
障害者雇用でストレスを感じたケースとストレスの対処法!障害者雇用担当者4名に実体験を聞いてみた!
多くの企業の障害者雇用担当者が、障害者の職場定着に頭を抱えています。退職理由の中には障害・病気など障害者自身の問題だけではなく、職場での人間関係や業務の進め方などの問題もあります。
本記事では、障害者雇用に悩みを抱えている4人の障害者雇用担当者にどのようなことにストレスを感じていたか、どう対処されたかなどをヒアリングした結果をまとめました。
- 障害者雇用は一年以内に4割が退職してしまう?障害・病気以外の退職も多い
- ケース1:「~してくれて当たり前」という甘えの意識がある
- ケース2:生活態度の乱れや時間にルーズになっても注意しずらい
- ケース3:人事と各部署と板挟みあってしまう
- ケース4:評価を行うのが難しい
- まとめ
障害者雇用は一年以内に4割が退職してしまう?障害・病気以外の退職も多い
高齢・障害・求職者雇用支援機構の“障害者の就業状況等に関する調査研究” によると、障害者の就職後1年時点の職場定着率は平均63%でした。
つまり、平均して約4割が就職後1年時点で退職してしまうという現状です。
“障害者の就業状況等に関する調査研究” 高齢・障害・求職者雇用支援機構 のデータをもとに株式会社JSHがグラフを作成。
さらに、高齢・障害・求職者雇用支援機構の“障害のある求職者の実態調査中間報告”のデータをみると、退職理由は「障害・病気のため」以外に「業務遂行上の課題あり」「人間関係の悪化」などが上位3位の中に多く見られます。
障害者雇用における退職理由や退職を防ぐ方法についての詳細は、弊社(株式会社JSH)の”障がい者雇用のサポート環境・退職理由”を無料ダウンロードください。
このような現状の中で法定雇用率という義務をふまえなければいけない障害者雇用担当者には、様々なストレスがあると予想できます。
具体的にはどのようなことがあるのでしょうか。
実際に障害者雇用担当者にヒアリングしたケースをご紹介します。
ケース1:「~してくれて当たり前」という甘えの意識がある
外資系・情報通信業 障害者雇用の担当者様より
企業の処遇に対して「~してくれて当たり前」という態度の方がいました。例えば、障害者雇用の環境整備のためにスロープを設置したりトイレをバリアフリーにするなどを行いましたが、それに対する障害者の態度に「自分の要望通りしてくれて当たり前だ」と思っているのではないかと感じたことがありました。
障害者雇用の環境整備は障害者と相談しお互い認識をすり合わせながら進めていきますが、要望に応えるためには企業側に様々な準備が必要となり、必ずしもすべての要望を受け入られるわけではありません。
対処法:
障害者雇用で困りごとがあったときは、障害者センターに相談することが多かったです。障害者と面談を行う支援センター担当者に相談して、どのように対処するべきか聞いていました。
ケース2:生活態度の乱れや時間にルーズになっても注意しずらい
セラミックメーカー 障害者雇用の担当者様より
時間にルーズになり遅刻をしてきたり、こちらからの問いかけに対して返事をしないなど、生活態度の乱れが散見されるようなことがありました。聴覚障害の方を雇用したときには、都合の悪い時だけ聞こえないふりをされることもありました。
対処法:
人事部署に相談窓口を設け、障害者の受け入れ部署で何かあれば相談出来る体制にしていました。また、採用前から受け入れ部署と顔合わせを行ったり、採用後も年に2回ほど支援センターの方に相談する機会を設けるなどしていました。
ケース3:人事と各部署と板挟みあってしまう
医療関連機器メーカー 障害者雇用の担当者様より
10年ほど前から障害者雇用が5名以上不足し、労基署から連絡を受けるようになって障害者雇用に危機感を感じ始めました。
人事部として障害者雇用率を達成する義務を果たすため積極的に採用に取り組んでいたのですが、配属予定先の部署からは受け入れが難しい、即戦力になりづらいという理由で断り続けられることがありました。
対処法:
採用した後に退職してしまった実際のケースを振り返ると、障害別の特性と業務の適正の見極めや受け入れ体制が不十分であったと思うので、それらの整備が必要です。
ケース4:評価を行うのが難しい
映像・通信・情報 障害者雇用の担当者様より
業務を評価する際は、本人の適性や希望を充分に考慮しないといけないのですが、障害者雇用は健常者と同じ採用方法や配置ではないため、そもそも評価方法が異なり、どう評価していいのか分かりませんでした。
それなりの処遇・評価をしているつもりであっても、健常者に比べると見劣りし、評価に不満を抱えられることもありました。
当然、障害があるから差別しているのではないため、企業人の能力として評価していると説明していました。
対処法:
社内に産業医がいたので障害者は産業医に相談するようにアナウンスしたり、人事へのヘルプラインを設置したりしました。一方で、当事者と関係がない人が干渉しすぎると人間関係がぎくしゃくするため、出来るだけ上司に相談するように促していました。
まとめ
障害者雇用の定着に悩みを抱えている障害者雇用担当者は多く、本記事ではどのような時にストレスを感じるかについて、まとめました。
- 「~してくれて当たり前」という甘えの意識がある
- 対処法:障害者と面談を行う支援センター担当者に相談
- 生活態度の乱れや時間にルーズになっても注意しずらい
- 対処法:人事に相談窓口設置、支援センター担当者に相談
- 人事と各部署と板挟みあってしまう
- 対処法:障害別の特性と業務の適正を見極める
- 評価を行うのが難しい
- 対処法:社内産業医やヘルプラインの利用と上司への相談を促す
などがありました。
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この記事を書いた人
株式会社JSH