間に働いているためサーカディアンリズムの乱れにより、寝付きが悪くなったり、身体に不調をきたしたりする可能性があるのです。
3交代を取り入れている病院によっては、日勤後に夜勤があり休む時間が少なく、過酷な勤務となるでしょう。
看護師は、ほとんどの病院で前残業があります。
初めて受け持つ患者様の場合は、疾患や入院理由、安静度などを確認する必要があります。始業時間までに情報を取るためには、必然的に前残業が発生してしまうのです。
日本医療労働組合連合会によると、約4割の方が30分以上前に出勤していると報告されています。前残業が無いと答えた方は約4人に1人です。就業場所によっては、前残業が必要ないところもあるでしょう。
後残業は、看護業務が多い急性期やICU、救急救命センターなどで多くあります。残業時間が30分以上あると答えた方は、73.4%と報告されています。
参考:2022年 看護職員の労働実態調査「報告集」|日本医療労働組合連合会
人手不足の職場では、1人あたりの業務量が増加するため、忙しくなります。業務量が多くなると、ストレスが溜まったり、職場の雰囲気が悪くなったりするのです。
仕事が忙しく、雰囲気の良くない職場にいると、仕事を辞めたいと感じる機会が多くなり、さらに人手不足となる悪循環が発生してしまうでしょう。
看護師はどこでも働ける職業のため、条件が良くない場所では退職を考える方が多くいます。看護師の多くは女性であり、出産や結婚・子育てによって退職する方もいます。
厚生労働省によると20代~40代看護師の主な退職理由で、結婚や出産・子育てが上位を占めていると報告されています。退職時期が重なると人手不足に陥る職場があるのです。
日本医療労働組合連合会によると、仕事を辞めたいと思う理由で「人手不足で仕事がきつい」が58.1%を占めていると報告されています。
参考:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省
2022年 看護職員の労働実態調査「報告集」|日本医療労働組合連合会
看護業務で点滴は、ミスをすると生死に関わることがあります。常にミスをできない環境ではプレッシャーがかかるでしょう。
忙しい環境で、ミスをできないプレッシャーを抱えながら働いていると、精神的な負担が多くなり、つらいと感じる方もいるのです。
看護師の業務にはおむつ交換や体位変換、車椅子への移乗など肉体労働を行うこともあります。
床上安静の方が多い場合は、肉体労働の比率が高くなり身体的な負担も多くなるでしょう。
普段の業務に加えて、肉体的な業務が加わると仕事量が増加して、忙しくなってしまいます。また、肉体的な疲労による腰痛を患う方が医療職に多い傾向です。
厚生労働省によると、看護師で腰痛を抱える方は5割~7割と報告されています。腰痛を抱えると、おむつ交換や体位変換の仕事がスムーズにできなくなり、業務に支障をきたしてしまうでしょう。
参考:医療保険業の労働災害防止(看護従事者の腰痛予防対策)|厚生労働省
病院では、診療報酬を得るために様々な記録が必要です。毎日の看護記録や転倒転落アセスメント、褥瘡危険因子評価など多くの記録があります。
細かな記録は受け持っている患者様全員分あるため、時間がかかります。
普段の業務にプラスして記録を行う必要があり業務が多い日には、就業時間が終わってから記録するケースもあるのです。
看護師が忙しい職場から辞めたくなったときの対処法は下記の3つです。
◎業務が改善できないか職場で話し合う
◎異動を検討する
◎働きやすい職場へ転職する
それぞれ解説します。
看護師の業務内容を改善できないか職場で話し合ってみましょう。例えば、下記があります。
◎療養生活の世話は看護補助者が主に行う
◎採血や血糖測定を看護師ではなく臨床検査技師が行う
◎各勤務帯の申し送りは重要なことのみで、他は記録を見てもらう
他にも病院で決められた業務を改善できる内容がないか検討すると良いでしょう。業務改善によって、忙しさを軽減できるかもしれません。
医師の働き方改革に伴い、今後看護師の業務が増える可能性があるため、他の職種と協力して業務を行える体制を整えておくと良いでしょう。
あなたが就業している場所で、複数の部署がある場合は異動を検討してみましょう。部署によって忙しさが違うからです。
今よりも業務量が少なかったり、病床数が少なかったりすると忙しさが減り、負担を軽減できるかもしれません。
