コラム詳細
2026/06/05
autorenew2026/06/05
障害者雇用の制度をわかりやすく解説!企業としてすべきこと・注意点
「自社で障がい者雇用を始めることになった。障がい者雇用制度について知りたい」
「制度として、企業にどのような決まりや罰則が定められているのだろう」
障がい者雇用を推進する企業の総務や経理、人事担当者の方が、具体的な業務を進めるために、障がい者雇用の制度について知ろうしているのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、実は「障がい者雇用制度」という名の制度は存在しません。
一般的には、障害者雇用促進法に基づく以下の2つの制度をひっくるめて、障がい雇用の制度だと認識されています。
| 法定雇用率制度 | 企業に「法定雇用率以上」の障がい者雇用を義務付けた制度 |
| 障害者雇用納付金制度 | 障がい者雇用にかかる経済的負担の調整を目的にした制度 |
上記2つの制度に定められているように、企業は法定雇用率の達成を目指さなければなりません。
障がい者雇用に取り組むにあたって制度全てを理解するのが理想ですが、実際に気になるのは以下の点ではないでしょうか。
| ・制度上、把握しなければならないことは何か
・どのようなことに気を付ければいいのか |
そこで、この記事では、以下の内容に絞って、わかりやすくご紹介します。
| この記事で分かること |
| ・障がい者雇用の制度には「法定雇用率制度」と「障害者納付金制度」があること
・法定雇用率制度で押さえておきたいポイント ・障害者雇用納付金制度の仕組みと納付金額 ・制度ではないが、障がい者への不当な差別的取扱い禁止と合理的配慮の提供義務が重要なこと |
あなたの企業で制度に沿った適切な障がい者雇用が進められるように、ぜひ最後まで読み進めていただければ幸いです。
障がい者雇用に関する課題をお持ちの方はJSHにご相談ください。
【目次】
1. 障がい者雇用の制度とは
2. 【障がい者雇用の制度(1)】法定雇用率制度
3. 【障がい者雇用の制度(2)】障害者雇用納付金制度
4. 制度ではないが重要|障がい者への不当な差別的取扱い禁止と合理的配慮の提供義務
5. まとめ
1. 障がい者雇用の制度とは

冒頭でお伝えした通り、障がい者雇用の制度には、障害者雇用促進法に基づく、以下の2つがあります。
| ・法定雇用率制度 ・障害者雇用納付金制度 |
どちらも、企業に障がい者雇用を義務付け、障がい者の方の職業の安定を図ることを目的にしています。まず、障がい者雇用の制度でメインとなる「法定雇用率制度」についてです。
企業に「法定雇用率以上」の障がい者雇用を義務付けた制度で、詳しくは以下の通りです。
| 対象事業主の範囲 | 40.0人以上
※2026年7月から37.5人以上 |
| 法定雇用率 | 2.5%
※2026年7月から2.7% |
| 対象障がい者 | ・身体障がい者(身体障害者手帳)
・知的障がい者(療育手帳) ・精神障がい者(精神障害者保健福祉手帳) |
法定雇用率に算定できる企業で雇用する障がい者の方は、「障がい者手帳を所持する身体・知的・精神障がい者の方のみ」なので、注意しましょう。
続いて、「障害者雇用納付金制度」は、法定雇用率制度を実施するために欠かせない制度です。なぜなら、障がい者雇用にかかる経済的負担の調整を目的にしているからです。
以下のように、法定雇用率が未達成の企業は納付金が徴収される一方、達成企業には報奨金や調整金が支給されます。
| 未達成企業 | 納付金を徴収
※常用労働者数が100人以上の企業が対象 |
| 達成企業 | 報奨金・調整金を支給 |
このように、企業に法定雇用率以上の障がい者の方の雇用を義務付ける制度と、経済的負担を調整する制度によって、障がい者雇用は促進されています。
障がい者雇用に関する課題をお持ちの方はJSHにご相談ください。
2.【障がい者雇用の制度(1)】法定雇用率制度

障がい者雇用の制度には、法定雇用率制度と障害者雇用納付金制度がありましたが、まずは法定雇用率制度から詳しくご紹介します。
押さえておきたいポイントは、以下の2つです。
| 法定雇用率制度で押さえておきたいポイント |
