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身体障害者手帳の等級一覧│基準や違い、等級別のサポートを解説

「身体障害者手帳の等級って何級まであるの?障がいの種類によっても変わる?」
「等級が変わる可能性があるのであれば、基準についても知っておきたい!」

身体障害がいのある方や、障がい者雇用を進めたい企業の担当者の方が、身体障害者手帳の等級について理解を深めたくて、お調べいただいているのではないでしょうか。

身体障害者手帳の等級は、以下のように、障がいの分類に応じて、それぞれ定められています。

※障がい分類の中に気になるものがある方は、青字下線部をクリックして、詳細記事に移動してお読みください。

視覚障がい 1~6級
聴覚または平衡機能の障がい 聴覚機能障がい 2~6級

(5級はなし)

平衡機能障がい 3級・5級
音声機能、言語機能、

またはそしゃく機能の障がい

3~4級
肢体不自由 上肢機能障がい 1~7級
下肢機能障がい
体幹機能障がい 1~5級

(4級はなし)

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による

運動機能障がい

1~7級
内部障がい 心臓機能障がい 1~4級

(2級はなし)

じん臓機能障がい
呼吸器機能障がい
ぼうこうまたは直腸の機能障がい
小腸機能障がい
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい 1~4級
肝臓機能障がい

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

手足欠損などの上肢・下肢機能障がいは、1~7級まで細かく等級が定められています。

一方で、よろめき等で歩行を中断せざるを得ないといった平衡機能障がいの等級は、3級と5級の2つしかありません。

身体障害者手帳の等級は、障がいの程度に応じて均等にサポートする目的で生まれたので、このように複雑な基準が設定されています。

そのため身体障がい者と接するときに、障がいの分類や等級を知ろうとしなければ、その人の状態や必要とする配慮に対応ができない恐れがあります。

そこで、この記事では、障がい分類別の詳しい等級基準を含めた、以下のポイントについてご紹介します。

本記事のポイント
・身体障害者手帳の等級ができた背景や、等級ごとに受けられるサービスがわかる

・身体障害者手帳の等級は通常は固定されるが、例外的に変更できるケースがわかる

・障がい者の方向けと企業の方向けの等級に関するよくある質問から、疑問点を解決できる

身体障害者手帳の等級について理解を深めて、障がい者の方は等級変更できるか判断するために、企業の方は障がい者雇用に活かせるように、この記事をお役立てください。

 

【目次】
1. 身体障害者手帳の等級とは障がいの程度を示したもの
2. 【視覚障がい】の等級は1〜6級
3. 【聴覚または平衡機能の障がい】の等級は2〜6級
4. 【音声機能 、言語機能またはそしゃく機能の障がい】の等級は3〜4級
5. 【肢体不自由】の等級は1〜7級
6. 【内部障がい】の等級は1~4級
7. 身体障害者手帳の等級は通常固定、ただし例外的に変更できる場合がある
8. 【障がい者の方向け】身体障害者手帳の等級についてよくある質問
9. 【企業の方向け】身体障害者手帳の等級についてよくある質問
10. まとめ

 


1.身体障害者手帳の等級とは障がいの程度を示したもの

身体障害者手帳の等級とは、障がいの程度を示したものです。

1級から7級まであり、1級が最も重く、数字が大きくなるにつれて障がいの程度は軽くなります。(最も障がいの程度が軽い7級では、手帳は交付されません。)

等級とはどのようなものかを知るために、以下の2点をご紹介するので、理解を深めましょう。

・障がいの程度に応じて均等にサポートするために制定された

・等級が重い方が受けられる支援サービスが手厚い

 

1-1.身体障がいの程度に応じて均等にサポートするために等級が制定された

身体障害者手帳の等級は、 身体障がい者の障がいの程度に応じて、均等にサポートするために制定されました。

例えば、視覚障がいなら目に障がいがありますが、全く見えないのと、少しは見えるのとでは、日常生活の過ごし方は全然違いますよね。

このように同じ障がいを持つ人が2人いたとしたら、よりサポートを必要とする重度の障がいがある人の方が手厚い支援を受けられるようにするために、等級は生まれたのです。

身体障害者福祉法制定時(昭和24年)には、等級に関する制度はありませんでしたが、翌年には参考資料として利用され始めます。

参考資料として利用するうちに、徐々に等級を制定する必要性が認知され、昭和26年に身体障害者福祉法施行規則に級別の記載が始まりました。

昭和29年には等級表が身体障害者福祉法施行規則中に組み込まれるとともに全面改正され、現在の等級表の原型となるまでになります。

参考:月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2013年11月号

身体障害者手帳を運用するにあたって、障がいの程度に応じて均等にサポートすることは非常に重要なので、等級が設定されているのです。

 

1-2.身体障がい者手帳の等級が重い方が受けられる支援サービスが手厚い

身体障害者手帳の等級が重い方が、受けられる支援サービスは手厚くなります。

身体障害者手帳を所持する人が受けられる支援サービスを大きく分けると、以下の4つがありますが、等級が1級・2級の人についてはより手厚い支援が受けられます。

【身体障がい者が受けられる支援サービス】
就職のチャンスに

関するもの

・企業の障がい者雇用率の算定対象になる

1級・2級の重度身体障がい者は、障がい者雇用率の算定方法が異なり、企業は実際よりも多くカウントできるため、一般企業への就職のチャンスが広がる

医療費の助成に

関するもの

・自立支援医療制度を利用できる

(窓口での支払いが1割、もしくは収入に応じて決められた負担上限額で済む)

・車椅子や補聴器などの舗装器具の助成が受けられる

・手すり設置や段差解消など、リフォーム費用の助成が受けられる

1級・2級の人と、3級で療育手帳Bとの重複障がいがある人は重度障害者・高齢重度障害者医療費の助成が利用できる

税金控除に

関するもの

・所得税、住民税、相続税の控除対象となる

・自動車税、軽自動車税、自動車取得税の減免対象となる

・預貯金の非課税対象となる

1級・2級の特別障がい者は、所得税と住民税の控除額が増える

各種公共料金の割引に

関するもの

・JRやバスなど、公共交通機関の運賃の割引がある

・上下水道料金の減免がある

・NHK受信料の減免がある

・携帯電話基本料金の割引がある

・博物館などの公共施設の入館料の割引がある

自治体によって受けられる支援サービスは異なるので、詳細については、お住まいの自治体HPや障害福祉課などの窓口で確認してみましょう。

身体障害者手帳を所持しているだけで受けられるサービスはたくさんありますが、等級が重くなるほど日常生活が困難になるため、支援サービスも手厚くなっております。

 

