コラム詳細
2020/10/06
autorenew2021/09/07
なぜ“農園型”の障がい者雇用なのか?実際に農園で働く障がい者にインタビューしてみた!
近年、農園を活用して障がい者雇用に取り組む企業が増えてきました。とはいえ、まだまだ農園型の障がい者を認知している企業の障がい者担当者様は少ないです。
また、農園型の障がい者雇用を知っていても、なぜ農園型のサービスがあるのか、イメージがつかないと考えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、農園型の障がい者雇用サービス”コルディアーレ農園”を提供している弊社(株式会社JSH)が、実際に現場で働いている人に実際にヒアリングを行って、働いている様子や、農園で働いた結果どんな変化があったのかなどをまとめました。
- まず、障がい者雇用の現状を簡単におさらい!
- なぜ農園型なのか?障がい者雇用における採用後の本当の課題とは
- コルディアーレ農園(株式会社JSH)が解決したい課題と地方創生
- コルディアーレ農園で働く障がい者のスタッフに話を聞いてみました!
- コルディアーレ農園で働くスタッフのお母様にも話を聞いてみました!
- まとめ
まず、障がい者雇用の現状を簡単におさらい!
企業は障がい者法定雇用率に基づいて、障がい者を雇用する義務があります。(2020年9月時点では、法定雇用率は2.2%。さらに、2021年4月までに2.3%に引き上げが予定されています。(2021年3月に引き上げられるという説が濃厚。)
障がい者雇用数は、2010年から2019年までの10年間で右肩上がりを続けています。障がい者法定雇用率の達成のためではあると考えられますが、それを踏まえても、この快挙は、全国の障がい者雇用を担当する方々の日々の採用努力の賜物であることは間違いありません。
一方で、達成度合いは現時点であまり良いとは言えず、実雇用率を達成出来ている企業は約48%です。つまり、障がい者雇用における雇用数は増えているものの、実雇用率の達成をしている企業は約半分しかいないです。
なぜ農園型なのか?障がい者雇用における採用後の本当の課題とは
先述の通り、障がい者雇用数は増えているものの、障がい者雇用の実雇用率を達成出来ていない企業の割合が半分もいるということが分かりました。
次に、障がい者雇用における課題についてです。実雇用率が未達成であるポイントは、大きく2つあります。
”採用の競争激化”、”採用後の定着の課題”です。
採用の競争については、障がい者雇用率の達成のため障がい者雇用に注力する企業が増えているため、自分たちが求める人材・業種にマッチする人材を獲得することが難しくなっているという現状があります。
さらに、”採用後の定着の課題”を深堀ります。定着における課題とは、具体的にどのような課題か見ていきましょう。
障がい者雇用をしない企業に対する厚生労働省の障がい者雇用実態調査結果(平成30年度)を参照すると、約8割の企業が”当該障がい者に適した業務がない”、つまり業務の切り出しに困っていると回答しています。
採用したはいいものの業種・業務に合わない、サポート出来る人材がいないなどの理由で業務を切り出せずにいます。
以下は、障がい者の障がい者の1年後の定着率の表したグラフです。障がい者雇用の1年度の定着率の平均は約6割です。よって、約4割の障がい者が1年以内に退職しています。
“障害者の就業状況等に関する調査研究” 高齢・障害・求職者雇用支援機構 のデータをもとに株式会社JSHがグラフを作成。
障がい者雇用数が増えたとしても、1年以内に4割離職するため、企業側も障がい者側も再度、採用/就労活動に注力する必要があります。常に、職場における障がい者雇用の体制が整わず、不安定な状態が続いているという企業も多いのではないでしょうか?
そこで、これらの課題を解決するための一つの方法である農園型の障がい者雇用について説明します。農園型の障がい者雇用は、激しくなる採用競争の回避や、採用後の業務切り出し課題や業務とのミスマッチを解消することが出来ます。
農園型の障がい者雇用のメリット
- 軽作業が多く、開放的であるため、身体的にも精神的にもストレスが少なく、体調を崩すことが少ない
- 定型的な作業が多く、業務の切り出しがしやすい
- 専門スキルを備えていたり、PCスキルに長けているなどの高度なスキルを備えていなくても作業をこなすことが出来るため、採用をしやすい(多くの企業が一般的に欲しがる人材の獲得競争を回避出来る)。
などが挙げられます。
コルディアーレ農園(株式会社JSH)が解決したい課題と地方創生
弊社(株式会社JSH)は、農園型の障がい者雇用サービス”コルディアーレ農園”を展開しています。障がい者の採用における課題や、採用後の定着における課題するためのサービスです。
そして、私たちは、障がい者雇用の課題だけではなく、地方における障がい者の就労機会の課題にもアプローチしています。
冒頭にも記載した通り、企業は2.2%の法定雇用率の義務が課せられており、都心部の企業を中心に採用競争が強くなっています。一方で、地方では、そもそも企業規模(従業員数)も比較的小さく、企業数も都心部の企業よりも少ないです。そのため、就労先・求人数が少なく、働きたくても働けない障がい者がとても多いです。
そのため、コルディアーレ農園は、地方の働きたくても働けない障がい者と、都心部の採用・定着に困っている企業の雇用をつなぐためのサポートを行っています。
私たちは、長崎県の五島列島という離島に一番最初の農園の運営を開始してから、宮﨑県、熊本県と九州を中心に農園を展開してきました。
多くの関係機関の皆様にご協力を頂いているおかげさまで、これまで無事に農園を運営出来ております。
引き続き、都心部と地方の間の障がい者雇用の格差を解消することを目指しコルディアーレ農園サービスを推進しています!