| ・【2026年7月~】法定雇用率の引き上げ
・雇用障がい者のカウント方法の理解 |
最新の内容を把握して、法定雇用率を達成できるように、参考にしましょう。
2-1.【2026年7月~】法定雇用率の引き上げ
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」によると、法定雇用率は2026年7月に2.7%に引き上げられます。
そのため、法定雇用率制度の対象事業主の範囲は、以下のように拡大します。
【法定雇用率引き上げによる対象事業主の範囲拡大】
| 【~2026年6月】2.5% | 40.0人以上 |
| 【2026年7月~】2.7% | 37.5人以上 |
法定雇用率に基づく雇用障がい者数は、以下の計算式で求められます。(小数点以下の端数は切り捨て)
| 法定雇用障がい者数=(常用労働者数+短時間労働者数×0.5)×0.027 |
※常用労働者数:週所定労働時間が30時間以上の従業員数
※短時間労働者数:週所定労働時間が20時間以上30時間未満の従業員数
2026年7月以降、企業で何人の障がい者の方を雇用すればいいのか、企業規模に応じた法定雇用障がい者数を、以下の表にまとめました。
なお、企業規模は「常用労働者数+短時間労働者数×0.5」で算出した従業員数で判断します。
| 常用労働者数+短時間労働者数×0.5 | 法定雇用障がい者数 |
| ~37.5人未満 | 0人 |
| 37.5人~75人未満 | 1人 |
| 75人~112.5人未満 | 2人 |
| 112.5人~150人未満 | 3人 |
| 150人~187.5人未満 | 4人 |
| 187.5人~225人未満 | 5人 |
| 225人~262.5人未満 | 6人 |
| 262.5人~300人未満 | 7人 |
※常用労働者数:週所定労働時間が30時間以上の従業員数
※短時間労働者数:週所定労働時間が20時間以上30時間未満の従業員数
法定雇用率の引き上げ前と比べて、雇用障がい者数が増加する企業があるので、注意が必要です。引き上げ後の法定雇用率を達成できるように、自社の法定雇用障がい者数を把握しましょう。
| 法定雇用率引き上げにより障害者雇用状況報告書の提出が必要になる可能性あり |
| 法定雇用率の引き上げにより、「障害者雇用状況報告書」の提出が必要になる企業が増加します。
障害者雇用状況報告書とは、企業における6月1日時点の障がい者の方の雇用状況を報告する書類で、必ず返送しなければなりません。 対象となる企業には、5月下旬~6月上旬に障害者雇用状況報告書が入った封筒が届きます。 「ロクイチ報告」と呼ばれることもあるように、6月1日時点の報告なので、2026年分は2.5%の適用ですが、 2027年分からは2.7%で計算しましょう。 ロクイチ報告の重要性については、「ロクイチ報告とは|概要から提出意義、押さえるべき知識まで徹底解説」を、ぜひご覧ください。 障害者雇用状況報告書の記入方法については、「障害者雇用状況報告書は提出しないと罰則あり!記入見本で丁寧に解説」を参考にしてみましょう。 |
2-2.雇用障がい者の算定方法の理解
法定雇用率制度に沿った障がい者雇用を推進するには、雇用障がい者の算定方法を理解することが非常に大切です。
例えば、法定雇用率から算出した雇用障がい者数が1人だとしても、障がいの程度や労働時間によって、1人と算出できない場合があるからです。
障がいの程度・週所定労働時間別の算定方法を、以下の表にまとめました。
| 30時間以上 | 20時間以上30時間未満 | 10時間以上20時間未満 | |
| 身体障がい者 | 1人 | 0.5人 | ー |
| 重度身体障がい者 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 知的障がい者 | 1人 | 0.5人 | ー |
| 重度知的障がい者 | 2人 | 1人 | 0.5人 |
| 精神障がい者 | 1人 | 1人※ | 0.5人 |
参考:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」
※当面の間、0.5人ではなく1人と算出する特例措置が延長中
