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障がい者雇用の現場ストレスはどうする?対処法・向き合い方を解説

障がい者雇用をスタートさせたものの、現場でストレスが蓄積されており受入部署の理解に困っているという企業は少なくないかもしれません。

障がい者雇用によるストレスが現場で蓄積されてしまっている場合には、
(1)その場で対応できること(すぐできること)
(2)長期的に社内でできること

の両面からのアプローチが必要になります。

具体的には、まずは「今すぐできるステップ」として、以下のようなストレス解消の流れを行いましょう。

上記のステップで現場のストレスが無くなればとても良いことですが、引き続きストレスが発生しにくい職場を目指すためには、以下のような長期的なアプローチも重要です。

この記事では、現場のストレスにお悩みの企業に向けて、今すぐできるステップと中長期的に重要なポイント、そして、障がいの種類別のストレスが発生しにくくなるポイントも詳しく解説していきます。

また、障がい者雇用で現場が抱えるストレスを改善した事例についても2つ紹介します。

障がい者雇用におけるストレスにお悩みの企業は、ぜひこの記事を参考に具体的に対処を行ってみてください。現場のストレスを軽減できることを祈っております。

【目次】
1. 【今すぐできるステップ】障がい者雇用でのストレス解消ステップ
2. 【中長期】障がい者雇用でのストレスをなくすための5つのポイント
3. 【障がいの種類別】ストレスを貯めないために理解しておくべき特性
4. 障がい者雇用で現場が抱えるストレスを改善した事例
5. 障がい者雇用での現場のストレスについて相談できる窓口3つ
6. まとめ


1. 【今すぐできるステップ】障がい者雇用でのストレス解消ステップ

冒頭でも解説した通り、障がい者雇用によるストレスが現場で蓄積されてしまっている場合には、「(1)すぐできること」と「(2)長期スパンでできること」の両面からのアプローチが必要です。

まずは、ストレスを抱えている従業員に対して「すぐできること」について解説していきます。

ステップを1つずつ解説していきます。

 

1-1. 当事者からヒアリングをしてストレスの原因を突き止める

障がい者雇用でストレスを感じる従業員がいる場合、まずはその原因を突き止めることが大切です。原因が分からなければ対処方法も分からないからです。

原因を突き止めるために、まずはストレスを抱えている当事者からしっかりとヒアリングを行うことが大切です。

障がい者と一緒に働く従業員のストレス例

・サポートしなければならないことが多く、自分の仕事がなかなか進まない

・たびたび遅刻をしてくるなどの勤務態度の乱れが気になってイライラする

・配慮されて当たり前という態度が気になる

・注意や指示をしても改善されず、ストレスが蓄積されてしまう

・強く言うと落ち込んでしまうので、腫れ物を扱うようにしかできない

ストレスと言ってもさまざまなので、まずは「どの部分がストレスになっているのか」をしっかりと当事者からヒアリングしましょう。

ヒアリングの際には傾聴を心がけ、不満・不安の感情を受け止めるようにしましょう。話を聞いて受け入れてもらえるだけでもストレスが軽減される可能性があります。

 

1-2. ストレスの原因を分類して対策方法を検討する

当事者から詳しくヒアリングしたら、それをもとに「どの部分がストレスになっているのか」を分類して対策方法を検討していきましょう。

【ストレスの原因と対策の例】
ストレスになっている原因 対策例
サポートしなければならないことが多く、自分の仕事がなかなか進まない ・仕組みで改善できることがないか検討してみる(例えばスロープの設置など)

・障がい者への配慮が必要な理由をしっかり説明する

遅刻などの勤務態度の乱れが気になる ・勤務態度の乱れが障がいの特性である場合は、その点について従業員にしっかりと説明をする
配慮されて当たり前という態度が気になる ・障がい者への配慮が必要な理由をしっかり説明する

