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calendar_today2024/06/20

autorenew2024/08/19

障がい者雇用の勤務時間|最新調査結果と雇用率カウント早見表で解説

「障がい者を雇用する上で、適切な勤務時間とは?」
「フルタイムは働かせすぎ?短時間勤務だと法定雇用率に算定できないって本当か?」

一般就労を目指す障がい者の方や、実際に企業で働いている障がい者の方、障がい者雇用を推進したい企業の担当者の方が、障がい者雇用での勤務時間について悩んで検索しているのではないでしょうか。

結論から申し上げると、厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します」にあるように、障がい者雇用での勤務時間は、水色の週30時間以上が最も多いです。

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

なぜなら、週所定労働時間が30時間以上の場合、法定雇用率の算定において、身体・知的・精神障がい者は1人、重度身体・知的障がい者は2人とカウントできるからです。

そのため、以下のように、求人票の時点で週30時間以上となる就業時間が記載されているものが多く見かけられます。

参考:厚生労働省 大阪労働局「求人票の上手な見方」をもとにJSH作成

しかし、以下のような状況を踏まえて、企業はカウントに有利な週30時間以上働ける障がい者だけを採用しようとするのではなく、短時間勤務を希望する障がい者にも寄り添う必要があります。

【障がい者】

・週30時間以上働きたくても、体力面等の理由により長時間勤務は難しい

・初めから長時間勤務をするのは心身の負担が大きく、少しずつ勤務時間を伸ばしていきたい

 

【企業】

・障がい者は全国にいるのに、特に都心部では企業が集中していて、障がい者雇用に苦労している

そこで、この記事では、障がい者雇用における勤務時間について理解を深められるように、以下のポイントを解説します。

この記事のポイント
・障がい者雇用における勤務時間の現状について解説

・障がい者雇用における勤務時間の考え方について解説

・障がい者雇用の勤務時間は短時間勤務も選べるようにして個々に調整するのがおすすめな理由を解説

・障がい者雇用における勤務時間についてよくあるQ&Aを紹介

あなたの企業で雇用する障がい者一人ひとりに合わせて柔軟に対応できるように、ぜひ最後まで読み進めていただければ幸いです。

 

【目次】
1. 障がい者雇用における勤務時間の現状
2. 障がい者雇用における勤務時間の考え方
3. 障がい者雇用の勤務時間は「短時間勤務も選べる」にして個々に合わせて調整するのがおすすめ
4. 障がい者雇用における勤務時間についてよくあるQ&A
5. 障がい者雇用の勤務時間についてお悩みであればJSHにご相談ください
6. まとめ


1.障がい者雇用における勤務時間の現状

障がい有無問わず、労働基準法で定められている通り、週40時間まで働くことができます。

しかし、障がいの特性や種類によって定期的な通院が必要だったり、疲れやすかったりすることが多いため、週40時間のフルタイムではない勤務が一般的です。

一方で、あまりに短時間の勤務では、障害者雇用促進法の目的である、障がい者の職業的自立促進が実現できません。

そのため、一定時間の労働をさせなければ、企業が障がい者を雇用しても、法定雇用率の算定対象としてカウントできないルールとなっているのです。

このような状況を踏まえて、厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します」によると、障がい者雇用における勤務時間の現状は、以下のようになっています。

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

このデータから読み取れる、障がい者雇用における勤務時間の現状について、以下の3つのポイントをご紹介します。

障がい雇用における勤務時間の現状
・週30時間以上が最も多い

・週10時間以上〜30時間未満の短時間勤務は一部の企業で採用される

・週10時間未満はまれで雇用率にも算定されない

障がい者雇用における勤務時間にはどのような傾向があるのか、ぜひ参考にしてみましょう。

 

1-1.週30時間以上が最も多い

障がい者雇用で最も多いのは、週30時間以上の勤務時間です。

厚生労働省によると、以下のように、どの障がい者も高い割合で、週30時間以上働いていることがわかります。

【障がい種類別、週30時間以上働いている障がい者の割合】

・身体障がい者 75.1%

・知的障がい者 64.2%

・精神障がい者 56.2%

・発達障がい者 60.7%

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

求人の時点で、週30時間以上の勤務時間(ハローワークでは就業時間)での募集となっているものが非常に多く見られます。

理由としては、以下のように、週30時間以上勤務する障がい者は1人、もしくは2人とカウントできることも要因です。

【障がい者の週所定労働時間別のカウント方法】
週所定労働時間 30時間以上

(常用労働者)

