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障がい者雇用による社会貢献とは?実例や企業価値を高める方法を解説

「障がい者雇用によって社会貢献したいけれど、本当に社会貢献になるの?」
「障がい者雇用は企業にとってどんなメリット・デメリットがあるの?」
企業の社会的責任を果たすために社会貢献の側面を持っている障がい者雇用に興味がある企業担当者の方は多いことと思います。
現在、民間企業では障がい者雇用促進法43条第1項で2.3%以上の割合で障がい者を雇用しなくてはならないことが定められているため、多くの企業で障がい者雇用が推進されています。
障がい者雇用は以下の3つの理由から、社会貢献度の高い企業の取り組みとして注目されています。

そこで、この記事では社会貢献に繋がる障がい者雇用について理解を深めるためのポイントを解説します。

上記のポイントを押さえて障がい者雇用を導入すると、社会貢献できるだけでなく企業の価値を高めることができます。
社会貢献と同時に企業にとってメリットの大きい障がい者雇用を導入できるように、是非最後まで読み進めていただければ幸いです。

【目次】

1.企業の障がい者雇用は社会貢献に繋がる

2.企業の障がい者雇用を社会貢献に繋げてPRしている事例

3.企業が障がい者雇用をするメリット

4.企業が障がい者雇用をするデメリット

5.障がい者雇用で大きな効果が期待できる企業とは?

6.社会貢献のために障がい者雇用を導入するステップ

7.障がい者の指導担当者のよくある6つの不安や悩みと対策方法

8.障がい者雇用支援サービスなら株式会社JSHにおまかせ

9.まとめ

 


1.企業の障がい者雇用は社会貢献に繋がる

冒頭でもお伝えしたように、企業の障がい者雇用は社会貢献に繋がります。
障がい者雇用が社会貢献に繋がる理由には次の3つがあるので、ご紹介します。

障がい者雇用による社会貢献は現在の日本のみならず、世界的な動きを踏まえても考えなくてはならないことなので、理解を深めてみましょう。

1-1.社会貢献①:障がい者の雇用を創出できる

企業が障がい者雇用を行うと障がい者の雇用を創出できるので、社会貢献に繋がります。
ハードルが高く感じられて障がい者雇用に踏み出せない企業も多くありますが、障がい者雇用を推進する企業が増えれば増えるほど障がい者にとっては就職先の選択肢が増え、より自分らしい働き方ができる職場を見つけやすくなるのです。
2015年に行われた国連サミットでは、2030年までに持続可能なより良い世界を目指す「SDGs」が国際目標として採択されました。
SDGsで掲げられている以下の17の目標に共通している「leave no one behind(誰一人取り残さない)」という思いを実現するために、障がい者雇用を推進して障がい者の雇用を創出し、すべての人が働きがいを持って活躍できる社会を作ることが求められています。

1-2.社会貢献②:地方産業の活性化に役立つ

人手不足に対する問題が深刻な地方で障がい者雇用を進めると、地方産業を活性化させて後世に受け継ぐことができます。
都市部では人手が集まりやすい一方で、地方では次世代の担い手の減少によって今まさに農業や養蚕業、伝統工芸などといった地方産業の技術継承が途絶えようとしているものが多く見られます。
農業について取り上げてみると、体にも自然にも優しい低農薬の農作物を作るためには、害虫を駆除したり雑草を取り除いたりと人の手によるこまめな世話が欠かせません。
65歳以上の人口割合が21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼び、日本では以下のグラフにあるように2010年に超高齢社会に突入しました。

参考:令和3年版高齢社会白書(全体版)

このように今後も人口に対する高齢者の割合が増加することが予想されるので、より深刻になるであろう地方での人手不足問題を解決するためには障がい者雇用に向き合う必要があるのです。
障がい者雇用によってこれまで受け継がれ来た地方産業を衰退させることなく活性化させて後世に受け継ぐことは、社会貢献に繋がります。

1-3.社会貢献③:働き方改革ができる

「働き方改革」とは、一億総活躍社会を実現するための取り組みのことです。働く人の誰もが自分自身で一人ひとりに応じた多様で柔軟な働き方を選択できるようになることをいい、障がい者雇用によって全社員の働き方改革に繋がります。
なぜなら、障がい者雇用をすると、足が不自由な障がい者ならバリアフリー化した職場環境やテレワークの拡大が、複雑な業務内容が理解しづらい障がい者なら業務内容の見直しや効率化を実行する必要が生じます。これらの取り組みは新しく雇用される障がい者のために行われるように見えますが、これまでその職場で勤めてきた人にとっても仕事に取り組みやすい環境が整うきっかけにもなるからです。