違う部署の環境は同僚に聞いて情報収集をしてから異動を検討しましょう。情報収集をせずに異動すると、想定していた仕事量と違ったと後悔するかもしれません。
就業している場所が忙しく、異動できない場合は、今よりも仕事量が少ない職場へ転職すると良いでしょう。
転職すると、今よりも業務量の軽減に期待できるからです。業務量が少なければワークライフバランスが整い、自分の時間が増える可能性があります。
忙しい職場とワークライフバランスを重視したいときの就業場所については、今から解説するので転職の参考にしてください。
看護師が忙しいと感じやすい職場は、主に3つです。
◎救急救命センター
◎急性期病院
◎回復期病院
1つずつ解説します。
救急救命センターは、重篤な状態の方が入院する場所です。心肺停止状態から蘇生された方や、状態が変化しやすい方が入院しているため、観察が重要で異常にすぐ気付ける観察の能力も求められます。
緊急入院が多く、さまざまな疾患の方が入院するため必要な知識が多く、忙しいと感じやすい職場と言えます。
急性期病院は、病気を患って間もない方が入院しており、症状が変化する可能性が高いです。
救急救命センターと同様に観察力や疾患に関する知識が求められたりします。検査や採血、手術のある患者様を担当するため、業務量が多く残業が発生しやすいです。
その分、身につく知識も多いですが、忙しい職場で働く覚悟がないと続けていくのは難しいでしょう。
上記2つと比較して業務量は多くありません。緊急入院は少なく、予定入院の方が多いです。
回復期で入院している方は、動ける方が多くいます。入院患者様の高齢化に伴い、認知症の方が多くいるため、センサーマットなどを使用しており、転倒に注意が必要です。
他にも、ご家族と退院先を相談したり、退院に向けたトレーニングをリハビリの方と情報共有して行ったりします。急性期病院や救急救命センターとは違った忙しさがあるでしょう。
看護師でワークライフバランスを重視するときの職場は、主に3ヵ所です。
◎精神科訪問看護
◎健診センター
◎慢性期病院
転職を考えている方は、上記から選ぶとゆったりと働けるでしょう。
それぞれの特徴を解説します。
精神科訪問看護は、精神的な障害を抱える方の自宅に訪問して、バイタルサインの測定や内服薬の管理などを支援する仕事です。
決まった時間で1人と関わりを持てるため、忙しい職場ではできなかった関わりができるでしょう。
精神科訪問看護の仕事内容や、当ステーションの特徴について下記の記事で解説しているため参考にしてください。
精神科訪問看護の具体的な仕事内容は?訪問の流れ、一般病棟勤務との違いを解説
東京の精神科訪問看護で働くメリットは?当ステーションの特徴も解説!
健診センターは、企業や団体の健康診断を行う場所です。看護師は、採血や心電図、血圧測定などを担当します。
予約制で健診を行っている場所が多いため、前後の残業はほとんどありません。
健診の人数が多いときもあるため、採血のスピードを求められる場合があります。仕事をスムーズに行うためには、採血技術が必要になるでしょう。
慢性期病院は、症状が落ち着いている方が多く入院している病院です。
オペ出しや検査、採血などは少なく、日常生活援助が主な仕事になります。他にも、経管栄養や痰の吸引、CV挿入の介助や人工呼吸器の観察が必要な職場もあります。
日常生活援助が主なため、体位変換やおむつ交換が多く、肉体的にきついと感じることもあるでしょう。
急変がなければ残業はほとんどなく、定時に帰ることが可能です。
今回は、看護師が忙しい・激務と感じる理由や忙しい職場から辞めたくなったときの対処法について解説しました。
看護師が忙しい・激務と感じる理由には下記があります。
◎マルチタスクになりやすい
◎夜勤が忙しい
◎前残業・後残業がある
◎人手不足の職場がある
◎ミスをすると生命に関わる
◎肉体労働がある
◎細かな記録が多い
職場によっては、上記のような忙しさがなく、ゆったりとした環境で働くことが可能です。もし、あなたが忙しい職場で疲れたと感じたときは、転職を検討しましょう。
良い職場に出会えると、ゆったりした環境で働けて、ワークライフバランスを重視できるでしょう。
コルディアーレは精神科訪問看護ステーションで、忙しい職場からの転職におすすめです。当ステーションに興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。