20時間以上30時間未満

(短時間労働者)

10時間以上20時間未満
身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者 2 1 0.5
知的障がい者 1 0.5
重度知的障がい者 2 1 0.5
精神障がい者 1 0.5※ 0.5

参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
※一定の要件を満たす場合、0.5ではなく1とカウントする特例措置あり

週30時間以上勤務できる障がい者を雇用すれば、企業は、法定雇用率を達成するための雇用しなければならない障がい者数が最小限で済むので、採用・管理コストが抑えられます。

このように、企業側の意向が反映され、週30時間以上で働く障がい者が最も多くなっている背景もあります。

 

1-2.週10時間以上〜30時間未満の短時間勤務は一部の企業で採用される

週10時間以上~30時間未満の短時間勤務の障がい者は、厚生労働省によると、以下のように、一部の企業で採用されていることがわかります。

【障がい種類別、週10時間以上30時間未満で働いている障がい者の割合】

・身体障がい者 22.8%

・知的障がい者 32.8%

・精神障がい者 37.7%

・発達障がい者 34.8%

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

週30時間以上働きたくても、障がいによって長時間勤務が難しい方や、初めから長時間勤務をするのは心身の負担が大きく、少しずつ勤務時間を伸ばしたい方がいるからです。

こうした障がい者の声を汲み取り、柔軟な働き方を推進する企業がだんだんと増えつつあります。

しかし、以下のように、週10時間以上~30時間未満の勤務時間では、重度身体障がい者・重度知的障がい者でなければ、1人雇用していても0.5人としかカウントできません。

【障がい者の週所定労働時間別のカウント方法】
週所定労働時間 30時間以上

(常用労働者)

20時間以上30時間未満

(短時間労働者)

10時間以上20時間未満
身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者 2 1 0.5
知的障がい者 1 0.5
重度知的障がい者 2 1 0.5
精神障がい者 1 0.5 0.5

参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
※一定の要件を満たす場合、0.5ではなく1とカウントする特例措置あり

例えば、週30時間以上の身体障がい者は1人とカウントできるのに、20時間以上30時間未満であれば2人雇用してやっと1人分のカウントができるようになります。

そうすると、企業では、雇用障がい者数が2倍になるため、採用・管理コストも倍増してしまいます。

実際、求人においても一部の柔軟な働き方を推進する企業を除いては、週10時間以上~30時間未満の勤務時間での募集は少ないのが現状です。

 

1-3.週10時間未満はまれで雇用率にも算定されない

週10時間未満の勤務時間は、厚生労働省によると、以下のように、まれな働き方であることがわかります。

【障がい種類別、週10時間未満で働いている障がい者の割合】

・身体障がい者 1.2%

・知的障がい者 2.1%

・精神障がい者 2.7%

・発達障がい者 3.9%

参考:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します

週10時間未満がまれなのは、1日の勤務時間が2時間に満たない働き方で、障害者雇用促進法の目的である、障がい者の職業的自立促進が実現できるほど、仕事に携われないと考えられるからです。

また、週10時間未満の勤務時間では、法定雇用率の算定対象外となります。

法定雇用率の算定対象にならない週10時間未満の勤務時間の障がい者を雇用する余裕がある企業は少ないため、求人もほとんどありません。

週10時間未満の勤務時間で働きたい障がい者の方は、一般企業ではなく、就労継続支援A型事業所やB型事業所を検討しましょう。

就労継続支援A型事業所の仕事内容や給与額について詳しくは、別記事「就労継続支援A型事業所を解説!雇用形態、対象者、仕事内容、給与額は?」でご紹介しているので、ぜひご覧ください。

 

2.障がい者雇用における勤務時間の考え方

障がい者雇用においては、週30時間以上働く障がい者が最も多いことがわかりました。

カウントについてもご説明したので、もうお気付きだと思いますが、障がい者雇用において、勤務時間は法定雇用率の算定に直結しています。

法定雇用率とは、国・地方公共団体や企業に対して、障がい者を一定割合で雇用することを義務付けたもので、40人以上の企業では障がい者を1人以上雇用しなくてはなりません。(2024年5月現在)

厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」によると、2024年4月に2.5%に引き上げられた法定雇用率は、2026年7月にはさらに2.7%に引き上げ予定です。

法定雇用率の達成は、今後ますます企業にとって優先すべき課題となるので、以下の障がい者雇用における勤務時間の考え方を参考にしてみましょう。

障がい雇用における勤務時間の考え方
・週所定労働時間によってカウントが変わる

・「重度」の身体障がい者と知的障がい者は倍カウントになる

・【結論】障がい者雇用の勤務時間は障がい特性とカウント方法から決定するべき

※企業で雇用すべき障がい者数の計算方法や、なぜ法定雇用率達成に取り組まなければいけないのかについては、別記事「【2024年最新】障がい者のカウント方法を解説!計算式と早見表付」をご覧ください。

 

2-1.週所定労働時間によってカウントが変わる

法定雇用率算定においては、週所定労働時間によってカウントが変わります。

以下の表にあるように、週所定労働時間が「30時間以上」「20時間以上30時間未満」「10時間以上20時間未満」のどれかによって、1人雇用したとしても2人としてカウントしたり、0.5人としてカウントしたりするのです。

【障がい者の週所定労働時間別のカウント方法】
週所定労働時間 30時間以上

(常用労働者)

20時間以上30時間未満

(短時間労働者)

10時間以上20時間未満
身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者 2 1 0.5
知的障がい者 1 0.5
重度知的障がい者 2 1 0.5
精神障がい者 1 0.5※ 0.5

参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
※一定の要件を満たす場合、0.5ではなく1とカウントする特例措置あり

例えば、身体障がい者の場合、週所定労働時間が30時間以上なら、1人とカウントできますが、20時間以上30時間未満だと0.5人、10時間以上20時間未満だとカウントできません。

このように、週所定労働時間は法定雇用率のカウントに大きく影響するのです。

10時間以上20時間未満の法定雇用率算定は2024年4月に始まったばかり!
10時間以上20時間未満で働く障がい者をカウントできるようになったのは、2024年4月からです。

 

それまでは20時間以上30時間未満の労働時間しかカウントできませんでしたが、障がい特性によって、長時間の就労が困難な人が問題視されていたため、新しくカウントできるように変更されました。

 

このことによって、今までよりも企業で、障がい者の柔軟な働き方が推進されることが期待されています。

 

2-2.「重度」の身体障がい者と知的障がい者はダブルカウントになる

法定雇用率算定においては、以下の表にあるように、「重度」の身体障がい者と知的障がい者はダブルカウントになります。

【障がい者の週所定労働時間別のカウント方法】
週所定労働時間 30時間以上

(常用労働者)

20時間以上30時間未満

(短時間労働者)

10時間以上20時間未満
身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者 2 1 0.5
知的障がい者 1 0.5
重度知的障がい者 2 1 0.5
精神障がい者 1 0.5※ 0.5

参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
※一定の要件を満たす場合、0.5ではなく1とカウントする特例措置あり

「重度」の身体障がい者と知的障がい者とは、以下の通りです。

【重度身体障がい者・重度知的障がい者とは】
重度身体障がい者 身体障害者手帳の等級が、1級2級の人
重度知的障がい者 療育手帳の区分が、A(最重度・重度の人

例えば、30時間以上の身体障がい者や知的障がい者は1人とカウントしますが、同じ勤務時間でも重度身体障がい者や重度知的障がい者であれば、倍の2人とカウントします。

同様に、20時間以上30時間未満の場合も、身体障がい者や知的障がい者が0.5人とカウントするところを、重度身体障がい者や重度知的障がい者なら1人とカウントします。

このように、「重度」身体障がい者と知的障がい者は、同じ労働時間の場合、倍カウントになるのです。

 

2-3.【結論】障がい者雇用の勤務時間は障がい特性とカウント方法から決定するべき

ここまでカウント方法についてご説明しましたが、障がい者雇用の勤務時間は、障がい者本人の障がい特性も踏まえて両軸で決定すべきです。

なぜなら、企業が法定雇用率達成することだけを最優先にすると、障がい者に適切な配慮できず、障がい者は心身に疲れを蓄積して、体調の悪化から休みがちになったり、最悪の場合は早期退職してしまうからです。