その結果として労働時間の減少や就業継続率の増加に繋がる可能性が高く、障がい者雇用はその職場で働く人全員の働き方改革に繋がるのです。

 


2.企業の障がい者雇用を社会貢献に繋げてPRしている事例

ここまで、企業が障がい者雇用を促進することは障がい者の雇用創出だけでなく地方産業の活性化や働き方改革にも役立ち、社会貢献に繋がることをご紹介しましたが、企業が障がい者雇用をどのようにして社会貢献に繋げてPRしているのか事例が気になりますよね。
そこで、障がい者雇用を社会貢献に繋げてPRしている以下の3つの企業の事例をご紹介します。

実際に他の企業が推進している障がい者雇用がどのような社会貢献に繋がっていて、社会に向けてどのようにしてPRしているのかを参考にしてみましょう。

2-1.ホームページでの情報発信や職場見学の受け入れをしているA社

保険業のA社では障がい者を積極的に雇用するために業界初となる一部の保険事務や印刷を担う特例子会社を設立し、積極的に障がい者を雇用しています。
バリアフリー環境はもちろんのこと社員の要望を取り入れた社内設備を整え、多くの障がい者の雇用を創出すると同時に働きやすい環境を作り出しています。
その取り組みはこれまで4度も独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から表彰されていて、その情報をホームページで公開するほか、多数の職場見学を受け入れてPRに活用しています。

2-2.障がい者が作ったノベルティを活用するB社

人材サービス業のB社では地方での障がい者雇用を推進するために特例子会社を設立し、養蚕産業を活性化させることに成功しています。
特例子会社では地方在住の多くの障がい者の雇用を創出するだけでなく、過疎化が進み人手不足によって衰退しかけていた養蚕産業を継承することに繋がっています。
この取り組みはホームページで情報発信するほか、親会社である人材サービス業で障がい者社員が作った養蚕産業の繭の成分入りの入浴剤をノベルティとして活用し、障がい者雇用による社会貢献を広くPRすることに成功しています。
商品ではなくサービスを提供する企業は障がい者雇用のエピソードを伝えながら取引先企業にノベルティを渡すことで、他社との差別化を図れるのです。

2-3.働き方や職場におけるさまざまな課題を解決しているC社

グローバルに展開しているファッション業のC社では1店舗に1名以上の障がい者を雇用し、障がい者とともに働ける職場環境を作り上げています。
ある店舗で働く聴覚障がい者の社員は、聴覚障がい者のお客様に手話で対応するだけでなく、お客様をお待たせしないようにバックルームを改善して在庫をすぐに取り出せることを提案するなどの活躍を見せています。
コミュニケーションの方法は一通りではないことに気付いた社員が増えたことによって、以前よりも手話を交えた社員間でのコミュニケーションが活発になり、働き方や職場におけるさまざまな課題を解決することに繋がっています。
その取り組みはホームページに掲載され、多くの企業で障がい者の雇用モデルとして採用されています。

 


3.企業が障がい者雇用をするメリット

ここまで企業の障がい者雇用は社会貢献に繋げてPRしている事例についてご紹介しましたが、実際に導入するとなると現実的に企業にはどのようなメリットがあるのかが気になるところですよね。
そこで、企業が障がい者雇用をする以下の3つのメリットについて解説します。

障がい者雇用は社会と企業の双方の発展に役立ちますが、企業がこれらのメリットを実感するためには長期的に継続していく必要があることを覚えておきましょう。

3-1.社会的信頼性を高められる

企業が存続・発展していくために現代社会においてとても重要となるのが社会的信頼性を高めることです。積極的に障がい者雇用を促進して社会貢献している企業は社会的に大きな信頼を得られるだけでなく尊敬までされることになり、企業価値を高められます。
たとえば、似た商品を扱うA社とB社があった場合、A社が障がい者雇用によって社会貢献していることを消費者が知ると、A社の取り組みを応援したいという気持ちからA社の商品を選ぶ可能性が高くなります。
障がい者雇用の際にはさまざまな制約事項や配慮すべき事柄もありますが、社会的信頼性を高められて企業の競争力強化に繋がり、収益にまで大きな影響を与えるのです。