2.【視覚障がい】の等級は1〜6級

視覚障がいの等級は、以下のように1〜6級までとなっています。

【視覚障がいの等級】
1級 両眼の視力の和が0.01以下
2級 (1)両眼の視力の和が0.02以上0.04以下

(2)両眼の視野がそれぞれ10度以内で、かつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上

3級 (1)両眼の視力の和が0.05以上0.08以下

(2)両眼の視野がそれぞれ10度以内で、かつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上

4級 (1)両眼の視力の和が0.09以上0.12以下

(2)両眼の視野がそれぞれ10度以内

5級 (1)両眼の視力の和が0.13以上0.2以下

(2)両眼による視野の2分の1以上が欠けている

6級 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超える

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表
参考:函館視力障害センター「視覚障害支援ハンドブック

初めて見た方は、聞き慣れない言葉が多くて、イメージが湧きにくいですよね。

視覚障がいの等級は、視力障がい視野障がいの2つのポイントから認定されます。

例えば、右(矯正不能)0.1、左(矯正不能)0.3なら等級には該当しませんが、合わせて視野障がいがあり、両眼による視野の2分の1以上が欠けていれば5級の判定となるのです。

判定については、以下のポイントを守る必要があります。

視力 ・万国式試視力表によって測ったもの

・屈折異常のある者については、最も適当な矯正眼鏡(コンタクトレンズ、眼内レンズを含む)を掛けた矯正後の視力

視野 ・ゴールドマン視野計か自動視野計、またはこれらに準ずるものによって測ったもの

参考:函館視力障害センター「視覚障害支援ハンドブック

等級に関する聞き慣れない言葉の説明については、以下をご覧ください。

両眼の視力の和 両眼で見て測った視力ではなく、右眼・左眼の視力を別々に測った数値の和

※視野障がいがない場合、右(矯正後)0.02、左(矯正後)0.04だと、視力の和は0.06なので、3級

※視野障がいがない場合、右(矯正後)0、左(矯正後)0.7であれば、等級には該当せず、身体障害者手帳は交付されない

両眼の視野が

10度以内

視野が全周にわたって、周辺部から中心に向かって見えなくなる求心性視野狭窄

(この症状がある場合、中心部の視野は最後まで保たれ、視力も進行するまでは比較的保たれる)

両眼の視能率に

よる損失率

各眼ごとに8方向(内、内上、上、上外、外、外下、下、下内)の視野の角度を測定し、その合算した数値から計算式で求める

参考:函館視力障害センター「視覚障害支援ハンドブック

現在のところ、色覚障がい(赤や緑など特定の色が見えにくい)や夜盲(暗いところで見えにくい)については、身体障害者手帳の交付対象になっていません。

視覚障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

視覚障がい者への配慮ポイント
・突然体に触ったり、手を引っ張ったりせず、「何かお困りですか?」「〇〇しましょうか?」と声を掛ける

・声だけで誰かを判断するのは難しいため、名乗ってから話し掛ける

・物の説明は、大きさや色をふまえる

・状況の説明は「あっち」や「こっち」ではなく、実際の方向などを具体的に伝える

等級や、視力障がいと視野障がいのどちらが重いかによって、必要となる配慮は変わってくるので、まずはゆっくりはっきりとコミュニケーションを取ってみましょう。

 

3.【聴覚または平衡機能の障がい】の等級は2〜6級

聴覚または平衡機能の障がいの等級は、以下のように聴覚障がいは2〜6級まで(5級はなし)、平衡機能障がいは3級と5級のみです。

【聴覚または平衡機能障がいの等級】
  聴覚障がい 平衡機能障がい
2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上(両耳全ろう) 該当なし
3級 1.両耳の聴力レベルが90デシベル以上

(耳介に接しなければ大声語を理解し得ない)

平衡機能の極めて著しい障がい
4級 1.両耳の聴力レベルが80デシベル以上

(耳介に接しなければ話声語を理解し得ない)

2.両耳による普通和声の最良の語音明瞭度が50%以下

該当なし
5級 該当なし 平衡機能の著しい障がい
6級 1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上

(40㎝以上の距離で発声された会話後を理解し得ない)

2.一側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上

該当なし

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

聴覚障がいの判定については、以下のポイントを守る必要があります。

・オージオメータ(JIS規格)による測定を主体とする

・補聴器を装着しない状態で行う

・検査は防音室で行うことを原則とする

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

〇〇デシベルと言われても、ピンと来ない方が多いと思うので、以下の音の事例から聞こえにくさをイメージしてみてください。

【デシベルと音の事例】
100デシベル ・電車が通るときのガード下

・太鼓の音

90デシベル ・怒鳴り声

・犬の吠える声

・騒々しい工場

・カラオケ音

80デシベル ・かなり大きな声

・走行中の電車内

・パチンコ店内

70デシベル ・大きな声

・騒々しい事務所内

・電話の呼び出し音

・セミの鳴き声

50デシベル ・エアコンの室外機

・静かな事務所内

これらの音が聞こえないと考えると、日常生活が極めて困難に感じることが想像できるでしょう。

平衡機能障がいの等級の詳細は、以下の通りです。

【平衡機能障がいの等級の詳細】
【3級】

平衡機能の極めて著しい障がい

四肢体幹に器質的異常がなく(見た目では異常を認めない)、症状やデータなど他覚的に平衡機能障がいを認め、眼を閉じて起立できない、または眼を開けて直線を歩行中10m以内に転倒、もしくはよろめいて歩行を中断せざるを得ない
【5級】

平衡機能の著しい障がい

眼を閉じて直線を歩行中10m以内に転倒、もしくはよろめいて歩行を中断せざるを得ない

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

なぜ歩行中に転倒したり、よろめいてしまったりするのかというと、以下の症状があるからです。

・末梢迷路性平衡失調

・後迷路性及び小脳性平衡失調

・外傷または薬物による平衡失調

・中枢性平衡失調

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

このような聴力または平衡機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

聴力または平衡機能障がい者への配慮ポイント
聴力障がい者 話し掛けるときはできるだけゆっくり、一言一言をはっきりと話すことを心がける
平衡機能障がい者 高所や人混みで転倒・転落する可能性があるので、そういった場所を避ける

等級によって障がいの程度は異なるため、相手に合わせて配慮することを心がけましょう。

 

4.【音声機能 、言語機能またはそしゃく機能の障がい】の等級は3〜4級

音声機能、言語機能、またはそしゃく機能の障がいの等級は、以下のように3級と4級のみとなっています。

【音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障がいの等級】
3級 音声機能、言語機能またはそしゃく機能の喪失
4級 音声機能、言語機能またはそしゃく機能の著しい障がい