実際に、厚生労働省職業安定局「障害者雇用の現状等」では、離職の理由(個人的理由)として、職場の雰囲気や人間関係の他に、「疲れやすく体力意欲が続かなかった」とあります。

【障害者の継続雇用の課題となり得る要因 離職の理由(個人的理由)】

出典:厚生労働省職業安定局「障害者雇用の現状等

精神障がい者の障がい者特性に配慮して、短時間勤務から徐々に時間を伸ばすなどの対応ができていれば、離職を防止できた可能性があるのです。

また、仕事を続ける上で改善等が必要な事項として、「短時間勤務など労働時間の配慮」も挙げられています。

【障害者の継続雇用の課題となり得る要因 (仕事を続ける上で)改善等が必要な事項】

出典:厚生労働省職業安定局「障害者雇用の現状等

例えば、目や耳、手足などが不自由な身体障がい者の場合は、通勤ラッシュの時間帯に電車やバスに乗るのは非常にストレスがかかります。

時差出勤を認めた上で、体調に合わせて勤務時間についても柔軟に対応しましょう。

精神障がい者の場合、集中できる時間が短い特性がある場合もあるため、長時間勤務でこまめに休憩を取らせるよりも、短時間勤務にした方が作業効率が高まる可能性があります。

このように、障がい特性とカウント方法の両軸で検討し、障がい者一人ひとりに合わせた柔軟な勤務時間にすれば、早期離職率が下がって定着率が上がるため、企業にも障がい者にもメリットがあるでしょう。

 

3.障がい者雇用の勤務時間は「短時間勤務も選べる」にして個々に合わせて調整するのがおすすめ

障がい者雇用において、勤務時間は法定雇用率算定に直結することがわかったと思います。

障がい者雇用を推進しようとしている企業の担当者の方は、「結局、勤務時間はどうすればいいの?」と、お悩みではないでしょうか。

ここでご提案したいのは、求人票の勤務時間欄には「週30時間以上」としつつも「※短時間勤務も選べる」と記載し、応募してきた障がい者個人に合わせて調整する方法です。

この方法をご提案する理由は、週30時間以上の障がい者だけでなく、将来的な週30時間以上勤務を希望する障がい者の人材確保にもつながるからです。

短時間勤務を希望する障がい者の中には、以下のように、自分の障がいの程度や状態と真剣に向き合いながら、数か月~数年先に30時間以上の勤務を目指す人もいます。

・障がい特性によってはじめから30時間以上働くのは難しいけれど、少しずつ勤務時間を伸ばして、最終的に30時間以上働けるようになりたい

・短時間勤務から始めて働くことに慣れて、長時間勤務を目指してステップアップすることを、モチベーションにして頑張りたい

この方法では、週30時間以上の身体障がい者なら1人とカウントできるところを、週20時間以上30時間未満では0.5人としかカウントできず、雇用障がい者数を増やす必要が生じます。

しかし、長い目で見れば、短時間勤務であなたの企業の仕事に長く関わってきた障がい者の方が、何か月か先に、30時間以上働けるようになった時に、貢献度合や職場定着率の高さが期待できるでしょう。

特に都心部では障がい者の雇用獲得競争が激化!

週30時間以上の障がい者を雇用するのが難しくなっている

特に都心部では、障がい者の雇用獲得競争が激化していて、週30時間以上の障がい者を雇用したくても難しい状況となっています。

 

以下のように、特に東京や大阪を始めとする都心部では、鳥取や島根といった地方と比べて、障がい者求人の充足率が非常に低いことがわかります。

 

 

【障がい者求人の充足率】
都市部の充足率(目安) 地方の充足率(目安)
・東京 約26%

・大阪 約37%

・愛知 約32%

・福岡 約39%

・鳥取 約96%

・島根 約89%

・長野 約76%

・長崎 約63%

出典:厚生労働省「平成28年度 障害者新規求人数に占める障害者就職数の割合」

 

そのため、短時間勤務の障がい者にも寄り添いながら、将来的に週30時間以上働けるように、育成することが求められているのです。

 

特に、精神障がい者は適切に休憩時間を設け、その人に合ったコミュニケーションや仕事の進め方を確立し、職場環境が極力変化しないように配慮すれば、長時間勤務へシフトできる可能性が高まります。