3-2.経済的な優遇措置を受けられる

障がい者雇用を促進すると、以下の3つの経済的な優遇措置を受けることが可能になります。

それぞれの内容について解説します。

3-2-1.障害者雇用納付金制度

障害者雇用促進法43条第1項によると民間企業では2.3%以上の割合で障がい者を雇用しなくてはならないことが定められています。
この法定障害者雇用率に基づいて、従業員を43.5人以上雇用している企業は障がい者を1人以上雇用しなければなりません。
法定雇用率を下回る企業はハローワークから行政指導されるだけでなく、常用労働者が100人超の企業が未達成のままでいる場合は障害者雇用納付金が徴収されることとなります。
一方で、達成している企業に対しては調整金や報奨金が支給されるので、障がい者雇用を推進することにはメリットがあります。

3-2-2.障がい者雇用に関する助成金制度

障がい者雇用の際には「雇用しても職場に馴染めずにすぐ辞めるのではないか」「余計な人件費を掛けるだけになったらどうしよう」というように企業にとって金銭的な不安が付きまといます。
しかし、以下の表にあるように障がい者を継続雇用する企業は「特定求職者雇用開発助成金」を、試行雇用する企業は「トライアル雇用助成金制度」を利用することが可能です。

 

特定求職者雇用開発助成金
コース 対象 支給金額 助成対象期間
特定就職困難者コース ハローワーク等の紹介により障がい者を雇用する事業主 条件に応じて年額50万円~100万円

(中小企業の場合は年額60万円~240万円)

条件に応じて1年~1年6か月間

(中小企業の場合は1~3年間)

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース ハローワーク等の紹介により発達障がい者または難治性疾患患者を継続雇用し、雇用管理に関する事項を把握・報告する事業主 年額50万円

(中小企業の場合は年額120 万円が最長2年間)

最長1年間

(中小企業の場合は最長2年間

参考:厚生労働省ホームページ

 

トライアル雇用助成金
コース 対象 支給金額 助成対象期間
障害者トライアルコース 障がい者を試行的に雇い入れた事業主 条件に応じて月額4万円~8万円 条件に応じて最長3か月~6か月間
障害者短時間トライアルコース 週20時間以上の勤務が難しい精神障がい者・発達障がい者を、20時間以上の勤務を目指して試行雇用を行う事業主 月額最大4万円最長12か月間
最長12か月間

参考:厚生労働省ホームページ

このほかにも障がい者が働き続けられるように支援する各種助成金や自治体が運営している助成金があるので、制度をうまく利用すれば障がい者雇用を促進するメリットをより感じられます

3-2-3.税制優遇制度

障がい者雇用を行い定められた要件を満たすと、その企業は以下の4つの税制優遇制度まで適用されます。

障がい者雇用における税制優遇制度
名称 対象 内容 適用期限
機械等の割増償却措置(法人税・所得税) 障がい者を多数雇用する企業 その事業年度、またはその前5年以内に開始した各事業年度に取得・製作、建設した機械や設備などを普通償却限度額に加えて12%の割増償却ができる 令和4年3月31日
事業所税の軽減措置 心身障がい者を多数雇用する企業 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けて施設の設置を行った場合、その施設で行う事業の事業所税(資産割)の、課税標準となるべき事業所床面積の2分の1相当を控除できる 適用期限なしの恒久措置
不動産取得税の軽減措置 心身障がい者を多数雇用する企業 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けて事業用施設を取得し、引き続き3年以上、事業用に使用した場合、その施設の取得に伴う不動産取得税について取得価格の10分の1相当額に税率を乗じた額が減額される 令和5年3月31日
固定資産税の軽減措置 心身障がい者を多数雇用する企業 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けて事業用施設を取得した場合、その施設の固定資産税の課税標準は、当初5年度分に限り、課税標準となるべき価格から取得価格の6分の1に障害者雇用割合と税率を乗じた金額が減額される 令和5年3月31日

参考:厚生労働省ホームページ

要件を満たしているか確認した上でハローワークで手続きすることで税制優遇制度も適用されるので、他の制度との併用を検討してみましょう。

3-3.人材不足解消に繋がる

障がい特性に配慮しながら適性に合った業務内容を割り当てることで、障がい者も企業に貢献できる人材に育つので、障がい者雇用は人材不足解消に繋がります。
障がい者は社会や企業から一方的に支援されるだけの存在ではなく、企業で雇用されている障がい者の中にはこれまでの社会経験や習得スキルを活かしてさまざまな活躍をしている人も多くいます。

障がい者雇用は社会貢献に繋がる側面もありますが、その人が持つ能力を発揮する場所を用意することができれば、労働力として活用できる人材になるのです。
人材不足に悩んでいる企業にとって、障がい者雇用は人材確保のために有効な一手段となることが期待できます。

 