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

等級は、歯科医師と都道府県知事の指定医師の2段階の診断で判定されますが、「喪失」と「著しい障がい」が、どのように違うのか少しわかりにくいかと思います。

音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障がいにおいて、等級をわける喪失と著しい障がいの違いは、以下の通りです。

【音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障がいの喪失と著しい障がいの違い】
喪失 【音声機能、言語機能】

・音声を全く発することができない

・発声しても、肉親とも会話の用をなさない

・手話や筆談等でしか意思疎通を図れない

【そしゃく機能】

・経口的に食物を摂取することができず、経管栄養以外に方法がない

著しい障がい

 

【音声機能、言語機能】

音声、言語のみで意思疎通が困難

・肉親との会話は可能であるが、他人には通じない

【そしゃく機能】

・経口摂取では栄養が不十分で経管栄養を併用している、摂取できる食物の内容に制限(ゼリー状のものしか食べられないなど)がある

・口唇・口蓋裂等の先天異常の後遺症による著しい咬合異常があり、歯科矯正治療等を必要とする

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

喪失は意思疎通がかなり困難な状態で、著しい障がいはさまざまな制限がある状態です。

音声機能、言語機能の障がいの等級の具体例は、以下の通りです。

【音声機能、言語機能の障がいの等級の具体例】
3級 ・無咽頭、咽頭部外傷、発声筋麻痺によるもの

・乳幼児期に発生した高度難聴に伴い、言語機能を獲得できなかった失語症によるもの

4級 ・咽頭の障がい、または形態異常によるもの

・唇顎口蓋裂など構音機能の障がい、または形態異常によるもの

・中枢性疾患によるもの

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

このように咽頭部の原因や、生まれつきの唇顎口蓋裂の影響などによって、音声機能や言語機能に障がいを抱えてしまう方がいるのです。

そしゃく機能の障がいの等級の具体例は、以下の通りです。

【そしゃく機能の障がいの等級の具体例】
3級 ・重症筋無力症等の神経・筋疾患によるもの

・仮性球麻痺、血管障がいなど延髄機能障がいや、末梢神経障がいによるもの

・外傷、主要切除等による顎(顎関節を含む)、口腔(舌、口唇、口蓋、頬、そしゃく筋等)、咽頭、喉頭の欠損等によるもの

4級 上記と同じ

参考:東京都「聴覚・平衡機能、音声・言語機能又はそしゃく機能障害等級表と診断のポイント

バケツに入った氷水を頭からかぶるか、寄付するかを選ぶ「アイスバケツチャレンジ」が有名なALS(筋萎縮性側索硬化症)も、重症筋無力症と同じ神経難病で、そしゃく機能が低下します。

このような音声機能、言語機能またはそしゃく機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

音声機能、言語機能またはそしゃく機能障がい者への配慮ポイント
音声機能、言語機能障がい者 話し掛けるときは、できるだけゆっくり、一言一言をはっきりと話し、その都度聞き返し対応をする
そしゃく機能障がい者 経管栄養摂取の時間やスペースが必要となるので、確保する

3級は機能を喪失しているため、より手厚いサポートが必要となります。できることからで構わないので、相手に合わせて配慮しましょう。

 

5.【肢体不自由】の等級は1〜7級

肢体不自由は以下の4種類にわかれていて、種類によって等級の数が異なりますが、最大1~7級までとなっています。

・上肢機能がい

・下肢機能障がい

1~7級まで
体幹機能障がい 1~5級まで
乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい 1~7級まで

順番にご紹介していきます。

 

5-1.上肢機能障がい

上肢機能障がいの等級は、以下のように1~7級まで(身体障害者手帳の交付は6級まで)あります。

※があるものについては、表の後ろに掲載しているイラストと合わせてご覧ください。

【上肢機能障がいの等級】
1級 1.両上肢の機能を全廃したもの

2.両上肢を手関節以上で欠くもの※1

2級 1.両上肢の機能の著しい障がい

2.両上肢のすべての指を欠くもの※2

3.一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの※3

4.一上肢の機能を全廃したもの

3級 1.両上肢の親指と人差し指を欠くもの※4

2.両上肢の親指と人差し指の機能を全廃したもの

3.一上肢の機能の著しい障がい

4.一上肢のすべての指を欠くもの※5

5.一上肢のすべての指の機能を全廃したもの

4級 1.両上肢の親指を欠くもの※6

2.両上肢の親指の機能を全廃したもの

3.一上肢の肩関節、肘関節または手関節のうち、いずれか一関節の機能を全廃したもの

4.一上肢の親指と人差し指を欠くもの※7

5.一上肢の親指と人差し指の機能を全廃したもの

6.親指または人差し指を含めて一上肢の三指を欠くもの※8

7.親指または人差し指を含めて一上肢の三指の機能を全廃したもの

8.親指または人差し指を含めて一上肢の四指の機能の著しい障がい

5級 1.両上肢の親指の機能の著しい機能障がい

2.一上肢の肩関節、肘関節または手関節のうち、いずれか一関節の機能の著しい障がい

3.一上肢の親指を欠くもの

4.一上肢の親指の機能を全廃したもの

5.一上肢の親指と人差し指の機能の著しい障がい

6.親指または人差し指を含めて一上肢の三指の機能の著しい障がい

6級 1.一上肢の親指の機能の著しい障がい

2.人差し指を含めて一上肢の二指を欠くもの

3.人差し指を含めて一上肢の二指の機能を全廃したもの

7級 1.一上肢の機能の軽度の障がい

2.一上肢の肩関節、肘関節または手関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障がい

3.一上肢の手指の機能の軽度の障がい

4.一上肢の親指人差し指を含めて一上肢の二指の機能の著しい障がい

5.一上肢の中指と薬指と小指を欠くもの

6.一上肢の中指と薬指と小指の機能を全廃したもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

※1 両上肢を手関節以上で欠くもの(1級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※2 両上肢のすべての指を欠くもの(2級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※3 一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの(2級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※4 両上肢の親指と人差し指を欠くもの(3級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※5 一上肢のすべての指を欠くもの(3級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※6 両上肢の親指を欠くもの(4級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※7 一上肢の親指と人差し指を欠くもの(4級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※8 親指または人差し指を含めて一上肢の三指を欠くもの(4級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