上記の「重度身体障がい者」と「重度知的障がい者」とは、以下のような方です。
| 重度身体障がい者 | 身体障害者手帳の等級が1級・2級の身体障がい者 |
| 重度知的障がい者 | 療育手帳の区分がA(最重度・重度)の知的障がい者 |
重度身体・知的障がい者の方を雇用すると、週所定労働時間が同じ場合、重度でない身体・知的障がい者の方と比べて、2人分として算定が可能です。
一方で、週所定労働時間が20時間以上30時間未満、10時間以上20時間未満の短時間労働者は0.5人で算出する場合があるので、注意しましょう。
法定雇用率を達成するには、障がいの程度や労働時間に基づく算定を理解した上で、採用計画を立てることが大切です。
ただし、算定に有利な週30時間以上働ける方だけを採用するのではなく、心身の負担を考慮して、短時間労働を希望する方の採用も検討しましょう。
障がい者の方の勤務時間の実態については、「障がい者雇用の勤務時間|最新調査結果と雇用率カウント早見表で解説」を、ぜひ参考にしてください。
障がい者雇用に関する課題をお持ちの方はJSHにご相談ください。
3.【障がい者雇用の制度(2)】障害者雇用納付金制度

企業に義務付けられた法定雇用率制度を実施できるように、法定雇用率の引き上げに対応しなければならないとお考えになった企業は多いと思います。
しかし、いざ障がい者雇用を始めると、「募集・採用がうまくいかない」「早期離職した」など、法定雇用率達成の難しさを感じる企業は少なくありません。
「1.障がい者雇用の制度とは」でお伝えしましたが、法定雇用率が未達成だった常用労働者数が100人以上の企業は、納付金が徴収されます。
法定雇用率制度の罰則的な意味合いを持つのが「障害者雇用納付金制度」なのです。
この制度は以下のように、法定雇用障がい者数を下回っている企業から納付金を徴収し、上回っている企業に調整金を支給しています。
【障害者雇用納付金制度の仕組み】

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「事業主のみなさまへ 令和8年度版ご案内」
未達成企業から徴収される納付金や、達成企業に支給される調整金・報奨金の額は、以下の通りです。
| 未達成企業 | 【常用労働者数が100人以上】納付金:1人あたり月額50,000円徴収 |
| 達成企業 | 【常用労働者数が100人以上】調整金:1人あたり月額29,000円支給
【常用労働者数が100人以下】報奨金:1人あたり月額21,000円支給 |
例えば、常用雇用労働者数が100人の企業は障がい者の方を2人雇用する義務がありますが、0人が続いた場合、1ヶ月10万円、1年で120万円の納付金を支払わなければなりません。
さらに未達成企業は、雇入れ計画書の作成・提出命令や、行政指導を受け、それでも改善が見られない場合は企業名が公表されます。
納付金だけでも経済的な負担がかかるのに、定期的な進捗報告などの業務負担や、企業イメージの低下などの影響も受けることになるのです。
企業に大きなダメージを与えかねないので、法定雇用率達成に向けて積極的に取り組みましょう。
法定雇用率未達成のリスクについて詳しくは、「法定雇用率未達成のリスクとは?企業名公表を避けるための施策も解説します」を、ご覧ください。
障がい者雇用に関する課題をお持ちの方はJSHにご相談ください。
4.制度ではないが重要|障がい者への不当な差別的取扱い禁止と合理的配慮の提供義務

ここまでの話を聞いて、法定雇用率の達成を目指して優先的に取り組んでいこうとお考えになった方は多いのではないでしょうか。
障がい者雇用に関する制度ではありませんが、障害者雇用促進法では障がい者の方に対して、以下の2つが定められています。
| ・不当な差別的取扱いの禁止 ・合理的配慮の提供義務 |
募集・採用・賃金・配置・昇進などのあらゆる局面で、障がいを理由に差別することは禁止されています。
また、障がい者の方から申し出があった場合は、企業の負担が重すぎない範囲で、合理的配慮を提供しなければなりません。
上記の2つに違反しても、企業に対して直ちに罰則が課されることはありません。