4.企業が障がい者雇用をするデメリット

企業の障がい者雇用は大きなメリットがあることが分かったところで、一方で以下の4つのデメリットがあることも忘れてはなりません。

社会貢献のために障がい者雇用に踏み出す前に、デメリットについてしっかりと理解しておきましょう。

4-1.障がい者に適切な業務内容を割り当てるのが難しい

障害には身体障がいの他に知的障がいや精神障がい、発達障がいがありますが、どれをとっても障がい特性や程度に差がある上に、同じような症状が見られても人によって適性は違うため、適切な業務内容を割り当てるのは非常に難しいことです。
たとえば「この人はパニック障がいだから」という理由で一方的に業務内容を決定すると、個性や人となりを配慮できずに新しく雇用された障がい者のモチベーションを奪ってしまう可能性があります。
企業側が障がい者の障がい特性を理解しようとすることは大切ですが、パニック障害の場合は狭いところが怖くて発作が起きてしまう人もいれば昔のトラウマを思い出すと過呼吸になってしまう人もいて、症状が引き起こされるきっかけはさまざまです。
障がい者雇用においては障がいや症状だけを見るのではなく、その人が希望する仕事やできる仕事、持っているスキルを総合的に判断して適切な業務内容を割り当てていくことが重要となります。
雇用する障がい者に向けて適切な業務内容を検討することを「業務の切り出し」といいますが、その重要性や切り出し方法については、『障がい者雇用の最新状況と雇用後の定着率について』で紹介しているので参考にしてみましょう。

4-2.指導担当者の負担が大きくなる可能性がある

新しく雇用された障がい者は指導担当者と一緒に業務に取り組むこととなりますが、まだ仕事に慣れていないだけでなくお互いのことが分かり合えていないため、指導担当者が必要以上に障がい者をサポートしてしまって負担が大きくなることが少なくありません。
指導担当者の負担を軽減するためには「障がいの特性でできない仕事である可能性」と「できるのに甘えてしまっている可能性」の線引きを見極め、コミュニケーションを積み重ねてどうすれば働きやすくなるのかを探る必要があります。
障がい者の業務への取り組み方が安定するまでは、指導担当者の負担を考えて適切なフォロー体制を整えるようにする必要があります。

4-3.障がい者を雇用してから定着するまでが難しい

障がい者を雇用しても障がい者の働きたい気持ちと企業の働いてもらいたい気持ちが業務内容や業務量などにおいてうまく噛み合わず、以下のグラフにあるようにとくに精神障がい者の1年経過後の定着率は49.3%と非常に低いことが分かります。

参考:厚生労働省職業安定局「障がい者雇用の現状等」

 

企業にとって雇用した障がい者に早期に離職されると採用までに要した時間やコストが無駄になるだけでなく、障がい者雇用で期待していた社会的信頼性を高めることや経済的な優遇措置、人材不足の解消に繋げることも実現できません。
障がい者雇用においては「とにかく採用すればいい」と考えるのではなく、長期的な雇用定着を目指して準備をしたり、フォロー体制を整えることがとても大切です。
配慮ができる企業では障がい者にとっても長く働き続けられるので定着率が高くなり、人材不足解消に役立ちます。障がい者を雇用した際の職場定着率の実態や定着率を高めるためのノウハウについては、『障がい者雇用の最新状況と雇用後の定着率について』で詳しくご紹介しているので、参考にしてみましょう。

4-4.長期的、継続的な実践が必要となる

障がい者雇用を推進してもすぐには社会的信頼性を高めたり企業イメージを上げたりといった効果を得ることはできないので、長期的かつ継続的な実践が必要となります。
なぜなら、数か月間だけ障がい者雇用をしたところで障がい者の働き甲斐や経済面をサポートする取り組みはできないだけでなく、企業の社会的責任も果たしたことにならないからです。
障がい者雇用をしたことによるメリットを感じるためには顧客に社会貢献性の高い取り組みをしていることが知れ渡るようになるまで最低でも1年以上、より大きなメリットを感じたいなら3~5年以上の継続的な実践が必要です。
障がい者雇用には打てば響くような即時的な効果は期待できませんが、推進するのであれば雇用した障がい者が働きやすいように配慮しながら環境を整え、本人が希望するならずっと働き続けられように長期的かつ継続的に取り組んでいかなければなりません。

 


5.障がい者雇用で大きな効果が期待できる企業とは?