手指については、機能障がいがある指の数が増えるにつれて等級は重くなりますが、親指の機能が最重要視され、続いて人差し指の機能が重要視されます。

見た目でわかる手指や腕の欠損については理解できても、「機能の全廃」や「著しい障がい」とはどのような状態なのかイメージするのは、難しいですよね。

上肢の部位別に見た等級ごとの機能障がいについては、以下の通りです。

【上肢の部位別に見た等級ごとの機能障がい】
一上肢の

機能障がい

・全廃(2級):肩関節、肘関節、手関節、手指のすべての機能をなくした状態

・著しい障がい(3級):握る、摘むといった手や指先の機能、物を持ち上げる、運ぶといった腕の機能が低下し、5kg以内のものしか下げられない、もしくは一上肢の肩関節、肘関節または手関節のうちいずれか二関節の機能をなくした状態

・軽度の障がい(7級):精密な運動ができない、10kg以内のものしか下げられない

肩関節の

機能障がい

・全廃(4級):関節可動域が30度以下、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):関節可動域が60度以下、または徒手筋力テストで3以下

・軽度の障がい(7級):関節可動域が90度以下、または徒手筋力テストで4に相当

肘関節の

機能障がい

・全廃(4級):関節可動域が10度以下、高度の動揺関節(関節がグラグラして安定しなかったり、通常では曲がらない方向に曲がる)、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):関節可動域が30度以下、中等度の動揺関節、徒手筋力テストで3に相当、または前腕の回内及び回外運動が可動域10度以下

・軽度の障がい(7級):関節可動域が90度以下、軽度の動揺関節、または徒手筋力テストで4に相当

手関節の

機能障がい

・全廃(4級):関節可動域が10度以下、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):関節可動域が30度以下、または徒手筋力テストで3に相当

・軽度の障がい(7級):関節可動域が90度以下、または徒手筋力テストで4に相当

手指の

機能障がい

(五指全体)

・全廃(3級):掴む、握るなどの指の動作がまったくできない、または手の握力が0kg

・著しい障がい(4級):5kg以内のものしか下げられない、または手の握力が5kg以内

・軽度の障がい(7級):精密な運動ができない、10kg以内のものしか下げられない、手の握力が15kg以内

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由

全廃とは、機能をなくしていたり、可動域が非常に狭かったりする状態です。

このように上肢機能障がいの等級は、手を使った繊細な動作ができるかどうかにダイレクトに影響するため、関節ごとに複雑に基準が決められています。

このような上肢機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

上肢機能障がい者への配慮ポイント
・つり革を持つ、手すりを掴むなど、体を支えるのが難しい場合があるため、ラッシュ時の通勤は避けるように配慮する

・重いものを持つことができない場合、サポートする

・素早くメモを取るのが難しい場合、代筆したり、ボイスレコーダーの活用を勧める

・パソコンの入力支援ソフトや支援機器の導入を検討する

等級によって、できることとできないことが違います。その人の障がいの程度に合わせて配慮しましょう。

 

5-2.下肢機能障がい

下肢機能障がいの等級は、以下のように1~7級まで(身体障害者手帳の交付は6級まで)あります。

※があるものについては、表の後半に掲載しているイラストと合わせてご覧ください。

【下肢機能障がいの等級】
1級 1.両下肢の機能を全廃したもの

2.両下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの※1

2級 1.両下肢の機能の著しい障がい

2.両下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの※2

3級 1.両下肢をショパー関節以上で欠くもの※3

2.一下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの※4

3.一下肢の機能を全廃したもの

4級 1.両下肢のすべての指を欠くもの

2.両下肢のすべての指の機能を全廃したもの

3.一下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの※4

4.一下肢の機能の著しい障がい

5.一下肢の股関節または膝関節の機能を全廃したもの

6.一下肢が健側に比して10㎝以上または健側の長さの10分の1以上短いもの

5級 1.一下肢の股関節または膝関節の機能の著しい障がい

2.一下肢の足関節の機能を全廃したもの

3.一下肢が健側に比して5㎝以上または健側の長さの15分の1以上短いもの

6級 1.一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの※5

2.一下肢の足関節の機能の著しい障がい

7級 1.両下肢のすべての指の機能の著しい障がい

2.一下肢の機能の軽度の障がい

3.一下肢の股関節、膝関節または足関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障がい

4.一下肢のすべての指を欠くもの

5.一下肢のすべての指の機能を全廃したもの

6.一下肢が健側に比して3㎝以上または健側の長さの20分の1以上短いもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

※1 両下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの(1級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※2 両下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの(2級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※3 両下肢をショパー関節以上で欠くもの(3級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※4 一下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの(3級)、一下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの(4級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

※5 一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの(6級)

出典:長野県ホームページ「身体障害者障害程度等級(肢体不自由)上肢・下肢(機能全廃、欠損等の産構図)

上肢機能障がいと同様に、「全廃」や「著しい障がい」というのはどのような状態なのかわかりにくいですよね。

下肢の部位別に見た等級ごとの機能障がいについては、以下の通りです。

【下肢の部位別に見た等級ごとの機能障がい】
両下肢の

機能障がい

・全廃(1級):下肢全体の指示性と運動性を失い、立っていることも歩くことも不可能な状態

・著しい障がい(2級):1人で歩くのは不可能だが、室内での補助的歩行(補装具なし)が可能な状態

一下肢の

機能障がい

・全廃(3級):下肢全体の筋力低下のため、患肢で立っていられない、または大腿骨か脛骨の骨幹部偽関節のため患肢で立っていられない

・著しい障がい(4級):1km以上の歩行ができない、30分以上立っていられないなどの状態

・軽度の障がい(7級):2km以上の歩行ができない、1時間以上立っていられないなどの状態

股関節の

機能障がい

・全廃(4級):各方向の可動域が10度以下、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):可動域が30度以下、または徒手筋力テストで3に相当

・軽度の障がい(7級):可動域が90度以下、または徒手筋力テストで4に相当

膝関節の

機能障がい

・全廃(4級):関節可動域が10度以下、高度の動揺関節(関節がグラグラして安定しなかったり、通常では曲がらない方向に曲がる)、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):関節可動域が30度以下、中等度の動揺関節、徒手筋力テストで3に相当、または前腕の回内及び回外運動が可動域10度以下

・軽度の障がい(7級):関節可動域が90度以下、軽度の動揺関節、または徒手筋力テストで4に相当

足関節の

機能障がい

・全廃(5級):関節可動域が5度以下、高度の動揺関節、または徒手筋力テストで2以下

・著しい障がい(5級):関節可動域が10度以下、中等度の動揺関節、または徒手筋力テストで3に相当

・軽度の障がい(7級):関節可動域が30度以下、軽度の動揺関節、または徒手筋力テストで4に相当

足指の

機能障がい

・全廃(7級、両側の場合は4級):下駄や草履をはくことのできない状態

・著しい障がい(両側の場合で7級):特別の工夫をしなければ下駄や草履をはくことのできない状態

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由

全廃とは、機能をなくしていたり、可動域が非常に狭かったりする状態です。

車椅子の他に、義足や歩行補助杖、歩行器などの補装具を利用して、機能を補完している方もいます。

このような下肢機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

下肢機能障がい者への配慮ポイント
・通勤ラッシュを避けるため、時差出勤や時短勤務、在宅勤務、車通勤を認める

・通路幅の確保や段差の解消など、バリアフリー化する

・重量物の運搬や、立作業、頻繁な移動、かがむ作業、階段昇降が必要な作業を避ける

・適度に休憩を設けて、下肢が固まらないように歩き回ることを許可する

等級によって、残された下肢の長さや使える機能が異なります。その人の障がいの程度に合わせて配慮しましょう。

 