罰則を課すよりも、障がい者の方に対する理解を深め、障がい者雇用を推進することに重点が置かれているからです。
しかし、以下の2つのケースでは、罰則として20万円以下の過料や、助言・指導・勧告などの行政措置が取られる可能性があります。
| ・行政機関から状況報告を求められた際に、正しく応じなかった場合 ・企業が自主的に改善できないと判断された場合 |
適切に障がい者雇用を進めていくために、不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供に取り組みましょう。
採用時、採用後など、障がい者雇用における各フェーズで提供できる合理的配慮については、「障害者雇用の合理的配慮に悩んだら必読!進め方まで解説」を、ご覧ください。
障がいの種類別の合理的配慮の具体例を詳しくご紹介している「【合理的配慮の具体例集】障がい・場面別に提供のポイントを解説」もおすすめです。
| 障がい者雇用の推進に不安がある企業はJSHのコルディアーレ農園にご相談ください |
| 障がい者雇用の制度では、企業は法定雇用率を達成することが求められ、達成できなければ納付金を支払う必要があります。
さらに、障がい者の方への不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供義務もあり、どこから手を付ければいいのか悩む方は多いのではないでしょうか。 障がい者雇用の推進に不安がある企業は、JSHの「コルディアーレ農園」に、ぜひご相談ください。 屋内型の水耕栽培農園で、専門的なサポートを受けながら障がい者雇用を推進できる「障がい者雇用支援サービス」を、ご案内できます。 このサービスは以下のように、企業様に貸し出した地方農園で働ける障がい者の方をご紹介し、その後の定着支援もサポートさせていただくものです。
障がい者の方が住み慣れた地域で、個々の障がいの特性に応じて安心して長く働けるように、開始しました。 農園では、企業様が雇用された障がい者の方たちに対し、以下のように看護師を含む弊社スタッフが業務・送迎・体調管理面における万全なサポートをします。
【コルディアーレ農園の仕組み】
障がい者雇用に不安や課題を感じている企業様と、働きたいのに地方で就職先がない障がい者の方を繋ぐ、架け橋になる仕組みです。 2026年4月現在、弊社の農園型障がい者雇用支援サービスを導入いただいている企業様は250社以上、企業様が雇用された障がい者の方は1,700名超に上ります。 弊社は、2024年に東京証券取引所グロース市場に上場し、今後も社会課題の解決に向けて、誠実に取り組んでいく所存です。 ぜひ、お気軽に下記ボタンからコルディアーレ農園の資料をご請求ください。
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障がい者雇用に関する課題をお持ちの方はJSHにご相談ください。
5. まとめ
障がい者雇用の制度について、ご紹介させていただきました。改めてポイントをおさらいしましょう。
障がい者雇用の制度には、障害者雇用促進法に基づく、以下の2つがあります。
| ・法定雇用率制度 ・障害者雇用納付金制度 |
法定雇用率制度で押さえておきたいポイントは、以下の2つです。
| ・【2026年7月~】法定雇用率の引き上げ ・雇用障がい者のカウント方法の理解 |
障害者雇用納付金制度は、以下のように、法定雇用率の未達成企業から納付金を徴収し、達成企業に調整金・報奨金を支給しています。
| 未達成企業 | 【常用労働者数が100人以上】納付金:1人あたり月額50,000円徴収 |
| 達成企業 | 【常用労働者数が100人以上】調整金:1人あたり月額29,000円支給
【常用労働者数が100人以下】報奨金:1人あたり月額21,000円支給 |
障がい者雇用に関する制度ではありませんが、障害者雇用促進法では障がい者の方に対して、以下の2つが定められています。
| ・不当な差別的取扱いの禁止 ・合理的配慮の提供義務 |
この記事を元に、制度を理解し、あなたの企業で適切に障がい者雇用を進められることを願っています。
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