社会貢献ができる障がい者雇用が企業にとってメリットとデメリットがあることが分かったところで、障がい者雇用を推進して大きな効果が期待できる企業は以下の3つです。

当てはまる企業はこの機会に障がい者雇用を推進してみましょう。

5-1.人材不足に悩んでいる企業

地方の人材不足が深刻な問題となっていますが、都市部においても決して少なくない慢性的な人材不足に悩んでいる企業にとって、障がい者雇用は大きな効果が期待できます。
ある運輸業の会社ではパート社員の正社員転換や無期限転換制度の導入、人事評価制度の整備などに取り組んで人材不足の解消を進めてきましたが、さらなる一手として障がい者雇用を推進しました。
なぜなら、これまで法定雇用率を満たす範囲での障がい者雇用しか行ってこなかったものの、障がい者の労働環境を整えることに配慮してきた結果、高い定着率が認められていたからです。
作業スピードは遅くても正確な作業ができる障がい者を積極的に雇用すれば、出荷伝票検品やパレットへの荷積みを任せることができるだけなく、一般社員が慢心からミスを起こしてしまうのに対して障がい者は真摯な作業姿勢で取り組むため、結果的に顧客の信頼を高めることに繋がります。
ただし、障害特性やその人自身の適性によるものの以下の表にあるように業務には障がい者に向いているものと向いていないものとがあるので注意が必要です。
障がい者雇用は障がい者に向いている業務の人材不足に悩んでいる企業に有効な手段です。

このように障がい者に向いている業務で人材不足に悩んでいる企業は障がい者雇用を推進すると、長期的に会社の戦力となり得る人材を確保できます。

5-2.イメージ戦略に取り組みたい企業

障がい者雇用を推進すると社会貢献していることをアピールできるので、イメージ戦略に取り組む企業は大きな効果が期待できます。
地方にある養蚕業の会社では人手不足が深刻で障がい者雇用を導入しましたが、障がい者の労働力のお陰で養蚕業の活性化に繋がっただけでなく、そこで作られた繭の成分が入った入浴剤をノベルティとして活用しています。
企業名やロゴが入れられただけのノベルティとは違って、この入浴剤なら障がい者雇用していることをアピールできるので、企業のイメージアップに貢献しています。
誰もがスマホですぐに情報を検索できる現代社会では、イメージ戦略によって選ばれる企業になることが重要なので、障がい者雇用を通してイメージアップしたい企業は障がい者雇用を推進しましょう。

5-3.ダイバーシティ経営がしたい企業

経済産業省によると、ダイバーシティ経営とは「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造に繋げている経営」のことです。
長年同じメンバーで経営してきた企業や新しい商品開発に行き詰まっている企業は、障がい者雇用を推進することで業務効率の改善策や商品開発のアイディアが浮かぶというような大きな効果が期待できます。
人の個性を大切にできる多様化した社会を作り上げるためには、企業においても多様な人材を雇用することが求められます。
障がい者本人が活躍できる場所を作るだけでなく、周囲の社員がコミュニケーションの大切さや視野を広げる必要性に気付かされ、全体として企業の発展に繋がる障がい者雇用を検討してみましょう。

 


6.社会貢献のために障がい者雇用を導入するステップ

障がい者雇用で大きな効果が期待できる企業が分かったところで、どのようにして障がい者雇用を進めていけばよいのか導入までの流れが気になりますよね。
ここでは以下の障がい者雇用を導入するステップについて詳しく解説します。

社会貢献のために障がい者雇用を導入できるようにステップを一つずつ確認してみましょう。

6-1.【STEP1】採用計画を立てる

まずは障がい者を雇用するための準備として採用計画を立てますが、採用計画の内容は具体的に以下の4つを考える必要があります。

それぞれどのようなことに気を付けて計画を立てればよいのか参考にしてみましょう。

6-1-1.雇用する人数の決定

障害者雇用促進法43条第1項によって定められている民間企業の法定障害者雇用率は2.3%以上なので、初めて障がい者を雇用する企業ではこの数値を満たせるように雇用する障がい者の人数を決定するのがおすすめです。
法定雇用率以上の人数を雇用することは社会貢献に繋がりますが、ひとりひとりの障がいの特性に応じた業務の選定をして受け入れ体制を整えた上で、うまく配置できるかどうかは難しい場合もあります。
雇用した障がい者が定着しなければ企業にとっても障がい者にとってもメリットが得られないので、一度にたくさんの障がい者を雇用するのではなく、複数名雇用したい場合であっても3〜5年のスパンで実現できるような採用計画を立てましょう。

6-1-2.業務の選定

障がい特性や必要な能力、企業として労働環境などの配慮ができるかどうかを踏まえて雇用した障がい者にどのような業務を担当してもらいたいのかを考え、その業務に従事できる人材要件をあぶりだします。
障がい者に割り当てる業務は大きく考えると以下の左右2つのどちらかから選定することになります。