5-3.体幹機能障がい

体幹機能障がいの等級は、以下のように1〜5級まで(4級はなし)となっています。

【体幹機能障がいの等級】
1級 体幹の機能障がいにより座っていることができないもの
2級 1.体幹の機能障がいにより座位または起立位を保つことが困難なもの

2.体幹の機能障がいにより立ち上がることが困難なもの

3級 体幹の機能障がいにより歩行が困難なもの
4級 該当なし
5級 体幹の機能の著しい障がい

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

体幹とは、頸部、胸部、腹部、腰部のことで、それらが動かせるかということ以外に、立ったまま、座ったままというように、体位を保持できるかも重要です。

先程の等級の内容を具体的に説明すると、以下のようになります。

座っていることができない(1級) 腰掛ける、正座、横座り、あぐらのどれもできない
座位または起立位を保つことができない(2級) 10分間以上にわたって座ったまま、もしくは立ったままでいることができない
立ち上がることが困難(2級) 寝ている姿勢、もしくは座った姿勢から自力で立つことができず、他人の手や杖などの器具の介護によって初めて立てる
歩行が困難(3級) 100m以上の歩行ができない、もしくは片脚で立ったままいられない
著しい障がい(5級) 2km以上の歩行ができない

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由

四肢体幹の麻痺や、運動失調、変形などによって、これらの体幹機能障がいは起こり、車椅子の他に、複数点で支える歩行補助杖(T字杖)を使用している方もいます。

体幹機能障がい者への配慮ポイントは以下の通りです。

体幹機能障がい者への配慮ポイント
・通勤ラッシュを避けるため、時差出勤や時短勤務、在宅勤務、車通勤を認める

・通路幅の確保や段差の解消など、トイレも含めてバリアフリー化する

・重量物の運搬や、立作業、頻繁な移動、かがむ作業、階段昇降が必要な作業を避ける

等級によって、歩行や体位を変えるときの安定性が異なるので、安全面に配慮しましょう。

 

5-4.乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がいとは、具体的には脳性麻痺のことです。

等級は、以下のように1〜7級まで(身体障害者手帳の交付は6級まで)となっています。

【乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がいの等級】
  上肢機能障がい 移動機能障がい
1級 不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作がほとんど不可能なもの 不随意運動・失調等により歩行が不可能なもの
2級 不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作が極度に制限されるもの 不随意運動・失調等により歩行が極度に制限されるもの
3級 不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作が著しく制限されるもの 不随意運動・失調等により歩行が家庭内での日常生活活動に制限されるもの
4級 不随意運動・失調等により上肢の機能障がいにより社会での日常生活活動が著しく制限されるもの 不随意運動・失調等により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの
5級 不随意運動・失調等により上肢の機能障がいにより社会での日常生活活動に支障のあるもの 不随意運動・失調等により社会での日常生活活動に支障があるもの
6級 不随意運動・失調等により上肢の機能の劣るもの 不随意運動・失調等により移動機能の劣るもの
7級 上肢に不随意運動・失調等を有するもの 下肢の不随意運動・失調等を有するもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

「上肢機能障がい」と「移動機能障がい」の2種類にわかれていて、わかりにくいですよね。

まず、脳性麻痺での上肢機能障がいとは、5分間にとじひも(長さ約43cm)を何本結べるかを検査するひも結びテストの結果によって判定されます。

両上肢に機能障がいが見られる場合、以下のようにテスト結果に応じて等級が決められます。

【脳性麻痺の上肢機能障がいの等級とひも結びテスト結果】
等級 ひも結びのできた数
1級 19本以下
2級 33本以下
3級 47本以下
4級 56本以下
5級 65本以下
6級 75本以下
7級 76本以上であるが、上肢に不随意運動や失調がある

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由

次に、移動機能障がいとは、以下のように下肢や体幹機能を使って何ができるか、できないのかという評価によって判定されます。

【脳性麻痺の移動機能障がいの等級と評価結果】
1級 つたい歩きができない
2級 つたい歩きのみできる
3級 支持なしで立ったままでいられて、その後10m歩行できるが、椅子から立ち上がったり、椅子に座ったりする動作ができない
4級 椅子から立ち上がって10m歩行し、再び椅子に座る動作に15秒以上かかる
5級 椅子から立ち上がって10m歩行し、再び椅子に座る動作が15秒未満でできるが、50㎝幅の範囲を直線歩行できない
6級 50㎝幅の範囲を直線歩行できるが、足を開き、しゃがみこんで、再び立ち上がる動作ができない
7級 6級以上に該当しないが、下肢に不随意運動や失調がある

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(3)肢体不自由

脳性麻痺による運動機能障がいは、筋肉の緊張が強かったり、バランスが悪くてスムーズな動きができなかったりします。

このような乳幼児期以前の、非進行性の脳病変による運動機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい者への配慮ポイント
・通勤ラッシュを避けるため、時差出勤や時短勤務、在宅勤務、車通勤を認める

・通路幅の確保や段差の解消など、トイレも含めてバリアフリー化する

・重量物の運搬や、立作業、頻繁な移動、かがむ作業、階段昇降が必要な作業を避ける

・リハビリなどの通院を認める

等級とともに、その人ができることとできないことに寄り添って、配慮しましょう。

 

6.【内部障がい】の等級は1~4級

内部障がいは以下の7種類にわかれていて、それぞれ1~4級までとなっています。

・心臓機能障がい

・じん臓機能障がい

・呼吸器機能障がい

・ぼうこうまたは直腸の機能障がい

・小腸機能障がい

・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい

・肝臓機能障がい

順番にご紹介していきます。

 

6-1.心臓機能障がい

心臓機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。

【心臓機能障がいの等級】
1級 心臓機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級 該当なし
3級 心臓機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 心臓機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