・障がいのある従業員に対して、合理的配慮の範囲についてしっかり話し合う

 注意や指示をしても改善されず、ストレスが蓄積されてしまう ・仕事内容が障がいのある従業員と合っていない可能性を考える

・障がいのある従業員と、上手くできいない理由を一緒に話し合う

強く言うと落ち込んでしまうので、腫れ物を扱うようにしかできない  ・障がいのある従業員に対して、どういう風に指示をしたのかをヒアリングする

・その内容を、周りの従業員にもフィードバックする

例えば、ストレスになっている原因について「仕組みで改善できること」であれば、それを整備することでストレスを改善できる可能性があります。

また「障がいへの理解の低さ」であれば、その部分を従業員に改めて説明して理解してもらうことで、ストレスを軽減できる可能性があります。

一方で、仕組みを整備して障がいへの理解もしてもらった上で、まだストレスを改善できない場合には、人員配置なども検討しなければならないケースもあるでしょう。

 

1-3. ストレスの原因に応じた改善策を実施する

ストレスの原因と改善策が分かったら、改善策を実施してみましょう。

例えば、車いすで移動する障がいのある従業員について「毎回段差を乗り越える介助をしなければならない」というストレスがある場合は、スロープを設置するなど職場環境を整えることでストレスを改善することができるでしょう。

また、障がいのある従業員の「ミスが多い」「何度注意しても直らない」という場合には、仕事内容が合っていない可能性があります。得意な仕事は人によって千差万別なので、障がいのある方が力を発揮できる仕事を見つけてお願いする方向性を考えましょう。

ストレスの原因の把握、原因の特定などが上手く進まない場合には、専門的な知識を持つ機関を活用することもおすすめします。詳しくは「5. 障がい者雇用での現場のストレスについて相談できる窓口3つ」もご覧ください。

 

2. 【中長期】障がい者雇用でのストレスをなくすための5つのポイント

1章では具体的な事案に対して「すぐできること」という視点で解説をしましたが、ここからは、障がい者雇用でのストレスをなくしていくために長期的にできるポイントを解説していきます。

5つのポイントについてさらに詳しく解説していきます。

 

2-1. 組織としての障がい者雇用の必要性を共有する

障がい者雇用を進める場合には、現場にも「組織としての障がい者雇用の必要性」を共有して理解してもらうことがとても大切です。

障がい者雇用はそもそも「障害者雇用促進法」で定められた障がい者雇用義務に基づいて、対象となる障がい者を一定数以上の割合で雇用するというものです。法的義務であることを現場にも理解してもらうのはもちろん、コンプライアンス遵守による企業イメージの向上などのメリットも伝えましょう。

さらに、障がい者雇用の成功企業の事例を見ると、「障がい者雇用で現場に助け合いの精神が生まれた」「会社の雰囲気が良くなった」「業務の切り出しで効率化が図れた」など副次的なさまざまな効果も生まれています。

もしも障がい者雇用のマイナスイメージが社内に存在している場合には、こうした良い事例を社内で積極的に共有することで、障がい者雇用に対する好意的なイメージを社内に醸成していくことを目指しましょう。

 

2-2. 定期的にヒアリングして改善できる体制を構築する

ストレスを抱えている従業員がいる場合にそれらが蓄積されないためにも、定期的にヒアリングを行い、課題を改善できるような体制を構築することも大切です。

1章で解説したように、ストレスになる箇所を特定できれば、それに対して対策を打つことができます。しかしながら、ヒアリング体制がなければ、また同じようにストレスが発生してしまうでしょう。

ヒアリングができないまま放置してしまえば、原因の特定や対策の実行ができず、また現場でストレスが溜まっていくことになります。

障がいのある従業員についても同様にヒアリングを行い、必要に応じてバリアの除去や研修、メンタルケア、業務内容の変更、配置転換などを検討できる体制を整えておきましょう。

 

2-3. 障がいの特徴や個別の特性を把握・共有する

障がいそのものの理解や個別の特性を理解していないことがストレスにつながることも多くあります。そのため、まずは正しく理解してもらうために、情報を共有することが大切です。

例えば「集中力が続かない」「話を聞き逃す」などは、発達障がいの特徴の一つです。こうした特徴を知ってさえいれば「障がいによるものだ」と理解できる一方、知らなけば「やる気がない」と判断してストレスを蓄積するきっかけになりかねません。

障がいの種類別の特徴やストレスをためないためのポイントは、次の3章でも詳しく解説します。

なお、障がいの種類はもちろん個人ごとで障がいの程度や特性も異なるため、個別の特性についても把握・共有しておけるとベストです。

 