採用前に業務を選定しておくものの、選考・就業後に雇用した障がい者の人となりや適性を見て業務内容を調整するなど柔軟に対応する必要があります。
業務の選定をする際に欠かせない業務の切り出しのポイントについては、『障がい者雇用の最新状況と雇用後の定着率について』で詳しく紹介しているので、参考にしてみましょう。

6-1-3.雇用形態の検討

障がい者の法定雇用率を満たすためには正社員もしくは契約社員、嘱託社員といった常時雇用の雇用形態をとる必要があります。
さらに週の所定労働時間が30時間以上の場合は常用労働者、20時間以上30時間未満の場合は短時間労働者となり、以下の表にあるように実雇用率へのカウント方法が異なります。

なお、短時間労働者の精神障がい者については、「新規雇い入れから3年以内」かつ「2023年3月31日までに雇い入れられ、精神障がい者保険福祉手帳を取得」という条件を満たす場合は1人分、満たさない場合は0.5人分とカウントします。
障がい者の法定雇用率を満たすことと企業の受け入れ体制を整えられるかの両面から考えて、雇用形態を検討しましょう。

6-1-4.受け入れ部署の決定

初めて障がい者雇用を導入する企業の場合、各部署が受け入れに消極的になる可能性があります。
すでに障がい者雇用を導入している他の会社の事例を参考にしたり、まずは人事担当部署から障がい者雇用を導入したりするなどして、受け入れ環境を作りましょう。
このような健常者と一緒の部署で働く一般部署配置ではなく、以下のように障がい者をひとつの拠点で雇用する「集合配置」を行う企業が増えています。

とくに大手企業では特例子会社を設立して障がい者雇用をするケースが増加傾向にあり、障がい者雇用数の増加を牽引しています。

6-2.【STEP2】求人募集をする

採用計画が立てられたら次は求人募集に移りますが、求人募集の方法には主に以下の4つがあります。

障がい者の募集・採用の勝手が分からない企業ににおすすめなのは民間職業紹介業者の利用で、お任せするとスピーディーに障がい者雇用を進めることができます。
これらの求人募集方法の中から選択して求人募集情報を提供し、条件に合致した障がい者やその企業で働きたい障がい者が現れるのを待ちましょう。

6-3.【STEP3】面接・選考をする

求人募集後、面接や必要に応じて筆記試験や適性検査を行います。
面接時についても足が不自由で車椅子や杖を使用する障がい者に対しては通路幅を十分に確保し、聴覚障がいがある人には筆談対応や読唇しやすいようなゆっくりはっきりした話し方を心がけるなど、障がい者に対する配慮を忘れないようにしましょう。
障がい者雇用における面接で確認すべき事項は以下の通りです。

一緒に働くためにどのような配慮が必要になるのかを知るために大切なことなので、面接時にしっかりと確認しておくようにしましょう。
面接や筆記試験、適性検査の結果をもとに選考を行い、選考の末に採用となった障がい者に以後のスケジュールを伝えます。

6-4.【STEP4】障がい者の就業を受け入れる

採用となった障がい者を雇用して企業で働いてもらうことになりますが、就業受け入れ前後の流れを以下の3つに分けてご紹介します。

障がい者に十分に配慮しながら進めましょう。

6-4-1.就業前

障がい者の就業前に以下の準備を行います。

雇用する障がい者が働きやすい環境になっているかを配慮し、準備を徹底しましょう。

6-4-2.就業前実習

就業前実習では障がい者が就業する前に実際に業務を経験することによって、以下の3つを確認します。

面接だけでは十分に適性を把握することが難しい場合が多いので、この就業前実習を行って業務内容を調整するようにしましょう。

6-4-3.就業後

就業してから擦り合わせが必要となることもあるので、コミュニケーションを大切にしながら以下の内容を定期的に確認します。

障がい者雇用の導入が初めての企業では、日頃から障がい者の指導や管理を行っている指導担当者の負担が大きくなりやすいので、指導係に対するフォロー体制を整えることも忘れないようにしましょう。

 


7.障がい者の指導担当者のよくある6つの不安や悩みと対策方法

社会貢献のために障がい者雇用を導入するステップが分かったところで、忘れてはならないのが障がい者を指導・管理する指導担当者のフォローです。
ここでは障がい者の指導担当者のよくある6つの不安や悩みを取り上げ、対策方法をご紹介します。