 

長時間勤務に繋げられるように企業担当者が知っておきたい、障がいの特徴や配慮すべきポイントについては、「障がいの種類は?わかりやすく分類するなら身体・知的・精神の3種類」でご紹介しています。

 

障がいの種類に合わせて、どんなことから配慮すればいいのか参考にできるので、ぜひご覧ください。

 

4.障がい者雇用における勤務時間についてよくあるQ&A

特に都心部では障がい者の雇用獲得競争が激化しているため、求人票には「週30時間以上」としつつも「※短時間勤務も選べる」と記載した方が、障がい者を採用しやすくなります。

また、企業側の配慮次第で、短時間勤務の障がい者に、将来的に週30時間勤務で働いてもらえる可能性があることがわかったと思います。

障がい者雇用における勤務時間について、「これってどうなの?」と疑問に思っていることがある方は、まだまだ多いのではないでしょうか。

以下のよくある5つの質問に回答するので、ぜひ参考にしてみましょう。

障がい雇用における勤務時間についてよくあるQ&A
・障がい者雇用で8時間勤務は違法ですか?

・勤務時間を減らすことは労働基準法に違反しますか?

・障がいの種類によって勤務時間は変えるべきですか?

・勤務時間をだんだん伸ばすなどの配慮は必要ですか?

・時差通勤の場合、勤務時間の管理はどうしたらいいですか?

 

4-1.障がい者雇用で8時間勤務は違法ですか?

A.障がい者雇用での8時間勤務(フルタイム)は、違法ではありません

障がい者であっても、労働基準法で定められている通り、週40時間まで働くことができるからです。

障がいの程度が軽い方や、障がい特性に合った仕事をしている方、しっかり給料を稼ぎたい方などは、8時間勤務しています。

しかし、障がい者である以上、急に症状が変化する可能性もあるので、「8時間勤務ができるのだから、配慮は必要ない」と考えず、疲れたらこまめに休憩を取るように、声掛けを忘れないようにしましょう。

 

4-2.勤務時間を減らすことは労働基準法に違反しますか?

A.障がい者本人の同意があれば、勤務時間を減らすことは労働基準法に違反しません。

勤務当初は週30時間以上で働けると思っていたのに、実際に働き始めてみると、「想像以上に心身への負担が大きくて辛い」「我慢して慣れるしかないの?」という障がい者の声は、よく耳にします。

そういった時には、障がい者本人とよく話し合って、一時的に勤務時間を減らし、短時間勤務から徐々に伸ばして、最終的に元の長時間勤務を目指すという方法もあります。

当初の勤務時間で働くのが難しいからと言って、「無理して続けるか」「退職するか」の二択を迫るのではなく、現時点で働ける勤務時間を探って、柔軟に対応しましょう。

適切な勤務時間がわからない場合は、障がい者支援を専門にしている第三者にアドバイスをもらうのがおすすめです。

障がい者が相談している就労支援員や、障害者職業センターかハローワークに申し込むと無料で利用できるジョブコーチ(職場適応援助者)に相談してみましょう。

 

4-3.障がいの種類によって勤務時間は変えるべきですか?

A.障がいの種類によってではなく、その人の障がいの症状や程度に合わせて、個々に勤務時間を調整しましょう。

例えば、肢体不自由の人であっても、交通事故などで後天的に足の一部を失った方は、マイカー通勤を認める、車椅子でも通りやすい職場環境を整えるなどすれば、長時間勤務がしやすくなります。

一方で、脳性麻痺で、乳幼児期以前に肢体不自由になった方は、全身の筋肉が強張る、手足が勝手に動く、体のバランスが取りにくいなどの症状が見られるため、長時間勤務は難しい場合があります。

障がいの種類だけで判断せず、その人が現在どのような症状がどの程度あるかを聞き、本人はどのような働き方を希望しているのかも考慮した上で、勤務時間を決めましょう。

 

4-4.勤務時間をだんだん伸ばすなどの配慮は必要ですか?