2-4. 障がい者雇用にフィットする部門を作る

障がい者雇用で現場ストレスが貯まらない仕組みを考える上で、障がい者雇用にフィットする部門を作るという考え方もあります。

例えば、大手企業などを中心に、障がい者自身が働きやすい環境を整えるために「特例子会社」を設立している企業もあります。子会社設立まではできなくても、障がい者を雇用するための部門(配慮が大前提の部門)を作ることで、障がい有無にかかわらず、ストレスが発生しにくい環境を作れるはずです。

特に、障がいのある方に任せられる仕事がなかなか見つからない企業には、この対処法が向いています。別記事「【障がい者雇用】任せる仕事がない!業務を創出する方法5つを解説 」の記事もぜひ参考になさってください。

 

2-5. 自社だけで解決せずに専門の支援機関に相談する

障がい者雇用での現場のストレスをなくしていくために、社内でできることをしていくのはもちろんですが、専門の障がい者雇用支援機関に相談するのもおすすめです。

特に、障がい者雇用をスタートさせたばかりなどノウハウが無い状態では、自社だけの解決が難しいケースも多いはずです。

一方で、専門の機関は、障がいについての知識を持っているだけでなく、さまざまな企業のトラブルや悩みを解決してきた経験が蓄積されています。ぜひそうしたサポートを積極的に活用することも考えてみてください。

具体的な相談先については、最後の章「5. 障がい者雇用での現場のストレスについて相談できる窓口3つ」にて詳しく解説します。

 

3.【障がいの種類別】ストレスを貯めないために理解しておくべき特性

ここからは、3種類の障がいの種類(精神障がい、知的障がい、身体障がい )別に、ストレスを貯めないために事前に知っておくべき「障がいの特性」や「配慮の仕方の違い」を解説します。

それぞれの障がいの特徴や特性を理解しておくだけでも、障がい者と向き合う上での心の持ちように変化が現れ、ストレスが蓄積されにくくなるはずです。

 

3-1. 精神障がい者を雇用する場合

精神障がいとは、精神疾患のため精神機能の障がいが生じて、日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことをいいます。具体的には、気分障がい(うつ病・躁うつ病)、統合失調症、てんかん、高次脳機能障がいなどが精神障がいに該当します。

また、発達障がい(自閉症スペクトラム障がい、注意欠如多動性障がいなど)も、精神障がいに含まれます。

精神障がい者は、平成30年4月から障害者雇用促進法の改正によって雇用義務対象者に含まれるようになったため、雇用数が増加しています。しかしながら、企業側に「精神障がい者の雇用のノウハウがない」こともあり、一緒に働く上でストレスを感じる可能性が考えられます。

精神障がい者を雇用した場合に現場で発生するストレスの原因としては、特性に応じた配慮やサポートが必要なため、対応に時間と労力がかかる点にあります。

【代表的な精神障がい】
気分障がい

(うつ病)

・気分の波が大きくなる気分障がいのうち「うつ状態」のみが見られる障がい

・うつ状態では、強い気分の落ち込みや無気力、強い疲労感、思考力の低下、希死念慮などが起きる など

気分障がい

(躁うつ病)