障がい者雇用による社会貢献性を実感するためにも、指導担当者任せにせず職場全体で障がい者をサポートしましょう。

7-1.指導担当者と職場に温度差がある

スタッフの多くが障がい者と接した経験がない場合、障がい者雇用を進める企業や指導担当者と職場に温度差があり、指導担当者が障がい者に積極的に関わる一方で、他のスタッフが遠巻きに眺めていたり、存在を無視するような言動が見られたりすることもあります。

【対策】
温度差をなくす対策として障がい者就業前に受け入れ部署に対して障がい者を新たに雇用することを周知するのはもちろんのこと、おすすめなのは同じ部署で働くスタッフ全員が参加する説明会を開催することです。
説明会ではスタッフに対して障がい者雇用によって企業として社会貢献できることや、今回雇用する障がい者にどのような業務内容を割り当てる予定なのか、今回の事例を参考に企業として今後障がい者雇用を推進したい旨などを分かりやすく説明します。
この説明によって職場全体に障がい者雇用の意義理解を促し、温度差をなくすきっかけになることが期待できます。

7-2.障がい者とのコミュニケーションの取り方が分からない

指導担当者が障がい者の障害に配慮するあまりに何を話したらよいのか分からなかったり、頻繁に話しかけて障がい者の負担になったりすることは少なくないため、指導担当者は障がい者とのコミュニケーションの取り方について悩むことがあります。

【対策】
コミュニケーションは無理して頑張る必要はありませんが、コミュニケーションを円滑にするテクニックとして質問する際には誰でも答えやすい二者択一の質問をすることを心がけるなど、障がい者との接し方のポイントを勉強するようにしましょう。

慣れてくると障がい者は周囲のスタッフともコミュニケーションを取るようになりますが、周囲のスタッフが障がい者の仕事ぶりで気になることがある時には、障がい者本人ではなく指導担当者に伝えてもらうようにすると、障がい者への一貫した指導ができます。

7-3.障がい者の勤怠が安定しにくい

雇用した障がい者が新しい職場環境や業務内容に馴染めず休みがちになってしまったり、早期に離職してしまうことは少なくありません。
指導担当者は何に問題があったのか探って改善しようとしますが、障がい者の気持ちを推し量るのはとても難しいことです。

【対策】
指導担当者が障がい者の気持ちをすべて理解するのは難しいので、障がい者には毎日終業時間に日報を記入・提出してもらうようにしましょう。
日報によって健康管理や業務の振り返り以外に業務や労働環境に対する意見も得られるので、その都度面談を行って勤怠の安定に向けて取り組むことができます。
ただし、指導担当者だけが障がい者を気にかけるのではなく、職場全体で障がい者をサポートしようとする環境作りが大切です。

7-4.障がい者への具体的な指導方法が分からない

さまざまな障がい特性がある障がい者に対して「どのように指導すればいいのか分からない」「どうしたらもっと分かりやすく指導できるのだろうか」と悩む指導担当者は非常に多いのが現状です。

【対策】
障がい者への指導方法としてまず実践したいのは、指導担当者がその作業をする様子を見せて、次に障がい者に実践してもらう方法です。
できたら次の作業に進み、できなかったら何ができていないのかを伝えてもう一度取り組ませるうちに障がい者は作業内容を理解できます。
また、障がい者同士のペア作業を取り入れることは、それぞれの障がい特性や長所で役割分担しながら正確に作業を進められるだけでなく、ペアならではの安全面への配慮の徹底や作業に対する責任感の増加が期待できます。

7-5.障がい者の雇用管理が難しい

障がい者によっては特別な配慮が必要になるため、指導担当者として障がい者にこなしてほしい業務内容や量を見定めて雇用管理するのが難しく、サポートする指導担当者の負担が大きくなることがあります。

【対策】
最初の数か月は付きっきりでの指導が必要でも、他のスタッフに指導担当者が障がい者にどのような指導をしているのかその様子を見せることで、職場全体で障がい者をサポートする基盤が出来上がっていきます。
また、誰が見ても作業スケジュールや作業方法が分かりやすい写真や図を盛り込んだマニュアルを作成して、疑問点がある時にいつでも障がい者自身で確認できるようにしましょう。
障がい者にマニュアルの縮小版を常時携帯させることと周囲のサポートによって、雇用管理の難しさが軽減できます。

7-6.障がい者に割り当てる業務内容の調整に苦労する

指導担当者は障がい者本人の働き甲斐や他のスタッフの業務負担軽減のために、就業後も定期的に障がい者に割り当てる業務内容を調整しなければならないため、苦労することがあります。