A.初めて企業で働く障がい者や久しぶりに働き始めた障がい者は、急に週30時間以上で働き始めると、体調を崩す可能性があるので、勤務時間をだんだん伸ばすなどの配慮が必要です。

以下のように、2024年4月からは、10時間以上20時間未満で働く障がい者をカウントできるようになりました。

【障がい手帳の等級別・労働時間別のカウント方法】
週所定労働時間 30時間以上

(常用労働者)

20時間以上30時間未満

(短時間労働者)

10時間以上20時間未満

NEW!2024年4月~

身体障がい者 1 0.5
重度身体障がい者 2 1 0.5
知的障がい者 1 0.5
重度知的障がい者 2 1 0.5
精神障がい者 1 0.5※ 0.5

参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について
※一定の要件を満たす場合、0.5ではなく1とカウントする特例措置あり

このことによって、企業にとって、10時間以上20時間未満の短時間勤務をする障がい者を雇用するメリットが生まれています。

最初から長時間勤務が難しい場合は、数か月間は短時間勤務にして、まずは職場環境や仕事内容に慣れてもらいましょう。

 

4-5.時差通勤の場合、勤務時間の管理はどうしたらいいですか?

A.通勤ラッシュの時間帯を避ける時差通勤の場合、実際の労働時間がわからなくならないように、就業管理ツールやタイムレコーダーなどを用いて、勤務時間を管理しましょう。

障がい者にとって、朝の混雑した通勤電車やバスに乗るのは、非常にストレスがかかるものです。

そのため、時差出勤を許可する企業は多いですが、就業管理ツールやタイムレコーダーなどを利用して、正確な勤務時間を記録する必要があります。

特に知的障がい者の方は、習慣が付くまで何度も説明したり、大きく張り紙をするなどしたりして、勤務時間の管理ができるように、徹底しましょう。

 

5.障がい者雇用の勤務時間についてお悩みであればJSHにご相談ください

障がい者雇用での勤務時間は法定雇用率に算定しやすい週30時間以上の求人が多いものの、その人の障がいの症状や程度に合わせて、短時間勤務から始める配慮も必要であることはご理解いただけたかと思います。

しかし、以下のように障がい者雇用の勤務時間にお悩みの企業は多いのではないでしょうか。

・短時間勤務の障がい者を複数人雇用する余裕がない

・週30時間以上の障がい者を雇用していきたいが、中々応募が集まらない

・障がい者に合わせて勤務時間を調整するのは難しそうに感じる

そこで、おすすめしたいのが株式会社JSHの障がい者雇用支援サービスです。

障がい者雇用支援サービスとは、あなたの企業で地方在住の障がい者を直接雇用しながら、その障がい者の方にはJSHが運営する農園で、適切な支援を受けながら水耕栽培に携わっていただくものです。

JSHの障がい者雇用支援サービスの特徴は、以下の3つです。

JSHの障がい者雇用支援サービスの特徴
・地方在住の長時間勤務できる障がい者を直接雇用できる

・障がい者雇用に関するノウハウを学べる

・定着率が高く長期雇用に結びつきやすい

詳しくご紹介するので、ぜひお読みいただけると幸いです。

 

5-1.地方在住の長時間勤務できる障がい者を直接雇用できる

障がい者雇用支援サービスをご利用いただくと、地方在住の長時間勤務できる障がい者を直接雇用できます。

ご相談いただくと、以下のモデルケースのような週30時間以上の勤務がこなせる障がい者を、ご紹介させていただきます。

【コルディアーレ農園での勤務時間のモデルケース 】

全国的に見ると、企業が少ない地方では多くの障がい者が就職の機会を探すのに苦労する一方で、都市部の障がい者数は一定にも関わらず企業が多いために、障がい者雇用に苦労する企業は少なくありません。

障がい者雇用支援サービスなら、地方と都市部の就労機会の格差を解消し、あなたの企業での障がい者雇用に役立ちます

 

5-2.障がい者雇用に関するノウハウを学べる

障がい者雇用支援サービスを利用いただくことによって、遠隔地であっても、障がい者雇用に関するノウハウを学ぶことができます。

各種マニュアルが準備されているだけでなく、以下のように、Webを活用した採用面接や定期面談日報のやり取りや、現地スタッフへの相談が可能だからです。

障がい者がどのような部分にモチベーションを感じたり、反対に、どのような部分に不安感を覚えたりするのかわかるようになります。

最初は手探り状態で労務管理を行っていても、毎日Web上に更新される業務日報を確認することで、健康状態が少し不安定になっている、出勤時間が遅れている等が連日発生している場合等の変化にいち早く気付くことができるでしょう。