・気分の波が大きくなる気分障がいのうち「うつ状態」と「躁(そう)状態」を繰り返す障がい

・躁状態では不自然に気分の高揚感が持続し、浪費をしたり不眠不休で活動をしたりする

・万能感が強くなり、頑固になったり怒りやすくなったりする など

統合失調症 ・主な症状として幻覚や妄想がある障がい

・疲れやすさと集中力の欠如から、身体などを清潔に保つことに苦手意識を持つことがある

・思考がまとまりづらく、周囲にうまく合わせることができない など

てんかん ・一時的に脳の一部が興奮することで発作が起こる障がい

・多様な発作のタイプがあり、けいれんを伴うタイプ、突然意識を失うタイプ、意識はあるが、認知の変化を伴うタイプなどがある

依存症 ・適度な依存を超えて、その行為を繰り返さないと満足できない状態になる障がい

・自力で行為を止めることができず、心身に障がいが生じる可能性がある

・代表的な依存症にアルコール、薬物、ギャンブルなどがある

高次脳機能障がい ・事故や病気の影響で、脳にダメージを受けることで起きる障がい

・新しい情報を覚えるのが難しい「記憶障がい」や集中力が続かなくなる「注意障がい」、感情の制御が難しい「社会的行動障がい」など多様な障がいがある

参考:精神障害(精神疾患)の特性(代表例)|厚生労働省 精神・発達障害者しごとサポーター 養成講座

上記に代表的な精神障がいをまとめましたが、その特性・特徴はさまざまです。そしてさらに、同じ障がいのある場合でも、個人によって特性や症状が異なります。そのため、実際に精神障がい者を雇用するときは積極的に医療機関や支援機関と連携を取り、本人の意見を聞くなどの対応が必要です。

この障がいの理解の難しさから、ストレスを感じる可能性はあり得ます。

※例えば「躁うつ病」の場合、躁状態とうつ状態をいったりきたりする特性があるため、特性への現場の理解がとても重要となります。

また例えば「統合失調症」の方は臨機応変な対応が難しい特性のあることが多いため、手順が決まっていて自分のペースで進められる仕事が向いている傾向があります。

また、精神障がい者には、疲れやすくストレス耐性が低いという特徴もあり、フルタイム勤務が困難というデータもあります。このような精神障がいの特性や症状を現場に共有して、現場への配慮を促すことがとても大切となります。

精神障がい者の雇用については、別記事の「精神障がい者雇用とは|6つの現状・課題と対策・必要な対応まで解説」の記事もぜひご覧ください。

 

3-2. 知的障がい者を雇用する場合

知的障害がいとは、発達期(おおむね18歳まで)までに生じた知的機能の障がいが原因で、日常生活の中でさまざまな不自由が生じることをいいます。

知的障がいの特性は人によってさまざまですが、例えば、「読み書きや計算が苦手」「言葉を理解することやコミュニケーションが苦手」「忘れやすい」「同時に複数のことができない」「自分の気持ちの表現がうまくできない」などの特徴があります。

そのような特性があるからこそ、現場で共に働く従業員にとっては「何回教えても次の日には教えた内容を忘れる」「注意しても理解してるかが分からない」などストレスの原因になることが考えられます。

現場のストレスを軽減するためには、こうした特性を周知・理解してもらうことはもちろん、知的障がい者が得意なことや能力を発揮しやすい仕事を任せることが重要となります。

知的障がい者の多くは、判断力が求められないような単純作業や反復業務を得意とし、集中して取り組むことができます。

【知的障がい者が能力を発揮しやすい仕事の例】
軽作業系 工場業務や、飲食店・倉庫でのバックヤード業務など
事務系 パソコンを使った一般事務や、郵便物の仕分け・発送・封入業務など
清掃・メンテナンス系 トイレ清掃やごみ回収、会議室のセッティング、植物の手入れなど

得意な業務内容は個人の特性や障がいの程度にもよりますが、本人の得意とすることをしてもらうことで、お互いのストレスを軽減できる可能性が高まります

 

3-3. 身体障がい者を雇用する場合

身体障がい者とは、先天的または後天的な理由で、身体機能に何かしらの障がいのある方を指します。

身体障害者福祉法によると、身体障がいは、以下の5種類に分類されます。
(1)視覚障がい
(2)聴覚・平衡機能障がい
(3)音声機能・言語機能・そしゃく機能障がい
(4)肢体不自由
(5)内部障がい

身体障がい者を雇用する場合に注意すべき点は、スムーズに仕事する上で「どのような配慮が必要になるか」を事前に本人に聞いておくことでしょう。そして、その配慮をしっかりと現場に伝えておくことがとても重要です。

また、バリアフリー工事や機器の整備、介助者の配置など、環境面で現場の負担が減るポイントがあれば、対応することも大切です。

身体障がい者のさらに詳しい内容別の配慮を理解したい場合には、「障がいの種類は?わかりやすく分類するなら身体・知的・精神の3種類」の2章をぜひ参考になさってください。

 

4. 障がい者雇用で現場が抱えるストレスを改善した事例

ここからは、障がい者雇用のストレスを解決した事例をいくつか紹介していきます。ぜひ解決事例も参考にして、自社の問題に活かせるポイントがないか確認してみてください。

 