等級は、18歳未満か18歳以上か、年齢によって判定方法が変わります。

18歳以上の場合、医学的所見に加えて、以下のように日常生活での症状によって等級は判定されます。

1級 ・2つ以上の医学的所見があり、安静時や日常生活でも、心不全症状、狭心症症状などが起きる
3級 ・医学的所見に加えて、家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動では心不全症状、狭心症症状や頻脈発作を起こし、繰り返し救急医療を必要とする
4級 ・医学的所見と臨床所見で部分的浮腫があり、家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動では心不全症状、狭心症症状や頻脈発作を起こす

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(4)心臓機能障害

人工弁ペースメーカーや、体内植え込み型除細動器を植え込んでいる方もいるので、以下の配慮ポイントを気を付けましょう。

心臓障がい者への配慮ポイント
・ペースメーカーの人の場合、電磁波の影響で誤作動を起こす可能性があるので、発電・変電施設や高周波溶着器には近寄らせない

・重いものの運搬作業は避ける

・立ち仕事や立ち歩きの多い仕事など、運動負荷が大きい業務は避ける

・息苦しさを感じることがあるので、こまめな休憩を設ける

ポンプ機能がうまく働かず、動機や息切れ、胸痛などを感じている場合があるので、医師に指示されている活動制限内容を必ず聞いて、配慮するようにしましょう。

 

6-2.じん臓機能障がい

じん臓機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。

【じん臓機能障がいの等級】
1級 じん臓機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級 該当なし
3級 じん臓機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 じん臓機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

1級の「日常生活活動が極度に制限される」とは、以下のいずれかに該当するものです。

・じん臓機能検査で内因性クレアチニンクリアランス値が10ml/分未満、または結成クレアチニン濃度が8.0㎎/dl以上で、かつ日常生活活動が著しく制限されるか、極めて近い将来に血液浄化を目的とした治療が必要になる

・血液浄化を目的とした治療をすでに行っている

・じん移植後、抗免疫療法を必要とする期間中である

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(5)じん臓機能障害

血液浄化を目的とした治療とは、透析治療のことで、一回あたり5時間程度の治療が週に3回も必要になります。

じん臓機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

じん臓機能障がい者への配慮ポイント
・透析治療を受けている場合、治療のための早退や、時間内通院、透析日の残業免除、フレックスタイム制などを認める

・高温環境では発汗による脱水が腎機能に悪影響を及ぼしたり、寒冷環境では腎不全の進行要因となるため、適切な温度を保つ

・重労働や夜勤勤務を制限する

通院しやすい職場環境を作ることが、非常に大切です。

 

6-3.呼吸器機能障がい

呼吸器機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。

【呼吸器機能障がいの等級】
1級 呼吸器機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級 該当なし
3級 呼吸器機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 呼吸器機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

呼吸器機能障がいの等級は、指数(予測肺活量1秒率)と、動脈血ガス、医師の臨床所見の3つで判定されます。

先程の等級について具体的に説明すると、以下のようになります。

1級 ・呼吸困難が強くて、歩行がほとんどできない

・呼吸障がいのため、指数の測定ができない

・指数が20以下、または動脈血O2分圧が50Torr以下

3級 ・指数が20~30、動脈血O2分圧が50Torr~60Torr
4級 ・指数が30~40、動脈血O2分圧が60Torr~70Torr

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(6)呼吸器機能障害

1級では酸素療法か、人工呼吸器を装着する必要があるため、音声でのコミュニケーションが不便になることも少なくありません。

3級・4級であれば、健康管理を適切にすれば、軽作業やデスクワーク、接客などの仕事も可能です。

呼吸器機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

呼吸器機能障がい者への配慮ポイント
・冷気、乾燥を避けるため、エアコンの風が直接当たらない座席にする

・刺激ガスを避けるため、禁煙・分煙を徹底する

・重量物の運搬や、肉体労働、階段昇降を避ける

呼吸器に負荷がかからないように、職場環境を整えることから始めましょう。

 

6-4.ぼうこうまたは直腸の機能障がい

ぼうこうまたは直腸の機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。

【ぼうこうまたは直腸の機能障がいの等級】
1級 ぼうこうまたは直腸の機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級 該当なし
3級 ぼうこうまたは直腸の機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 ぼうこうまたは直腸の機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

1級の「日常生活活動が極度に制限される」とは、以下のいずれかに該当するものです。

・腸管のストマに尿路変更のストマを併せ持ち、いずれかのストマにおいて排便・排尿機能障がいがある

・腸管のストマを持ち、ストマにおける排便処理が著しく困難な状態で、高度の排尿機能障がいがある

・尿路変更ストマに治癒困難な腸瘻を併せ持ち、ストマでの排尿処理が著しく困難な状態、もしくは腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態

・尿路変更ストマを持ち、ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態で、高度の排便機能障がいがある

・治癒困難な腸瘻があり、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な除隊で、高度の排尿機能障がいがある

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(7)ぼうこう又は直腸機能障害

ストマとは、手術で尿管や腸の一部を体外に引き出し、そこから排泄できるようにした人工ぼうこうや人工肛門のことです。

ストマを通してうまく排尿・排便ができない状態になると、1級に相当します。

ぼうこうまたは直腸機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

ぼうこうまたは直腸機能障がい者への配慮ポイント
・定期通院できるように、配慮する

・ストマ装具の交換には10分以上かかるため、休憩時間を長めに設定する

・トイレに行く回数が多いことがあることを理解する

においを感じることはほとんどないので、偏見を持たずに接するようにしましょう。

 

6-5.小腸機能障がい

小腸機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。

【小腸機能障がいの等級】
1級 小腸機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
2級 該当なし
3級 小腸機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 小腸機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

1級の「日常生活活動が極度に制限される」とは、栄養維持が困難で、推定エネルギー必要量の60%以上を、心臓近くの太い血管に高濃度の栄養剤を投与しなければならない状態です。

具体的には、以下のいずれかに該当します。

・疾患等で小腸が切除され、残存空・回腸が手術時、75cm未満になったもの

・小腸疾患により、永続的に小腸機能の大部分を喪失している

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(8)小腸機能障害

3級や4級の場合であっても、ゼリー状のものしか食べられないなど食事制限が必要になります。

小腸機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

小腸機能障がい者への配慮ポイント
・定期通院できるように配慮する

・過度な肉体労働を避ける

・トイレに行きやすいように配慮する

・食事やお菓子、アルコールなどを強要しない

食事制限があることを理解し、食事会や飲み会についても参加を強要しないようにしましょう。

 

6-6.ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいの等級は、以下のように1〜4級までとなっています。

【ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいの等級】
1級 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動がほとんど不可能なもの
2級 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動が極度に制限されるもの
3級 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動が著しく制限されるもの

(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く)

