コラム詳細
2021/10/26
autorenew2024/04/23
「障がい者雇用率」企業ランキング|国内TOP企業の事例紹介 【ユニクロ・リクルート・楽天・イオン・トヨタ】
法定雇用率の引き上げに際し、
改めて障がい者雇用の取り組み方に悩まれている担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、障がい者雇用に積極的な企業や、その取り組みについてまとめました。
各企業の姿勢や具体的な事例など、参考になる情報を掲載しておりますのでぜひご覧ください。
【目次】
1.障がい者雇用に積極的な企業ランキングTOP10
2.障がい者雇用への取り組み意識が高いのはどんな企業?
3.国内トップ企業5社の取り組み事例
4.まとめ
1.障がい者雇用に積極的な企業ランキングTOP10
まずは国内で障がい者雇用率(全社員数に対する障がい者社員の割合)が高い企業を見てみましょう。
※()内数値は2018年度時点の障がい者雇用率
第1位:ゼネラルパートナーズ (20.53%)
障がい者の就職・転職サービスを提供するベンチャー企業
第2位:エフピコ (13.6%)
食品トレー、弁当・総菜容器の最大手
第3位:エイベックス(11.25%)
独立系エンターテインメント大手
第4位:MRKホールディングス(7.75%)
体型補整用婦人下着、化粧品、健康食品等を中心とする美容系メーカー
第5位:キトー(7.1%)
関東の工場用搬送機器メーカー
第6位:ファーストリテイリング(5.28%)
「ユニクロ」「GU」を展開する世界的アパレル企業
第7位:LITALICO(4.64%)
就労支援、幼児教室など教育サービスを提供する障がい・福祉領域大手
第8位:古川機械金属(4.56%)
非鉄金属・産業機械の大手
第9位:良品計画(4.5%)
「無印良品」を展開する小売り大手
第10位:マックスバリュ北海道(4.36%)
スーパー大手イオンのグループ企業
※2020年3月に「イオン北海道」に吸収合併
参照:東洋経済新報社 東洋経済ONLINE『「障害者の雇用」に積極的な企業ランキング100』
上位にランクインしているのは、全国的に名の知れた企業がほとんどです。
障がい者雇用を積極的に行っている企業には、各業界をけん引するトップ企業が多いことが分かります。
2.障がい者雇用への取り組み意識が高いのはどんな企業?
株式会社JSHでは、約200名の人事担当者様を中心として障がい者雇用の取り組みに関する意識調査を実施しました。
<図:「法定雇用率達成のほか、CSRやSDGsの観点からも障がい者雇用に取り組んでいますか?」
の問いに対する企業規模別の回答内訳>
全体的に見ると、企業規模が大きいほど障がい者雇用への意識が高く、
企業規模が小さいほど取り組みに至っていない傾向にあることが分かります。
特に従業員500名以上になると積極的に取り組みを行う企業が多く、
少なくとも約65%の企業から「すでに具体的に取り組んでいる」という回答が得られました。
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実は、障がい者雇用を含む「ダイバーシティの取り組み」に秀でている企業は
売上や利益率が高い傾向にあることを示す調査結果が存在しています。
アクセンチュアが発表した調査によると、米国の調査対象140社のうち、ダイバーシティの取り組みに秀でている45社の企業は
その他の企業と比較して平均28%も売上が高く、純利益が倍で、利益率も4%高いことが分かりました。
さらに、株主への総利回りも2倍ということが明らかになっています。
参考:アクセンチュア株式会社『The Disability Inclusion Advantage』
これは、障がい者雇用をはじめとした多様性の向上に取り組むことで、
企業文化が醸成され、その企業文化が従業員にとっての力強い価値基準となり、
結果として売上や利益などにも良い効果をもたらしているからだと考えられます。
では、大きな売上・利益を挙げている企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。
ここからは、日本を代表する大手企業の事例をご紹介します。
3.国内トップ企業5社の取り組み事例
CASE1:楽天
楽天ソシオビジネス株式会社は、楽天株式会社の「特例子会社(※)」として設立されました。
楽天ソシオビジネスでは従業員の約8割が障がいを持っており(2018年時点)、
代表取締役社長の川島薫氏もその一人で「身体障がい者」にあたります。
同社は特例子会社でありながら、独立で黒字化を目指しています。
事業内容としては、大手ECサイト「楽天市場」をはじめ
グループ会社からのアウトソーシング業務に加えて、店舗運営・植物工場等の事業なども運営しています。
障がい者雇用への取り組みは、2019年にテレビ東京「ガイアの夜明け」でも特集されました。
※特例子会社とは…障がい者雇用に特化・配慮した子会社。