4-1. 障がいのある社員の勤務態度にストレスを抱えていたメーカー業の事例

メーカー業を営むA社は、障がい者雇用を進めていく中で、障がいのある社員の勤務態度に対して、現場でのストレスが溜まっていました。

例えば、「出社時間に間に合わず遅刻してくる」「都合がいい時だけ障がいを理由にして、話を理解できないような振る舞いをする(ように感じる)」という点に不満を覚える社員がいました。

しかしながら、障がいのある方に強く言えないため、注意もできないまま現場にストレスが蓄積されてしまっていました。

実際の対処法

(1)自社にはノウハウがないため、年2回の障がい者支援センターへの相談で、障がい者への適切な接し方について学ぶ機会を作った

(2)採用前に受け入れ部署との顔合わせを行った

(3)専用相談窓口を設けて、障がい者に関連する悩みをいつでも相談できる体制を整えた

 

4-2. 障がいのある社員との接し方が分からずストレスが蓄積されていた事例

翻訳を専門に事業を展開するB社は、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員を受け入れる中で、縁があって障がいのある方が入社してきたそうです。

障がい者雇用のノウハウが無かったため、当初は「どの程度仕事を振っていいのか」「どのように障がいがある社員と接すればいいのか」が分からず、お互いのストレスが蓄積されている状態でした。

そんな中、採用して2週間後に、障がいがある社員が「これ以上迷惑を掛けられないから辞めさせてもらいます」と帰ってしまいました。慌てて話を聞いてみると、本人は自分の仕事が遅いことを気に病んでいたことが分かりました。

実際の対処法

(1)自社に必要な人材であること、仕事はゆっくりでいいことを本人に伝えた

(2)就労移行支援事業所のアドバイスも受けて、「急ぎの仕事をやらせない」「一度に二つのことを伝えない」などを徹底した

(3)毎月一回は面談をして、安心して相談できる環境を整えた

(4)毎月一回の社内勉強会で、障がいへの理解を深めてもらうようにした

のように、お互いの気持ちを尊重して指示内容や業務内容を工夫するだけでも、現場や本人のストレスを軽減し、安心して働ける環境を作ることが可能です。

 

5. 障がい者雇用での現場のストレスについて相談できる窓口3つ

最後に、障がい者雇用で現場にストレスが発生してしまい、どうすればよいか分からない場合に相談できる窓口を3つ解説していきます。

ノウハウがない中で社内だけで解決しようとしても、どうしても限界があります。

今回紹介するどの窓口も手厚いサポートかつ具体的なアドバイスを受けられるので、ぜひ相談してみることをおすすめします。

 

5-1. ハローワーク(障がい者雇用を始めたばかりの企業向け)

ハローワークは、全国500カ所以上に設置されている公共職業安定所(職安)です。仕事を探している個人と人材を探している事業主の両方に対して無償で雇用サービスを提供している公的なサービスです。

障がい者雇用をスタートしている企業であれば、既に何かしらの相談やサポートを受けている可能性は高いでしょう。

ハローワークは、一般的な雇用マッチングはもちろん、障がい者雇用の支援にもかなり力を入れており、準備段階から採用後の定着支援まで、障がい者雇用に関する基本的な情報提供や相談を受けることが可能です。

ハローワークは、どちらかといえば、具体的な相談内容がハッキリしていない場合や障がい者雇用を始めたばかりの企業におすすめの窓口です。

ハローワークで受けられるサポートの例

・障がい者雇用の理解を深めるセミナー受講

・採用の準備段階から採用後の定着支援までの一貫した支援

・具体的な仕事の切り出し(職務の選定や配置部署の検討)のお手伝い

・求人票の作成支援や求人にマッチした求職者を探すサポート

「社内部署から理解が得られない」「障がい者が長く働ける環境づくりについて」などさまざまな疑問や不安にも答えてくれます。困ったことがあれば何でも相談できる窓口なので、ぜひ活用しましょう。

ハローワークについての詳細は別記事「障害者雇用にハローワークの利用は有効!活用すべきサポート5つ」でも解説しています。

 

5-2. 地域障害者職業センター(ジョブコーチ支援など具体的な問題解決を図りたい企業向け)