 

5-3.定着率が高く長期雇用に結びつきやすい

障がい者雇用支援サービスをご利用いただくと、障がい者の定着率が高く、長期雇用に結び付きやすくなります。

障がい者全員が長時間勤務をしていないのは、以下のような理由がありますが、徐々に慣らしたり、改善したりするにしても、障がいに関する知識や関わった経験がなければ、見極めは難しいものです。

・障がいによって、長時間勤務は心身への負担が大きい

・職場環境が合わない

・仕事内容が合わない

しかし、JSHの障がい者雇用支援サービスを提供するコルディアーレ農園では、以下のように、障がい者が安心して仕事できる環境が整えられています。

・医療の専門知識を持つ看護師や、障がい者雇用経験が豊富なスタッフが常駐している

・冷暖房完備の安全な完全屋内型農園で、仕事ができる

・しゃがんで行う作業や力作業はなく、身体的な負担が少ない

その結果として、障がい者の定着率は非常に高く、利用企業様の継続率は99.9%(2023年12月時点)となっています。

JSHの障がい者雇用支援サービスにご興味を持っていただいた方は、ぜひお気軽に資料をご請求ください。

 

6.まとめ
障がい者雇用における勤務時間について、詳しく説明させていただきました。改めて、ポイントをおさらいしていきましょう。

障がい者雇用における勤務時間には、以下の3つのポイントがありました。

障がい雇用における勤務時間の現状
・週30時間以上が最も多い

・週10時間以上〜30時間未満の短時間勤務は一部の企業で採用される

・週10時間未満はまれで雇用率にも算定されない

障がい者雇用における勤務時間は法定雇用率に直結していて、以下の3つの考え方ができます。

障がい雇用における勤務時間の考え方
・週所定労働時間によってカウントが変わる

・「重度」の身体障がい者と知的障がい者は倍カウントになる

・【結論】障がい者雇用の勤務時間は障がい特性とカウント方法から決定するべき

将来的な週30時間以上勤務を希望する障がい者の人材確保ができるように、求人票の勤務時間欄には「週30時間以上」としつつも「※短時間勤務も選べる」と記載し、障がい者個人に合わせて調整しましょう。

障がい者雇用における勤務時間について、よくあるQ&Aは以下の通りです。

障がい雇用における勤務時間についてよくあるQ&A
・障がい者雇用で8時間勤務は違法ですか? →障がい者雇用での8時間勤務(フルタイム)は、違法ではありません。
・勤務時間を減らすことは労働基準法に違反しますか? →障がい者本人の同意があれば、勤務時間を減らすことは労働基準法に違反しません。
・障がいの種類によって勤務時間は変えるべきですか? →障がいの種類によってではなく、その人の障がいの症状や程度に合わせて、個々に勤務時間を調整しましょう。
・勤務時間をだんだん伸ばすなどの配慮は必要ですか? →初めて企業で働く障がい者や久しぶりに働き始めた障がい者は、急に週30時間以上で働き始めると、体調を崩す可能性があるので、勤務時間をだんだん伸ばすなどの配慮が必要です。
・時差通勤の場合、勤務時間の管理はどうしたらいいですか? →通勤ラッシュの時間帯を避ける時差通勤の場合、実際の労働時間がわからなくならないように、就業管理ツールやタイムレコーダーなどを用いて、勤務時間を管理しましょう。

障がい者雇用の勤務時間にお悩みの企業は、地方在住の長時間勤務できる障がい者を直接雇用できる、JSHの障がい者雇用支援サービスがおすすめです。

この記事を元に、障がい者雇用における勤務時間を柔軟に検討できるようになることを祈っています。

この記事を書いた人

株式会社JSH|矢野 翔太郎

株式会社JSHにて障がい者雇用支援サービス「コルディアーレ農園」のスキーム開発から営業までを担当。
企業側の障がい者雇用の課題解決だけではなく、農園開設や運営にも携わることで、障がい者雇用のリアルな現場にも正対。
障がい者雇用における関連法案や海外の雇用事情についての知見もあり、セミナー等を通じて障がい者雇用に関する様々な情報発信もおこなっています。

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