4級 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

等級は、13歳未満か13歳以上か、年齢によって判定方法が変わります。

13歳以上の場合、1級の「日常生活活動がほとんど不可能」とは、以下のいずれかに該当するものです。

1.CD4陽性Tリンパ球数が200/μl 以下で、a~lのうち6項目以上が認められる

a 白血球数について 3,000/μl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

B HB量について男性12g/dl未満、女性11g/dl未満の状態が4週以上の 間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

c 血小板数について10万/μl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

d ヒト免疫不全ウイルス-RNA量について5,000コピー/ml以上の状態が4週以上の間隔をおいた検査で連続して2回以上続く

e 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感と易疲労が月に7日以上ある

f 健常時と比べて10%以上の体重減少がある

g 月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2か月以上続く

h 1日に3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある

i 1日に2回以上の嘔吐、あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある

j 口腔内カンジダ症(頻回に繰り返すもの)、赤痢アメーバ症、帯状疱疹、 単純ヘルペスウイルス感染症(頻回に繰り返すもの)、糞線虫症及び伝染性 軟属腫等の日和見感染症の既往がある

k 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である

l 軽作業を越える作業の回避が必要である

2.回復不能なエイズ合併症のため、介助なくしては日常生活がほとんど不可能な状態のもの

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(9)ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

このように、発熱、下痢、体重減少、全身倦怠感などの症状が現れ、免疫機能の低下によって、さまざまな感染症にかかりやすくなります。

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい者への配慮ポイント
・こまめに休憩を取れるように、配慮する

・症状に応じて、残業制限やフレックスタイム制を利用できるようにする

・感染症予防のため、適切な室温設定や換気など、職場の衛生環境に気を付ける

・在宅勤務ができるようにする

見た目ではわかりにくいですが、さまざまな症状を抱えている場合があるので、配慮を忘れないようにしましょう。

 

6-7.肝臓機能障がい

肝臓機能障がいの等級は、以下のように1〜4級までとなっています。

【肝臓機能障がいの等級】
1級 肝臓機能障がいにより、日常生活活動がほとんど不可能なもの
2級 肝臓機能障がいにより、日常生活活動が極度に制限されるもの
3級 肝臓機能障がいにより、日常生活活動が著しく制限されるもの

(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く)

4級 肝臓機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

1級の「日常生活活動がほとんど不可能」とは、以下のいずれかに該当するものです。

1.Child-Pugh 分類の合計点数が7点以上で、肝性脳症、腹水、 血清アルブミン値、プロトロンビン時間、血清総ビリルビン値の項目のうち肝性脳症、または腹水の項目を含む3項目以上が2点以上の状態が90日以上の間隔 をおいた検査で連続して2回以上続くもの

2.a〜jのうち、5項目以上が認められるもの

a 血清総ビリルビン値が5.0 mg/dl以上

B 血中アンモニア濃度が 150 μg/dl以上

c 血小板数が 50,000/mm3以下

d 原発性肝がん治療の既往

e 特発性細菌性腹膜炎治療の既往

f 胃食道静脈瘤治療の既往

g 現在のB型肝炎、またはC型肝炎ウイルスの持続的感染

h 1日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感と易疲労感が月7日以上ある

i 1日に2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある

j 有痛性筋けいれんが1日に1回以上ある

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「障害種類ごとの基準(10)肝臓機能障害

なお、肝臓移植をした人は、抗免疫療法を必要とする期間中は、1級に該当します。

肝臓機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。

肝臓機能障がい者への配慮ポイント
・定期通院を認める

・疲れやすい症状がある場合、こまめに休憩を取ったり、業務量を見直したりする

・食生活の乱れや飲酒を避けるため、接待の多い部署を避ける

「沈黙の臓器」といわれる肝臓が機能障がいを起こすまでになっているということは、かなりのダメージがある状態なので、しっかりと配慮しましょう。

 

7.身体障害者手帳の等級は通常固定、ただし例外的に変更できる場合がある

身体障害者手帳には、原則として有効期限がなく、更新の必要もありません。(療育手帳は一定期間後、精神障害者保険福祉手帳は2年ごとに更新が必要です)

そのため、一度交付されたら、基本的にはずっと同じ等級です。

脳性麻痺や四肢欠損などの身体障がいは、月日が経ってもその程度が変わることは考えにくいためです。

しかし、以下の2つの場合については、等級が変更される可能性があるので、ご紹介します。

・手帳に有効期限が記載されている場合

・障がいが重くなり現在の等級で得られる支援では不足する場合

 

7-1.手帳に有効期限が記載されている場合

手帳に有効期限が記載されている場合、再認定を受ける必要があり、身体障害者手帳の等級に該当する障がいが引き続き認められると、手帳が更新されます。

等級に該当しないレベルまで症状が改善している場合は、手帳を返納しなくてはなりません。

なぜなら、近年のペースメーカー植え込みや臓器移植といった医療や、機能回復訓練技術のめざましい進歩によって、障がいの程度が変化する事例が増加してきているからです。

障がいの状態が軽減する可能性がある場合は、手帳に1~5年程度の有効期限が記載されていて、有効期限の1か月前までに通知が届くので、必ず再認定を受けましょう。

 

7-2.障がいが重くなり現在の等級で得られる支援では不足する場合

以前、身体障害者手帳を取得したときよりも障がいが重くなり、現在の等級で得られる支援では不足する場合も、再認定の申請が可能です。

自覚症状では障がいが重くなっていると感じていても、医師にそう診断されなければ、等級はそのまま、あるいは、反対に下がったり、手帳を返納したりしなくてはならない可能性があります。

まずは、お住まいの自治体の障がい福祉課などの窓口に問い合わせてみましょう。

 

8.【障がい者の方向け】身体障害者手帳の等級についてよくある質問

ここまで身体障害者手帳の等級について理解が深まったと同時に、疑問も生じたことと思います。

身体障がい者の方からよくお聞きする、等級についての以下の2つの質問に回答するので、ぜひ参考にしてみてください。

・等級の変更はどこでおこなえばいいの?

・等級によって受けられるサービスは変わるの?

 

8-1.等級の変更はどこでおこなえばいいの?

既に身体障害者手帳をお持ちの方で、等級の変更を希望している方は、お住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口に行きましょう。

事前に確認が必要ですが、多くの場合、以下の5点を準備しておくと安心です。

・指定医師による診断書、意見書

・顔写真

・身体障害者手帳

・印鑑

・身分証明書、もしくはマイナンバーカード

本人による申請が難しい場合は、家族や医療機関の職員による代理申請が可能な場合もあるので、窓口で相談してみてください。

注意したいのは、等級が上がると思って申請しても、医師の診断によっては、等級がそのままになったり、反対に下がる、もしくは手帳を返納することになる可能性があることです。

まずは、自治体の障がい福祉課などの窓口でご相談ください。

 

8-2.等級によって受けられるサービスは変わるの?