障がい者雇用により現場でストレスが発生している場合に、より具体的なアドバイスを受けたい場合は、地域障害者職業センターに相談するのがおすすめです。

地域障害者職業センターは、国や自治体が設置した施設であり、障がい者の就労支援や職業訓練などを行っている施設です。事業主向けにも、採用計画の検討・採用の準備や職務内容の選定などかなり具体的かつ実践的なアドバイスを実施しています。

また、「ジョブコーチ支援」を活用すれば、ジョブコーチ(職業適応援助者)が直接職場に来てくれて、障害のある方と企業担当者の双方に対して、個別具体的なサポートをしてもらえます。

「何度も教えてもなかなか仕事ができるようにならない」「声かけの方法や注意の仕方に悩んでいる」など、現場でストレスが発生していて具体的なサポートを受けたい場合には、ぜひ活用しましょう。

詳細な内容は、地域障害者職業センター公式ホームページの「ジョブコーチ支援」のページをご覧ください。

 

5-3. 民間の障がい者雇用サービス(障がい者がストレスなく働ける方法を探している企業)

ハローワークや地域障害者職業センターへの相談をメインにしつつも、場合によっては民間の障がい者雇用サービスもうまく活用して障がい者雇用の悩みを解決していきましょう。

特に、障がい者がストレスなく働ける環境を探している場合には、そのような場を用意してあげるという発想が必要になるケースもあります。

例えば当社(株式会社JSH)の「コルディアーレ農園」では、地方格差をなくして、障がいのある方が住み慣れた地域で「個々の特性に応じて、安心して、長く」働けることを目的にサービスを展開しています。

障がい者の求人倍率には地域格差があり、地方に住む障がい者は働きたくても仕事を見つけづらく、都市部の企業は障がい者の働き手を見つけづらいという現状があります。

初めての農作業でも安心して業務に取り組めるような業務サポートや、障がいの特性に対応した専門的なケア、障がいのある従業員の送迎サービスも実施しており、障がいのある方がストレスなくイキイキと働けるような環境をご用意しています。

地方に住む障がい者の雇用創出を実現する当社の「コルディアーレ農園」に興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

コルディアーレ農園についての詳細

 

6.まとめ
本記事では「障がい者雇用で現場にストレスが発生している場合の対処法」などについて解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼今すぐできる現場のストレス解消ステップ

・STEP1:当事者からヒアリングをしてストレスの原因を突き止める

・STEP2:ストレスの原因を分類して対策方法を検討する

・STEP3:ストレスの原因に応じた改善策を実施する

▼【中長期】障がい者雇用でのストレスをなくすための5つのポイント

(1)組織としての障がい者雇用の必要性を共有する

(2)ヒアリングして改善できる体制を構築する

(3)障がいの特徴や個別の特性を把握・共有する

(4)障がい者雇用にフィットする部門を作る

(5)自社だけで解決せずに専門の支援機関に相談する

▼【障がいの種類別】ストレスを貯めないために理解しておくべき特性

・精神障がい者を雇用する場合;積極的に医療機関や支援機関と連携を取り、本人の意見を聞くなどの対応が必要

・知的障がい者を雇用する場合:特性を周知・理解してもらうことはもちろん、得意なことや能力を発揮しやすい仕事を任せることが重要

・身体障がい者を雇用する場合:「どのような配慮が必要になるか」を事前に本人に聞いておき、現場に伝えておくことが重要

障がい者雇用で現場のストレスが起こる場合には、まずは関係者双方からヒアリングを行い、個別で擦り合わせをしていくことが大切です。

また、なかなかノウハウが無い中での調整は難しいため、早めに専門の機関に相談することをおすすめします。自社だけで解決しようとせず、ノウハウや経験をたくさん持った有識者の力を借りて、障がい者雇用を進めていきましょう。

この記事を書いた人

株式会社JSH|矢野 翔太郎

株式会社JSHにて障がい者雇用支援サービス「コルディアーレ農園」のスキーム開発から営業までを担当。
企業側の障がい者雇用の課題解決だけではなく、農園開設や運営にも携わることで、障がい者雇用のリアルな現場にも正対。
障がい者雇用における関連法案や海外の雇用事情についての知見もあり、セミナー等を通じて障がい者雇用に関する様々な情報発信もおこなっています。

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