コルディアーレ農園で働く障がい者のスタッフに話を聞いてみました!
記事の作成にあたって、コルディアーレ農園で働いている障がい者のスタッフに聞いてみました!
農園で働く前はどのようなことをしていたか、コルディアーレ農園で働きはじめてからどのようなことが変わったかを聞きました!
農園で働く前はどんなことをしていましたか?
- A型事業所で、主に車の部品製造作業をしていた。(40代・男性・精神2級)
- 給付金をもらいながら求職活動をしていた時期もあったが、少し家に引きこもりがちだった。(50代・男性・身体1級)
- 就労支援センターでは、給料は少なく貯金もできていなかったが、今の職場になって貯金もでき将来がの目標が立てやすい。(20代・男性・精神3級)
- 一般就労してて、毎日の目標が高くとても嫌だった。(60代・女性・身体2級)
農園で働くようになってからどんなことが変わりましたか?
- 日々、充実している。掃除が好きになった。野菜を子どもが喜んで食べる。(40代・男性・精神2級)
- 金銭面に余裕が出てきた。満足している。(20代・男性・療育B2)
- 今の職場は、就労時間が細かく分かれていてしっかり休息もとれるので楽しく仕事ができている。スタッフさんに対するフォロー体制も整っており、とても働きやすい環境。(60代・女性・身体2級)
- 給料日に貯金ができるようになった。(20代・男性・精神3級)
コルディアーレ農園で一般企業で就労はいかがでしょうか
- すごくありがたい。年齢的に早くこういう働く場所があったらと思う。送迎があるので良い。屋内作業なので、環境がとても良い。(60代・女性・身体2級)
- 年齢の事や障がいの事もあるので、喜びと安心を感じながら仕事ができている。福利厚生についても満足している。(50代・男性・身体1級)
- しっかりとした給与がもらえていると実感している。また、社員として働けていると日々実感している。(20代・男性・療育B2)
コルディアーレ農園で働くスタッフのお母様にも話を聞いてみました!
働くまでは、どんなことが心配でしたか?
息子は、やはり、新しい環境への順応が一番不安でした。なので面接を受けるまで、そして、実際に仕事の内容を理解するまでの間の不安が大きかったです。現在は、見学や体験等の対応もして頂き、その不安は和らいだのかもしれませんが、息子は初期メンバーでしたので、「目で見る」、「実際に体験する」までは難しい状況でした。
農園で働いてからの自宅での変化はありましたか?
はじめの頃はヘトヘトで、帰宅後すぐに寝たりしていましたが慣れてくると、自分のペースを掴んで生活出来るようになりました。
お休みがしっかりと決まっている事も、大切なポイントで、生活に計画を立てるようになりました。自宅では、家の事も変わらず手伝ってくれます。1週間のメリハリがつく生活が出来るようになりました。
本人はどんなやりがいを感じていましたか?
息子は、入社当初、花壇の水やりの担当でした。何かしらの役割を持つことにより、また、その部分をサポーターの皆様に褒めて 頂いたりすると、自信へとつながっていたようです。ある日、出荷など、1日よく行動し、頑張ったときに、たくさんの皆さ まに「今日はよく頑張ったね」と声をかけて頂いたそうです。その時、とても嬉しそうに話してくれました。息子にとって「やりがい」とは、「褒めてもらえる頑張り」だと思います。
特に嬉しかった出来事はありますか?
働く、収入を得る。当たり前の事なのかもしれませんが、それが出来る事の大切さを実感しています。自分の働いた報酬で、自分の欲しいものを買う。だからこそ大切に使っています。社会人の厳しさに打ちのめされることもなく、穏やかな中に、厳しさや頑張ることを学ぶ居場所に出会えて感謝しております。また懇親会の時に、皆様に「〇〇ちゃん」と呼ばれ、笑顔で応える息子を見て、心からありがたいと思いました。
まとめ
障がい者法定雇用率の引き上げに伴って多くの企業が障がい者雇用に注力しています。障がい者雇用数は近年右肩上がりを続けているものの、多くの企業が採用の激化と、採用後の定着に頭を抱えています。
農園型の障がい者雇用サービスでは、障がい者雇用におけるミスマッチを解消することが出来ます。
弊社(株式会社JSH)のコルディアーレ農園では、障がい者雇用における課題としてよく挙げられる”サポート出来る人材の不足”という課題を解消するために、農園に看護師が常駐し、スタッフのケアを十分に行っています。
ご興味のある方は、是非サービス紹介資料をダウンロード頂ければ幸いです!
また、弊社(株式会社JSH)では、障がい者雇用の退職理由と退職しないために必要な対処法などをまとめた”障がい者雇用のサポート環境・退職理由”を無料ダウンロード出来ますので、興味がある方は是非ご覧下さい。
障がい者雇用は株式会社JSHにお任せください!
株式会社JSHでは、
「募集しても採用につながらない…」
「業務の切り出しがうまくできない…」
「何かとトラブルが多く、定着率が低い…」
といった障がい者雇用に関する様々な課題を持つ企業様に向けて、
採用から定着まで包括的なサポートサービスを提供しています。
障がい者雇用にお悩みの担当者様は、ぜひお問い合わせください。
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▼JSHの障がい者雇用支援サービスについて詳しくはこちら
地方の農園を活用した障がい者雇用支援サービス『コルディアーレ農園』
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