等級によって、受けられるサービスは変わります。

身体障害者手帳を所持する人が受けられる支援サービスのうち、以下の3つは、等級が上がると手厚いサービスが受けられるようになります。

【等級が上がると手厚くなる支援サービス】
就職のチャンスに

関するもの

1級・2級の重度身体障がい者は、障がい者雇用率の算定方法が異なり、企業は実際よりも多くカウントできるため、一般企業への就職のチャンスが広がる
医療費の助成に

関するもの

1級・2級の人と、3級で療育手帳Bとの重複障がいがある人は重度障害者・高齢重度障害者医療費の助成が利用できる
税金控除に

関するもの

1級・2級の特別障がい者は、所得税と住民税の控除額が増える

自治体によって受けられる支援サービスや、等級に応じた内容の差は異なるので、詳細については、お住まいの自治体HPや障害福祉課などの窓口で確認しましょう。

就労機会に恵まれない身体障がい者の方には

JSHの障がい者雇用サービスがおすすめ

身体障害者手帳では障がいの程度に応じて等級が決められていて、等級が重いほど受けられる支援サービスは手厚くなります。

支援サービスがあるといっても、地方では企業数も少ないため、就労機会に恵まれない障がい者の方は多いのではないでしょうか。

そこで、おすすめしたいのが株式会社JSHの障がい者雇用支援サービスです。

JSHでは、障がい者の方が一般企業に直接雇用されるように募集・採用を一貫してサポートし、障がい者の方には屋内農園で働いていただいています。

つまり、地方在住の障がい者の方が、障がい特性や程度に合わせた業務内容で、各界のリーディングカンパニーに就職できる可能性があるのです。

合理的配慮に基づいた快適に働ける環境を企業と連携してご用意しているので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

 

 

9.【企業の方向け】身体障害者手帳の等級についてよくある質問

企業の方は、実際に身体障がい者の雇用を進める上で知りたいことが出てきたことと思います。

企業の方からよくお聞きする、等級についての以下の2つの質問に回答するので、ぜひ参考にしてみてください。

・2つ以上の障がいが重複する場合は等級はどう算定するの?

・等級によって障がい者雇用率の算定方法は変わるの?

 

9-1.2つ以上の障がいが重複する場合は等級はどう算定するの?

2つ以上の障がいが重複する場合、等級は重複する障がいの合計指数に応じて認定されます。

等級ごとの指数と合計指数は、以下の通りです。

【等級ごとの指数と合計指数】
等級 指数 合計指数
1級 18 18以上
2級 11 11~17
3級 7 7~10
4級 4 4~6
5級 2 2~3
6級 1 1
7級 0.5

参考:東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「東京都身体障害認定基準

例えば、7級障がいが2つある場合、0.5+0.5=1となるため、ひとつ上の6級だと認定され、身体障害者手帳が交付されます。

 

9-2.等級によって障がい者雇用率の算定方法は変わるの?

等級によって、障がい者雇用率の算定方法は変わります。

労働時間と障がいの重さによってカウント方法は変わりますが、以下のように身体障害者手帳1級・2級に該当する重度身体障がい者については、通常の倍のカウントが可能です。

【身体障がい者の障がい者雇用率の算定方法】
週所定労働時間 30時間以上 20時間以上30時間未満
身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者(身体障害者手帳1級・2級) 2 1

参考:厚生労働省「障害者雇用率制度について

なお、民間企業の障害者法定雇用率は2.5%ですが、カウントできるのは、常用雇用している障がい者に限ります。

等級が重いと必要となる配慮も変わりますが、障がい者雇用率の算定は倍になるので、重度身体障がい者の雇用も検討してみましょう。

障がい者雇用が計画通り進んでいない企業には

JSHの障がい者雇用サービスがおすすめ

障がいの程度に応じて身体障害者手帳の等級は決められているので、企業の方は障がい者雇用を進める際には、手帳の等級を参考にできます。

ただ人事担当の方がいくら障がい者雇用を進めようとしても、「従業員(社内)の理解が得られない」「何かとトラブルが多くて、すぐに辞めてしまう」というような課題をお持ちの企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、おすすめしたいのが株式会社JSHの障がい者雇用支援サービスです。

企業は地方の就労機会に恵まれない障がい者の方を直接雇用し、JSHが障がい者の募集・採用から定着支援までをサポートうけながら障がい者雇用を実現いただけます。

障がい者の方はJSHの運営するコルディアーレ農園で就労いただきます。つまり、障がい者雇用に関する課題解決に向けたサポートを受けることが出来ます。

1日でも長く、安心安全に働ける環境をご提供しておりますので、長期間にわたる雇用をご期待いただけますのでぜひお問い合わせください。

 

10.まとめ
身体障害者手帳の等級について、詳しくご説明させていただきました。改めて、ポイントをおさらいしていきましょう。

身体障害者手帳の等級とは、障がいの程度を示したもので、障がいの程度に応じて均等にサポートするために制定されました。

等級が重い方が、受けられる支援サービスは手厚くなっています。

障がいの種類は5つに分類でき、それぞれ等級が定められています。

視覚障がい 1~6級
聴覚または平衡機能の障がい 聴覚機能障がい 2~6級

(5級はなし)

平衡機能障がい 3級・5級
音声機能、言語機能、

またはそしゃく機能の障がい

3~4級
肢体不自由 上肢機能障がい 1~7級
下肢機能障がい
体幹機能障がい 1~5級

(4級はなし)

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による

運動機能障がい

1~7級
内部障がい 心臓機能障がい 1~4級

(2級はなし)

じん臓機能障がい
呼吸器機能障がい
ぼうこうまたは直腸の機能障がい
小腸機能障がい
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい 1~4級
肝臓機能障がい

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表

就労機会に恵まれない身体障がい者の方や、障がい者雇用が進んでいない企業の方は、株式会社JSHの障がい者雇用支援サービスをぜひご検討いただければと思います。

この記事を元に、身体障害者手帳の等級への理解が深まることを願っております。

この記事を書いた人

株式会社JSH|矢野 翔太郎

株式会社JSHにて障がい者雇用支援サービス「コルディアーレ農園」のスキーム開発から営業までを担当。
企業側の障がい者雇用の課題解決だけではなく、農園開設や運営にも携わることで、障がい者雇用のリアルな現場にも正対。
障がい者雇用における関連法案や海外の雇用事情についての知見もあり、セミナー等を通じて障がい者雇用に関する様々な情報発信もおこなっています。

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