【対策】
指導担当者だけでは業務内容の調整が難しい場合は、障がい者の就業支援をしている機関に相談して効率的な作業手順や、注意事項、改善方法などのアドバイスを受けることが有効です。
障がい者が働いている様子を観察するうちに、指導担当者だけでなく周囲のスタッフもその障がい者の適性が分かるようになり、「〇〇さんは丁寧な仕事ぶりが長所だから、この仕事を任せてみては?」といった提案を受ける機会が増えることも考えられます。
業務内容の調整は指導担当者の仕事ではありますが、外部の機関や他のスタッフの意見を取り入れながら行うようにしましょう。

 


8.障がい者雇用支援サービスなら株式会社JSHにおまかせ

障がい者の指導担当者の不安や悩みに対するおすすめの改善方法が分かったところで、障がい者雇用によって社会貢献できたらと思う反面、実際に障がい者雇用を導入するのはまだハードルが高いと感じている企業もありますよね。
そこで、おすすめしたいのが株式会社JSHが提供している「障がい者雇用支援サービス」です。
障がい者雇用支援サービスとは、以下の図にあるように株式会社JSHが障がい者雇用を推進したい企業と地方在住の障がい者を繋いで、地方を中心に展開している農園で障がい者の雇用を請け負うサービスのことです。

この障がい者雇用支援サービスの特徴は以下の3つです。

8-1.障がい者募集・採用の手間がかからない

企業で障がい者雇用をする場合、募集・採用のために多くの時間を割く必要がありますが、障がい者雇用支援サービスを利用すると地方在住の障がい者を弊社がご紹介してすぐに雇用をスタートすることができるので、募集・採用にかかる手間が省けます。
スピーディーに障がい者を雇用して法定雇用率を満たし、社会貢献までできる方法として多くの企業からご利用いただいています。
障がい者雇用支援サービスは、手間を考えると障がい者雇用に動き出せない企業担当者様や、募集しても思うように採用に繋がらなかった経験がある企業担当者様におすすめです。

8-2.企業内での障がい者への業務切り出し・内容調整が不要

障がい者雇用支援サービスを利用すると雇用した障がい者は企業ではなく弊社の農園で働くことになるので、企業内で障がい者雇用のために新たに業務を切り出したり、業務内容を調整する必要はありません。
周囲のスタッフの理解を得る一方で障がい者の障害特性や人となり、スキルなどを踏まえて業務を選定し、就業後も定期的に業務内容を調整することは、指導担当者の負担となることがあります。
障がい者雇用支援サービスは障がい者の受け入れ体制を整えることが難しいと感じる企業担当者様や、障がい者の指導係の負担を心配する企業担当者様におすすめです。

8-3.障がい者が安心して長期間働ける環境が整備されている

弊社が運営しているコルディアーレ農園では弊社社員と看護師が現場に常駐しているので、障がい者の業務のサポートだけでなく体調管理についてもサポート体制が万全の環境となっています。
障がい者を雇用しても職場環境や業務内容に馴染めずに休みがちになったり、早期に離職してしまうケースがありますが、障がい者が安心して長期間働ける環境作りによって弊社では高い定着率を実現できています。
これまで障がい者を雇用しても定着率が低くて採用を繰り返していた企業担当者様は、ぜひ障がい者雇用支援サービスをご検討いただければと思います。

 


株式会社JSHでは、
「募集しても採用につながらない…」
「業務の切り出しがうまくできない…」
「何かとトラブルが多く、定着率が低い…」
といった障がい者雇用に関する様々な課題を持つ企業様に向けて、 採用から定着まで包括的なサポートサービスを提供しています。

▼JSHの障がい者雇用支援サービスについて

※無料でダウンロード可能です。

詳細資料はこちら


9.まとめ

当記事では、社会貢献に繋がる障がい者雇用について解説しました。
最後にポイントを振り返ってみましょう。
障がい者雇用が社会貢献に繋がる理由は以下の通りです。

企業が障がい者雇用をするメリット・デメリットは以下の通りです。

障がい者雇用を導入するステップは以下の通りです。

当記事の内容を参考に、社会貢献のために障がい者雇用を推進できることを願っています。

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この記事を書いた人

株式会社JSH|矢野 翔太郎

株式会社JSHにて障がい者雇用支援サービス「コルディアーレ農園」のスキーム開発から営業までを担当。
企業側の障がい者雇用の課題解決だけではなく、農園の開設や運営にも携わることで、障がい者雇用のリアルな現場にも正対。
関連法案や海外の雇用事情についての知見もあり、セミナー等を通じて障がい者雇用に関する様々な情報発信も行っている。

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