グループ会社からのアウトソーシング業務を中心に行うケースが多い。
▼「特例子会社」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【企業向け】特例子会社の基本解説|設立の要件・流れや現場の声をまとめました
CASE2:リクルート
リクルートグループでは特例子会社を3社保有しています。
◇リクルートオフィスサポート
リクルートグループにおける初めての特例子会社かつ日本で34番目の特例子会社。
リクルートグループの総務、個人情報の管理や契約書の管理、経理業務などバックオフィス業務を担当。
◇リクルートスタッフィングクラフツ
重度の知的障がい者の方々が得意とする作業系の業務領域を確保するために設立。
リサイクル資源となる古紙を利用して紙を漉き、卓上カレンダー等を製造。製品は販促物として使用されている。
◇スタッフサービス・ビジネスサポート
最も就労の場が少ないと言われている「内部障がい者」、
中でも透析治療を必要とする「腎臓機能障がい者」を中心に雇用促進を図る。
さらに、肢体不自由や聴覚・視覚障がい者など、さまざまな障がいのある従業員が活躍。
単純に特例子会社を設立することにとどまらず、
重度障がい者や内部障がい者や腎臓機能障がい者の雇用促進を図るなど、
特定の障がいを持つ障がい者の雇用機会の創出を目的として特例子会社を複数設立しているのが特徴的です。
CASE3:ユニクロ
アパレル大手の株式会社ユニクロは、先ほどの障がい者雇用率ランキング第6位に入った
ファーストリテイリングを親会社に持ち、同様に障がい者雇用を積極的に進めています。
2001年から「1店舗1名以上」の雇用を目標に掲げており、
従業員数1万人以上の企業の中では2005年から2013年までの9年連続で障がい者雇用率日本一を達成しています。
2013年度の時点での障がい者雇用率は6.64%と高い水準を誇っています。
CASE4:イオン
大手スーパー等を展開するイオングループのイオンリテール株式会社では約1800名もの障がい者を雇用しており、
食品の品質管理のチェックをするクオリティ・キーパーや商品の補充、広報事務・販促など、
多岐に渡る業務を障がい者社員が担当しています。
また、イオングループも特例子会社を保有しており、障がい者就労移行支援や定着支援を促進するサービスを行っています。
特例子会社ではグループ会社のアウトソーシング業務を行うケースがほとんどである中、
イオングループの場合は例外で、障がい者の就労移行支援サービスを展開しています。
CASE5:トヨタ
トヨタループス株式会社は、トヨタ自動車株式会社が2008年5月に設立した特例子会社です。
障がいのある方の雇用の輪(ループ)を拡大していくという思いから、この社名が名付けられました。
2020年4月現在、406名いる社員のうち障がい者は313名で、全体の約8割をも占めています。
同社ではグループ会社のトヨタ自動車の社内印刷、社内郵便物の受発信などの業務を受託業務しています。
その他の企業の取り組み事例
ここまでは国内トップ企業における取組の概要をお伝えしてきましたが、
具体的な障がい者雇用の「手法」について詳しく知りたいという担当者の方に向けて、
株式会社JSHでは独自にインタビューした企業取り組み事例コラムを掲載しております。
こちらもぜひご覧ください。
【障がい者雇用の事例】特別支援学校からの定期的な採用で雇用が安定~従業員2,000名規模のメーカーのケース~
【障がい者雇用の事例】社内カフェをゼロから立ち上げ、法定雇用率を達成!業務切り出しの課題も解決
また、当社の障がい者雇用支援サービス『コルディアーレ農園』をご利用いただき
積極的に障がい者雇用に取り組まれている企業様の事例インタビュー集もございます。
ぜひ参考にご覧ください。
4.まとめ
この記事では、障がい者雇用に積極的な企業や、その取り組みについて解説しました。
大きな売上・利益を挙げており、規模の大きい企業ほど障がい者雇用に積極的なことが分かりました。
これからの時代で企業価値を高めていくには、障がい者雇用への取り組みは必須とも言えます。
しかし、「どう取り組んで良いか分からない」という方も多いでしょう。
株式会社JSHでは、
「障がい者雇用に漠然とした不安を持っている…」
「募集しても採用につながらない…」
「何かとトラブルが多く、定着率が低い…」
といった障がい者雇用に関する様々な課題を持つ企業様に向けて、
採用から定着まで包括的なサポートサービスを提供しています。
障がい者雇用にお悩みの担当者様は、ぜひ一度お問い合わせください。
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▼JSHの障がい者雇用支援サービスについて詳しくはこちら
地方の農園を活用した障がい者雇用支援サービス『コルディアーレ農園』
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