社員インタビュー 2020.2.29

地方創生事業に対する思い 執行役員 市川伸二

前職で経験した障がい者の方の雇用の壁

面接

私は以前にいた会社で、総務人事を担当していました。その当時は障がい者の方の雇用をしなければならないという認識はありましたが、社内で受け入れる体制が全く整っておらず、受け入れるには多くの壁を乗り越える必要がありました。 当然のことながら、当時は障がい者雇用率の低さを行政から指摘をいただきました。
そこで、なんとか雇用しないといけないと思い、ハローワークにも求人を出し、さまざまな就労移行支援事業所や障がい者雇用のコンサルティング会社などへも声を掛け、何とか現状を打開すべくすぐにでも障がい者の方たちの雇用をしたいので、協力を依頼いたしました。
そうするとすぐに複数名の応募があり、そのうち2名は雇用することができました。
ただし当時必要な人数は10数名で、まだ10名以上足りない状況ではありましたが、まずは少しずつでも雇用を始めることで、継続して募集を行い、少しずつ社内の受け入れ体制やそのほかの壁を都度乗り越えていけばよいと考えました。

体制の問題による躓き

暗いオフィス

しかし、一番最初の「業務の切り出し」で躓いてしまいました。
それぞれの障がいの特性にあった仕事を考えたのですが、当時の業務内容は障がい者の方たちにとって非常に幅が狭く、固定の業務をお任せすることが出来ず、既存のスタッフのサポートに回ってもらうという方法をとらざるを得ませんでした。
その都度業務を切り出すといった形となり、いつしか「業務を生み出す」といった形になっていってしまいました。
そうなるとスタッフのサポートではなくなり、逆に従業員は障がい者の方のサポートを行うような形になってしまい、本来の業務を担当しながらサポートとなりますので、作業効率は上がらず、障がい者雇用の従業員の「業務を生み出す」ことにウエイトが割かれ、サポートする従業員のストレスが溜まっていく一方でした。
そうなると必然的に障がい者の方への業務を生み出す作業がおろそかになり、少し目を離すと障がい者雇用の従業員の方は何もしていないといった状況になることが多く見受けられるようになりました。
最初はサポート担当の従業員に注意をしていましたが、ストレスがたまり、サポート担当の従業員から退職の意思表示まで出てくるような状態になってしまいました。
そのような中、障がい者雇用の従業員が持病の発作で職場内で、救急搬送されることが2,3度ありました。
その時は幸い大事に至ることはありませんでしたが、社内の空気は現在の2名から本来の10数名を雇用した場合はどうなるのかと漠然とした不安が蔓延してしまうようになってしまいました。
誤解の無いように言っておきますと、決して障がい者の方たちの能力が低いのではなく、受け入れる企業側の体制が整っていなかったことが原因であったと思っております。
その後、結局2名の方は3か月ほどで退職されてしまうということになってしまいました。
当時は本当に悔しく、退職した障がい者やサポートしていた従業員に対しても本当に申し訳ない気持ちになりました。

障がい者の方たちと企業の「架け橋」となる

 

この障がい者雇用支援サービスを始めるきっかけは、同じような状況の会社が世の中にはたくさんあり、同じ思いをしている障がい者の方々が世の中にもたくさんいるのではないかとおもったことがきっかけです。
働く環境(労働環境、業務内容、サポート体制、福利厚生など)を障がい者目線で考えることで、もっとのびのびとその人がその人らしく、様々な障がいのある方たちが働ける場所を作ればいいのではないかと考えました。
私たちが提案する障がい者雇用支援サービス「コルディアーレ農園」は働く障がい者の方たち、雇用する企業側、そこで働くすべての従業員の方たちが幸せになるような仕組みであると考えています。
また、私たちが「コルディアーレ農園」を運営している長崎県五島市はいわゆる離島地域のため、雇用義務のある一定規模以上の企業(従業員45名以上の規模)が他の地域と比べ、非常に少ないです。
つまり働きたくても働く場所が無いのです。一方で雇用したくても、さまざまな事情により、雇用ができない企業が世の中にはたくさん存在します。
私たちが両者をつなぐ「架け橋」になり、もっともっと障がい者の方たちが働ける社会づくりを進めていくことが私たちの使命であると考えています。

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